登場人物:
サントゥッツァ:村の娘
トゥリドゥ:村の青年
アルフィオ:馬車屋
ローラ:アルフィオの妻
ルチア:酒場の女主人、トゥリドゥの母親、マンマと呼ばれている
前史:
かつて、美しいローラと村の青年トゥリドゥは結婚を誓い合った仲だった。しかし、トゥリドゥが兵役に就いている間に、ローラは、村一番の金持ちである馬車屋のアルフィオと結婚してしまった。兵役から戻って来て愕然とするトゥリドゥ。その寂しさを紛らわすためトゥリドゥは、村の娘サントゥッツァにちょっかいを出した。トゥリドゥに身も心も捧げたサントゥッツァは、トゥリドゥなしではいられなくなる。そのうわさを耳にした、トゥリドゥのかつての恋人ローラは、嫉妬心から、夫アルフィオの目を盗んでトゥリドゥと不義の仲となった。サントゥッツァは無残にも捨てられたのだ。
シチリアーナ:
トゥリドゥが、ローラのためなら死をも辞さないと歌う、その歌声は暁の荒野に響き渡る。
前半:
ここはシチリアの田舎町。今日は復活祭。村の男女の合唱が聞こえてくる。
サントゥッツァが、ルチアの店にやって来た。トゥリドゥの居場所を、彼の母親に聞きに来たのだ。息子は葡萄酒を仕入れに隣町まで出かけたよと言うルチアに対し、サントゥッツァは、昨夜遅くこの村で見かけた人がいると言う。驚くルチア。
鞭の音と馬車の音が聞こえ、広場に人だかりがして来た。景気の良い馬車屋のアルフィオの登場だ。アルフィオはまっすぐにルチアの店に入った。マンマ・ルチア、あの美味しい葡萄酒はまだあるかい。それだったらトゥリドゥが仕入れに行ってるよ。まさか、トゥリドゥなら今朝、家の近くで見かけたぜ。またしても驚くルチア。
その時、教会の中から聖歌隊の合唱が聞こえてくる。仕事に出かけるアルフィオ。祈るサントゥッツァとルチア。
サントゥッツァは、今までの一部始終をルチアに語る「マンマも知る通り」。
トゥリドゥが戻って来た。あなたを待っていたの。話しをしたいの。何処へ行っていたの。嘘をつかないで。矢継早に質問し、復縁を迫るサントゥッツァに対し、不機嫌に突っぱねるトゥリドゥ。打ってもいい、愛しているわ、許してあげる。二人の会話が最高潮に達したちょうどその時・・・
そこへ、ローラが通りかかる。ローラは、夫アルフィオと一緒に教会へ行くために、この広場で待ち合わせをしていたのだ。しかし、まだ夫アルフィオは来ていない。トゥリドゥとサントゥッツァが一緒に居るところを見たローラは、皮肉めいた言葉を残して一人で教会へ入って行った。
サントゥッツァと一緒に居るところを見られて、ローラが怒ったと思ったトゥリドゥは、サントゥッツァに対して怒りをぶつける。サントゥッツァを殴りつけて教会へ逃げ込んで行く。サントゥッツァは怒りは頂点に達する。
蹄鉄屋に行っていたアルフィオが戻ってきた。怒りの収まらないサントゥッツァの口から、ついに秘密が漏れる。ローラはトゥリドゥと一緒に教会へ行ったわ。驚くアルフィオ。今、何て言った。あなたが雨の日も風の日も馬車を走らせて稼いでいる時、ローラはあなたの名誉を汚していたのよ。全てを悟るアルフィオ。名誉を重んじるシチリアの血が沸騰する。
間奏曲:
この強烈な血生臭さいオペラの中で、何という静寂だろう。それは、次に起こる悲劇の導火線でもあるのだ。
後半:
ミサが終わり、人々が教会から出てくる。トゥリドゥは皆を居酒屋へ招く。さあ、皆さん葡萄酒に乾杯。皆が酒を称えて大合唱となる。
アルフィオが登場。皆ご機嫌でこの人気者を迎える。トゥリドゥは葡萄酒をアルフィオに差し出した。しかし、アルフィオはそれを冷たくはねのける。お前の酒は受けないよ。不穏な空気に村人達は唯ならぬものを感じている。トゥリドゥにははっきりとわかった。アルフィオは全てを知っているのだ。二人の間で意思が通じた。もう決闘しかないのだ。裏の葡萄畑で待ってるぜ。そう言い残すとアルフィオは村人達と去って行った。
残ったトゥリドゥは母親へそれとなく最後の別れを告げる。ルチアは知っているのだろうか、これから息子が死にに行くことを。ルチアはわかっているのだろうか、もう息子は帰って来ないことを。サントゥッツァをルチアに託して、トゥリドゥは出て行った。薄々何か不幸が起こることを感じ取るルチア。私のお母さん。サントゥッツァの声と共に抱き合う二人。
その時、裏の葡萄畑から悲鳴が上がった。トゥリドゥさんが殺された。
オーケストラの強奏のうちに幕。
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