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〜古墳軍ニュース〜【2008/09/10】
取材は進めどなかなか追い付かないデータ整理と更新。放置して鮮度が落ちては惜しい情報を何とか救済すべく設置したコーナーです。古墳をめぐる最近の動向などを随時掲載・更新しますのでお見逃しのないように。
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ナンバー


◆ 東京都三鷹市 天文台構内古墳発掘調査現地見学会 ◆
奥の方に見える群集は横穴式石室を眺めるための櫓に乗ってます
野川をのぞむ台地南端に位置する三鷹市唯一の古墳。「第一赤道儀室」脇の木立の中にあって、のっぺりした円墳の態だが上円下方墳だという。これは北側から。
樹木越しの妙な画像…
周溝の北東隅部分。コの字形との説明だが、南側(石室開口側)については未確認ということのようだ。現状では全くわからないが白線内側が方形の1段目となるはず。
前室の天井石らしいものが落ち込んでいるのが見えます
3室構造の横穴式石室。同じ上円下方墳である武蔵府中熊野神社古墳(府中市)や、北大谷古墳(八王子市)とよく似たプランである。羨門内側に僅かに礫床が見える。
墓前域には数個の大きな石がごろりと落ちていて気になります
美しい石積の様子。墓前域の側壁は丸い石積で、前室から胴張型の玄室にかけては泥岩の切石積。羨道には土が入っているため正面から玄室を窺うことはできない。
石室上部は遠目にもひどいボロボロっぷりです…
玄室には上から掘り進んだようだ。墳丘断面に見えている白い横縞は石材の切屑。石を加工したり積んだりしながら土盛をしていった証拠?
このあたりは瓦礫だらけ。古墳時代のものではなさそうです
残念ながら墳丘に上ることはできず、観察用の櫓が石室前に設置されていた。こちらは墳裾南東部のトレンチ。周溝を東西に横断しており、手前側が墳丘1段目になる。
ものすごい人だかりでなかなかいいポジションを取れなくて、…こんな画像です
玄室内のカメラを遠隔操作して観察できるコーナーは大変な人気。珍しく石室内から須恵器壺と土師器坏が発見されており、これらもまだ取り上げられずにあった。
美しいドーム型の横穴。横穴の保存展示施設としては、このあたりではいちばん立派なものの1つでしょう
天文台西方にある出山横穴墓群8号墓も見学。まともな写真が撮れなかったので案内板でどうぞ(画像クリックで拡大)。ご案内くださった友人夫妻に感謝。
可愛らしい建物の後ろが見学会の受付テントです
古墳の手前にある第一赤道儀室は、国立天文台で最も古い建物(1921年建設)。小さなプレハブに面白い展示がぎっしりの不思議な施設「国立天文台展示室」も必見かも。
船底を作る技術を応用しているそうです。素敵すぎる…
こちらは大赤道儀室の内部のようす。65cm屈折望遠鏡は日本最大で、移動式の観測床に載っている。造船技師によって造られた大ドームが美しい。
 
2008年9月6日取材
 地方遠征ばかりの古墳軍が都内の現地説明会へ進出。国立天文台の敷地内にあることや、上円下方墳であることなど、数々のそそられる要素に誘われて三鷹市へ。
 新聞でとりあげられたこともあって、到着時には既に受付が見えないほどの行列。石室前に設えられた櫓の上も、玄室モニターのあるテントの中もぎっしり。確かにこうした形で石室内を見られる機会は滅多になく、我々もモニター前の人だかりに潜ってみたというわけなのである。
 墳丘1段目の幅が東西で28.5m、2段目の推定高さが3.7mということで、さほど大きいものではない。発見された須恵器から7世紀中頃と推定される。玄室内にはまだ落ちた石材などがかなり残っているが、発掘は継続中で近々全貌が明らかになるとのこと。続報が楽しみだ。


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