発行日: '99年 5月23日(日)
発行:守山リス研事務局
北側は、南の尾根の植生とは少し様相を異にしていた。モミを中心としてクルミ、アラカシ、アカマツ、ヒノキ、スギ、コナラで、樹高15-17mの森を形成していた。代表的な胸高直径は
この数字から元々アカマツの林が50-60年前から存在していて、そこに30年後にモミ、オニグルミが進入してきた様子が推定される。
モミの木にリスの巣を発見。少し壊れている感じもするが、それでも中はしっかり詰まって、まっくろだった。この地でみる二度目の自然の営巣であった。少し大きめの巣箱がモミの木に設置してあった。リス用に設置したが、入り口が齧られてムササビが入っていたとのこと。給餌台もカラス避けの金網で覆われモミに設置。
オニグルミのオバナ・メバナの調査風景(5/3/99)
道をすこし下るように尾根筋を歩くと、オニグルミが7-8本一列に尾根に沿って生えている(胸高直径33cmφ)。30年から40年を経ておりすべてオバナが垂れ下がってメバナも小さいが出来始めていた。
アカマツの枯れた後の切り株の年輪を数えてみると、40まで数えられた。このことはアカマツの直径からの樹齢推定とほぼ類似している。
モミの木がこんなに太く、しかも多数生えているのを見るのは北海道の帯広以来であり、名古屋地区では、まったく見られないため珍しさを感じると同時に、この地の冬の寒さが、かつて厳しかったか今もきびしい事が予見できた。
温帯林と暖帯林の境にあたることを実感。モミの木は陰樹で、小さくても繁殖できるためこの辺りでは遷移の最終段階の優先種なのかもしれない。リスにとって、十分な餌になるのかどうかの調査が必要。トウヒと同じなら可能。
(続く)