「同鉱を破産に持っていくかどうかは、大口債権者の国の判断ひとつですよ。そうなれば、社会、労働問題に発展して、大きな問題になる。一民間銀行の問題ではないですよ」ともっぱら、国に火の粉をかぶらせる。国と三井は持っている債権を新会社にそっくり引き継がせて返済させるという腹だが、協会側はそんなことをされては、新会社はにっちもさっちもいかなくなるので、当然、反対し管財人も決まらないという綱引きが続いていた。三井としては間違っても自分らが同鉱の破産の引き金を引いたという非はうけたくないという本音と交錯する。
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