埼玉古墳軍／古墳軍ニュース

◆　桶川市小針領家で謎の塚発見　◆


2003年１月５日取材　我々が行田市や群馬県東部方面へ向かう時の経路である桶川市の県道蓮田鴻巣線脇で最近見つけたもの。10m級のサイズで幾分変形が見られるが、どう見ても日頃見慣れた小円墳のたたずまいを成す。それまでは樹木が茂っていて塚があるとは全く気づかなかった。あたりの切り開かれ方にはこれから発掘調査に入るかのような気配もある。　「全国遺跡地図　11　埼玉県」（1977　文化庁文化財保護部編　（財）国土地理協会発行）の８　鴻巣の232番に円墳として記載されているものに位置が合致している。しかし「埼玉県古墳詳細分布調査報告書」には付近には一切古墳の存在が記されていない。同遺跡地図の情報はかなり古いもので後に古墳ではないことがわかったものも古墳として記載されている場合も多いようである。　ちなみに同遺跡地図で北西200mほどのやはり円墳とされる230は富士塚（浅間塚）で、それと232のちょうど中間の231の経塚とされるものもある。　「桶川市史　第二巻　原始古代資料編」（1979　桶川市役所）によると付近には中世以後の十三塚のような性格を持つ塚群の遺跡として「七墓場塚遺跡」の存在が記載されている。その内の最も南の「七墓場塚Ⅲ遺跡」は「県道蓮田鴻巣線の北側に所在する直径八メートル、高さ2.5メートルの塚」で頂に「盗掘の跡が見られる」とされており、どうやらこれに該当するようである。　古墳ではない可能性が高いようであるが、引き続き今後どうなるのか注目してゆきたい。