2000/09/20 ペンギン
今日9/20午前瀬戸市内の団地(戸建て住宅)にて庭の菜園に頭から伸ばした尾の先端まで約25cmの小動物が現れました。
目撃したカミさんの話では、はじめ猫かと思ったら、伸ばした尾(猫よりふさふさしている)と体は略同じ長さで、カミさんに気付くと弾むように植え込みの蔭に逃げ込んだそうです。
色は殆ど黒くて、このホームページには同じ色は有りません。適当な餌が無いので、とりあえず生の大豆を見掛けた辺りに置きました。
2000/09/21 リス研 北山
ペンギンさん
ご連絡ありがとうございます。お問い合わせの件次のような可能性が考えられます。
頂いている情報だけからでは、上記の二つの可能性があるものの残念ながら特定はできません。
瀬戸市内ということですが、近くに山や雑木林があれば、そこをねじろにして生活しているかもしれません。今度であったときのために、両足でたっていたか、耳はどんな形をしていたか、目の周りの色などや両手を使って食べているとかの様子をぜひ観察をしてみてください。
ニホンリスが黒いという可能性もないとはいえませんが、目の周りのしろいくまどりが、必ずきづくはずですから、きっと違うでしょう。
ありがとうございました。 再度のご連絡をお待ちします。次回はメールアドレスをご記載ください。回答が直接送付できますので。
2000/02/13 野口 浩昭
守山りす研について、名古屋市北区役所5Fのパンフレットで知りました。名古屋には、にほんりすはいないと思っていたので、うれしい思いです。パンフレットで見た推測生息数は8匹と聞いて、人間のわがままの犠牲になった多くのりすくんに申し訳ないです。これからも影ながら応援させていただきます。
2000/02/15 リス研
野口さん、ありがとうございます。
5月から2ヶ月ごとに観察会を開催したり、ボーイスカウトや尾張旭市の小学生と巣箱や給餌台を作成したりしています。 新聞に予定が掲載されますので、一度参加いただければ、実際のフィールドでの状況がおわかりいただけると思います。
10年、給餌活動を実施してきて、やっと保全されていると思われます。今、愛知県尾張旭市の森林公園のニホンリスが9年間維持されていたものが今年絶滅してしまったと思われていましたが、1年後にやっと戻ってきました。
その復活を確かなものにするための活動を今年やろうと会員で計画しています。ぜひ関心あれば、ご参加ください。活動会員を広く募集しているからです。
ご連絡や応援のお言葉有難うございました。今後ともよろしくお願いします。それでは。
北山
2000/01/24
とても初歩的な質問で申し訳ありませんが、小学校一年生の息子の授業で、冬にそなえてリスが地中にドングリをうめる際にどれだけ深く埋めるのか、インターネットで調べてくるようにという課題が出されました。もしお時間があれば教えていただけますでしょうか。
おもしろい課題ですね。なぜおもしろいって?それは回答にたどりつくために、いろいろなことを、知らなければならないからです。初歩的だなんてとんでもありませんよ。疑問を解きあかしていくのが学習です。初歩も高度も同じ硬貨の裏表です。それでは課題をどう考えていくかまず考えみてましょう。
前提:リスといっても、日本には4種類います。エゾリスとエゾシマリス、それにニホンリス、とタイワンリス。タイワンリスが一番大きく、エゾリスがつづき、ニホンリスが三番目でエゾシマリスが一番小さい体です。
これら体の大きさが違うリスが、すべておなじように地面に埋めるかを考えてみましょう。どんなエサを食べているか、大きなエサとちいさなエサでもことなることも考えられます。
さらになぜリスは食べものをたくわえるのでしょうか。それは
いうのが、おもな理由だといわれます。
どこにたくわえるか? 腐らないものは、地面に埋めるだけでなく、木の穴などにも、木の上にもたくわえます。くさるものは地面にうめません。リスはなぜかきちんと、区別できます。
だんだん答えに近づいてきましたね。以上をしらべてきて、まとめると、
エゾシマリスは、口に4-6個のドングリ(ミズナラの実)をいれて、運びそれをまとめて葉っぱの下3−5cmほどの深さに隠すといわれます。
エゾリスは、オニグルミやチョウセンゴヨウマツの実がすきで、あまりドングリをたべませんが、それでもエサが少ない時には、ドングリも食べます。なぜかというと、ドングリはしぶいからです。
私たちの実験でもニホンリスの一番の好物はマツボックリの中の種で、同じくらいがオニグルミで、カシグルミ、スダジイ、そのズットあとにコナラのドングリがきます。
オニグルミの大きさは2−3cmほどですので、地面の深さもそれが十分かくれるだけの深さとなり少し深めの4−6cm程が確認されています。ドングリの大きさは1−2cmほどですから3−4cmでもかくれるでしょう。はっぱがかぶさればあまりその差はなくなりますね。
実はニホンリスは自分のつばをたねにつけて、自分のにおいがあとからわかるようにしているともいわれます。これは私たちの観察からも、またあのシートンも記録しています。
もう一度、ふりかえって、地面にかくすことの理由は、
ここで大事なのは、その深さがじつは、たねにとって芽や根をだすのにぴったりの環境でもあり、リスにより忘れ去られた種やドングリは、翌年芽を出すことです。
ですからニホンリスはエサとして食べるだけでなく、ドングリ、オニグルミを埋めて森を作る活動をし、ドングリはたくさん実をつけ、食べられてもちゃんと子孫をのこせるように考えて、ニホンリスにたよっているという関係が、長い年月の間に、出来上がってきているといえます。
埋める深さが実は、ニホンリスとドングリやクルミとのやくそくで、「しめりけがあり、芽が一番出しやすい深さ=3〜6cm」になっていると考えられます。おもしろいとはおもいませんか。
以上のようなことが、埋める深さという課題から一連の映画のフィルムのようにうかびあがってきます。その真中を、はさみで切ったところが「埋める深さ」ということになると思います。
だから「おもしろい課題ですね」といったのです。おわかりいただけましたでしょうか。1年生のお子さんには難しいかもしれませんが、答えの「深さ」だけをしることは、余り意味がありません。自然の中で、野生生物がともに生きている神秘さの一面があることを、ぜひお子さんといっしょに話し合ってみてください。
私たちも、リスとコミュニケーションをとりながら、一つ一つ自然の扉を開けている段階で、全て分かっているわけではありませんが、さらに質問あればなんなりとご連絡ください。いっしょに考え、リスや森に耳を傾けてゆきたいと思います。
質問ありがとうございました。それでは。
守山リス研究会 北山
2000/02/11 白土さゆり
先日、リスの貯食について質問した者です。早速丁寧なお答えを頂きまして、感謝しております。実は今回の件は、小学校1年の国語の教科書で、松谷みよ子作の『りすのわすれもの』というお話がでてきた際、(この話は、さんたという子りすが、ひいひいおじいさんが土に埋めてそのまま忘れてしまったくるみの実からそだったくるみのおじさんから毎年実をもらえるんだということを知るというストーリーです)こどもたちからでた疑問を、図書館やインターネットでお家の人といっしょに調べてきてという課題だったのです。子供達の疑問は他には、『りすはくるみがないときはどんなものを食べてるの』『どのくらいでおとなになるの』『なんねんぐらいいきてるの』等のものがあったようです。図書館で何冊か借りた本それぞれに新しい発見があって、更に北山先生が教えて下さったなかでも新たなことがわかりました。担任の先生によりますと、クラスの子供達も、『りすについていろいろなことがわかってきたね』とよろこんでいるようです。そもそもこんなに疑問がわくほど、自然のなかのできごとについて、子供はおとなよりよっぽど想像力が働くようですね。
今回のことをよいきっかけに、日頃子供から尋ねられる素朴な疑問をそのままにせず、いろいろな方法で調べてみようと思っています。学生時代の卒論よりよっぽどわくわく楽しかったです・・。
(ちなみに、他には、『地面の下水道のしたはどうなっているの』とずっと疑問に思っているようなので、このあいだ地球の本を借りてきました。それによると、地下20キロ付近の温度は200℃もあるんだそうですね!地震のメカニズムまで書いてありましたし。ほんとにおもしろいです。)
余談ですが、新婚旅行ででかけたバンクーバーのスタンリーパークで、大木の間をりすがあたりまえのようにちょろちょろっと走り回っているのをみて、なんて自然豊かな都市なんだろうと感動したのを思い出しました。日本の都会の子供達にも、同じ体験をさせてあげたいものですね!
暖かくなったら、手始めに東京の井の頭公園にリスを見つけにいこうと思っています。
ネット自体に不馴れなせいもあり、お礼が大変遅くなりまして申し訳ありませんでした。ありがとうございました。