マンゴーの栽培　(Mango Cultivation)　

タイ国では、郊外で高さ20M以上の大きなマンゴーの樹を見かけます。市場には黄色で細長いマンゴーが、20バーツ程で売られてます。
仕事でタイ赴任中は一年を通じて、会社の私の机の上にはマンゴーやバナナ、グアバなどが置かれ、熱帯果樹を満喫しました。
　2013年2月に三坪のビニールハウスを設置し栽培を始めました。マンゴーは強い樹木で、不織布ポットによる根域制限や、低温度の
負荷をかけても順調に生育しました。未だ、着果後の果実肥大の過程で落果する課題は有りますが概ね良好に育っています。
2016年は灯油価格が安くなり、真冬の栽培最低温度を８℃から10℃に上げ、開花時期が三月になるように花芽を摘んで調整し、
開花後は最低温度を15℃以上に昇温して生育環境を良くしました。
一般的なアーウィン、キーツ種から始め、面白いので種類を増やしました。その都度ビニールハウスを拡張し、樹間距離を
１ｍから1.2ｍ程に広げました。一般の商業栽培では、樹間距離は４ｍ程なので、16培の密植で栽培している事になります。
　好きな品種は、味が濃厚な'Cat','Gold Nugget','Glenn','Ruby'等ですが、自家栽培のものはどれも美味しいと思います。
玉文６号の平均糖度は19Brixと高いですが、その無胚果は120gと小粒だが糖度は23Brixも有り、甘くて舌触りもよかった。
（2020年玉文６号の700g級大玉で糖度23.8Brixを記録した。とても甘くて美味しかったです）
追熟は通常10〜14日と言われるが、追熟中に重量が5〜11%減少し、▲8%頃が美味しいころ合いと思います。
収獲時期の見極めが難しく、評価の低い'Keitt'ですが、1kg越えの重量で存在感が有ります。マンゴーは個性的で面白い。

　2017年3月、温室に蠅が入り始めた。しかし温室内の日陰の多い領域は、成長が遅く開花しない苗が多い(隔年性の問題ではない)。
4月末に'Keitt'の大苗に優良品種'Gold Nugget','Mapulehu','Ruby','Osteen','Magshamin'を接ぎ木し、7/10の成功率で活着しました。
　2018年4月末、大苗の四季成り種は着果率が悪かったので、"Cat","Chokanan","Rosi Gold","Bailey's Mabel","Magshamin","Irwin",
"ST Maui","Glenn","Gyokubun#6","Sprit of '76"の１０品種を接木しました。品種の差なく穂木からは全て新梢が出てきました。
また、種から育てたインドネシア産苗は一年半経ったので頂部と側部に他品種を接ぎ木し、6/6箇所で成功しました。
　2019年3月は、2017年にKeittに接木した５品種と昨年インドネシア産に接木した苗に花芽が出てきました。
6月現在無胚果の為に小さいものも有りますが収獲数は７0個程。品種よりも樹木の充実程度で収穫の良否が決まる。
　2020年は無胚果と裂果が例年よりも多い。三年程前から春先のミツバチや蠅の飛来が減ったのが原因と思われる。また着果が
早いにも関わらず長雨で色付きと熟すのが遅い。10月に四季成りが開花して2021年三月に収穫。
2017年に接木したOsteenで975ｇの大玉が出来た。糖度も16.7Brix有り、Keittよりも濃厚だった。
　2023年冬季のヒーター設定温度を10℃（実測最低温度５℃）にし、灯油の節約をしたら、開花時期と収穫がひと月遅れた。六月末の成長過程の落下は二倍に増えたが収量は昨年を下回る言はなかった。１１０個収穫、Zillateは糖度２３で驚きの美味しさ。
　
Ｌast Updated　21,Dec.2023