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〜古墳軍ニュース〜【2008/10/25】
取材は進めどなかなか追い付かないデータ整理と更新。放置して鮮度が落ちては惜しい情報を何とか救済すべく設置したコーナーです。古墳をめぐる最近の動向などを随時掲載・更新しますのでお見逃しのないように。
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◆ 埼玉古墳群・奥の山古墳発掘調査現地説明会(行田市) ◆
堀でよく見かけた鴨の群れはさすがにいません
西側から見る奥の山古墳の後円部と、妙に大きな造り出し。墳丘裾部がかなり削れてしまっているのがわかる。今回の調査は、昭和40年代の復元で盾形にされている周堀の、北側(画面左側)部分になる。
手前の明るい部分が奥の山の内堀、その向こうが中堤です
北西の調査区域。見えている墳丘は鉄砲山古墳のもので、そのすぐ手前の明るい色の帯が中堤。奥の山の外堀と鉄砲山の外堀とは画面左奥で切り合うか避けるかしていると思われるのだが、残念ながら調査区外なのだった。
鉄砲山の外堀は意外に広いのでした
調査区域北東側。鉄砲山の前方部北東端で一部墳裾を掘り込んで、内堀の落ち込みを検出している。奥から順に鉄砲山の中堤、外堀、奥の山の外堀との狭間地。
右側の低いところが奥の山の内堀
奥の山の北側の外堀は、鉄砲山のものよりぐっと狭いようだ。外堀の北東コーナー(画面奥の方)は地形の変換点にあたり、明瞭な形状を持たないかも知れないという。
水がなくなると鴨が見られなくなるけど、墳丘維持にはその方がよろしいわけで
奥の山古墳の内堀北東コーナー(画面左下)。これで群中の他の古墳同様、方形の周堀を持つものであることがわかった。現状の堀(上方に見える水面)とばっちりラインがつながっているが、深さはずっと浅い。
両手が自由に使えるので現説にはうってつけ
今回気になったのが、係員の方が使用していたハンズフリーの拡声器。小さいけれどかなり聴きやすいし、デザインもいい感じだ。調べてみたらギガホンという音声増幅装置だそうで、ごく小さな声しか出せない人の補助具としても使える便利なもののようである。
 
2008年10月25日取材
 久しぶりに行田へ。奥の山の現地説明会には昨年度行き損なっているので、今年こそはと勇んで出かけた。今回の調査では、盾形で復元されていた奥の山古墳の周堀が、埼玉古墳群の他の古墳と同様に二重の方形周堀であることが確認されたという。
 きれいに出ていた北東の内堀コーナーも面白かったが、調査区外となっている北西側で鉄砲山古墳と奥の山古墳の外堀どうしの関係がどうなっているのか、明らかになれば築造順もはっきりするわけで、このあたりも興味深い。鉄砲山と奥の山では外堀の幅が歴然と違うのも、これは何かの差なのか偶々そうなったのか、気になるところである。
 現在の水堀は実際の周堀より掘り下げているようで、実際はもっと浅いもののようである。墳裾の侵食も進んでいるので、来年度の整備作業では水堀をやめて周溝の形を植栽等で判るようにし、外堀の範囲も示す予定だそうだ。


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