争い無くす為に

 

 

第四章 木星潜入作戦 〜生きていた殺人鬼〜

 

 

 トウヤ達がクロスボーン・バンガードと合流したとき、日本の各研究所の一部……光子力研究所と早乙女研究所、そしてビックファルコンにハマーン率いるアクシズが攻撃を仕掛けてきたのだ。

「この兜甲児に!そして元ロンド・ベルメンバーに敵う敵なんざいないんだ!くらえ鉄拳!ロケットパンチ!」

 気合の入った掛け声と共に発射された攻撃をくらったモビルスーツは一撃で粉砕される。

「甲児君!確かに俺たちに敵う敵はいないかも知れないが、今回はトウヤ君抜きでの戦いなんだ!もう少し気を引き締めて戦うべきだ!」

「そう……ですね。トウヤちゃんばかり頼りにする訳にはいきませんからね。」

「どっちにしてもこの研究所を守らなければ意味がないしね!」

 鉄矢の言葉に果敢にも接近戦で戦うカスミやアイ達も多少慌てて機体を下げる。

「忠告は嬉しいけど、だからといって防戦はあまり得意じゃないんでね……鉄矢さんたちもだろ?」

「まぁ、そうだが、切り札は最後に取っておくものだ!」

「確かに。ブレストファイアー乱発なんて真似は出来ないからな。」

 苦笑いと共に甲児は戻ってきたロケットパンチを他の敵に向ける。

「だけど、そろそろ出すべき……じゃないかしら?」

「そうだな。食らえ!サンダー・ブレェェエェェェク!」

 ガザタイプの攻撃をワザとくらって距離を置くやいなや魔人の雷を敵に浴びせる。

「いきます!必殺……オッカムのかみそり!」

「敵機操者の闘気……インプット!ミサイル、オール・ターゲッティッング・セット!お願い、当たって!ブライファング・リメイション!」

「プラーナ・フル稼動!ターゲット・セット!行って!レス・リフラァァァァァム!」

「天を支配し黒き雷よ……我のプラーナと混ざりて、わが敵を粉砕せよ!必殺!ノワール・エクレール!」

 魔装機・ファルクの一太刀がガザDを粉砕した直後、カスミ・アイ・オーレリィの連続技がアクシズの機体へと襲い掛かかっていた。

「どうだ……?」

「!鉄矢さん、危ない!」

 激しい爆発音の直後に巻き上がった煙の中を覗き込もうとする鉄矢をカスミがグレートマジンガーごと押し倒す。

 その直後グレートマジンガーの上で激しい爆発音が鳴り響いた。

「へっ!はっきり言って……こー言うときに判断力の高い奴が1人いるから有難いんだよね!」

「この声は……まさか!」

「そのまさかよ!宇宙の死神デュオ・マクスウェル様が新しいガンダムを引っさげて颯爽と登場ってやつさ!」

 その叫び声の直後、冷たい金属音が鳴り響いたかと思うとあたり一面の煙が吹き飛ばされ、その中心部から漆黒のガンダム……ガンダムデスサイズヘルレイが姿を表した。

「死ぬぜぇ……俺の姿を見た奴は……みんな死んじまうぜぇ!」

 デュオが叫んだ直後、近くにあったMSが不自然に爆発する。

「え?嘘……あれ、デュオ君がやったの?」

「じょ、冗談じゃないよ!あのガンダムには時限爆弾でも設置されてるのかい?」

 カスミが思わず呟き、オーレリィが叫んだ直後、その場にいた皆が皆、思わず息を呑んだ。

 目の前にあった筈のガンダムが既にいなくなっていたのだ。

 直後の爆発音で唖然となっていた皆がその方向を見ると、デュオのガンダムがビームシザーズで次々と敵を撃破している姿が目に映った。

「!そうだ!唖然としている場合じゃないぞ!デュオに続け!」

「りょ、了解!」

 我に返った鉄矢の言葉に、甲児達もわれに帰り、攻撃を再開していった。

 

 

「グランライトウェーブレール……発射!必殺・グランダッシャー!」

 ビックファルコンでも、激しい戦いが繰り広げられていた。

 アクシズMSの間を素早く通り、コンバトラーがエンドラVを撃破し、直後更に上空に飛び、追撃してきたガザタイプを超電磁武器で撃破する。

「ニュータイプ専用MSはコンバトラーの援護!他は残った敵艦・敵MSの撃破だ!」

「ファンネル!コンバトラーの援護をして!」

「ファンネルよ、上空の敵を狙え!」

 アムロの指示でν・キュベレイ・サザビーのファンネルがコンバトラーを攻撃しようとするMSに直撃を与える。

 その攻撃を左右に逃れた機体にバルドックとZガンダムのロンド・ベル二大長距離用ビームの追撃が入る。

「アムロ少佐!幾らなんでも敵の数が多すぎる!この戦力で勝てる見込みはあんのかよ?」

「諦めるな!俺たちは億単位の敵と戦った経験もあるんだ!諦めなければ勝機は訪れる!」

 ジュドーの珍しい弱気にアムロは強気に返す。

 その時に敵の後方から大量のミサイルがアクシズMSに直撃した。

「何だぁ?」

 思わず叫んだクロビス含め、そこにいた皆がミサイルの飛んできた方向に目をやる。

 砂煙が去った後、二つの特殊な姿を持ったMS……ガンダムが現れていた。

「敵残り、MS15機、戦艦4艦……確認。」

「!その声……ヒイロか!」

「ああ。こちらウィングゼロレイとヘビーアームズレイ、援護を開始する。いくぞ、トロワ。」

「了解。……アカルディア製ライフル発射!」

 

 

「必殺!超・振・動・拳!あたたたほあたぁっ!」

 地上製バーニアを点火し、ミオは上空にいるMSに接近戦で素早く撃破する。

 そしてその後ろからゲッタードラゴンが斧で、ザムジードに迫る敵機を撃破する。

「いくわよ……ハイドロ・プレッシャー!」

「忍!突っ込むよ!」

「当然!アグレッシブ・ビースト・チャージ!」

 ガッデスの水素圧力砲を囲むように、元々ダンクーガを形成していた獣達がエンドラVの一つを撃破する。

「へっへ〜ん!やったね!」

「雅人!次が来るぞ!油断するな!」

 亮の言葉通り、残りのエンドラVがダンクーガを狙っていた。

 ……が、しかし、その数々の戦艦やMSは突如炎上し、爆発した。

「な、何なんだい!?いきなり爆発したけど……」

「テュッティ様。データによると、ラングランの精霊の加護を受けたガンダムタイプMSと出てきました。」

「何だって?そんなガンダム、デュラクシール以外見た事も聞いた事もないぞ!」

 狼のファミリアの言葉に、隼人は訝しげな反応を見せる。

「どうやら、間に合ったようですね。こちら、カトル・ラバーバ・ウィナー。ラングランで生まれ変わったサンドロックと共に援護をいたします!」

 早乙女研究所への通信を終えたあと、カトルはフレア・ショーテルを持ち上げ、敵MSに切りかかった。

 

 

「ねえテュッティ、ちょっといいかい?」

「何かしら?」

 戦闘終了後、シャワーを浴びた後、沙羅はロビーで1人休んでいたテュッティに声をかけた。

「リューネやザッシュから聞いたんだけど、この前……トウヤの策にちょっと不満を漏らしたらしいわね。」

「え、ええ。そうだけど。」

「どってかっていうとトウヤに近いアンタがアイツの策を信用しないなんて、どうしたんだい?アンタ自身の能力を信用されなかったからかい?」

「そんなことは……」

「じゃあ、何かい?アイツを心配してるの?」

 沙羅の言葉に、テュッティの目が見開く。

「意外と心配性なんだね、アンタも。アタシは昔のトウヤなんて知らないし、興味もないからいいけど、今のアイツのしぶとさは忍同様ゴキブリ並だから心配する必要なんて無いと思うけどねぇ……」

 コーラの入ったコップを口に付けつつ、沙羅は呟く。

「沙羅は……何で忍にそこまで信頼できるの?」

「あん?」

「私は……彼を……トウヤをそこまで信用できない……」

 真剣にテュッティの話を聞いていた沙羅は、この一言で相手をからかうような表情に一変する。

「ははぁ〜ん、アンタ、トウヤのことが好きなんだ。」

「そ、それは……!」

「トウヤにはユミールがいるけど自分の気持ちは抑えられない。だからわざわざ心配するような事を言うと。」

 沙羅は大笑いしながらテュッティの肩を思いっきり叩く。

「だけど、その事でトウヤが死んだら……」

「アンタのジンクスのことはトウヤやマサキに教えてもらったよ。……忍が無理やり言わせたようなもんだけどさ。アンタの家族は確かにアンタやトウヤの楯になって死んだけど……それにアンタが責任を感じることは無い筈だよ。それに、本当にアイツが心配なら、地球圏にアイツが戻ってきたときにアンタの持ってる力の全部を持って、あいつを守ればいい。それだけじゃないか。」

「……そうね。……そうだわ。ありがとう、沙羅。」

「よしなよ。アタシはあたりまえの事を言ったまでなんだから。じゃ、シャワー浴びてきなよ。髪が汗でびっしょりじゃないか。」

「あ……!」

 沙羅の一言でテュッティの表情は一変して耳まで赤くなっていた。

 

 

「ランドール・ザン・ゼノサキス、入ります。」

「トビア・アロナクス、入ります。」

 マザー・バンガードのブリッジで、次の作戦を決めるため、マサキとトビアがベラに呼ばれて入っていった。他に呼ばれている面々は集まっていたため、この二人が最後になっていた。

「来ましたね。」

「次の作戦が決まったんですね?」

「ああ。」

 トビアの言葉にトウヤが答える。

「木星に潜入をすることになりました。これからその作戦を話そうと思います。」

「これはまた唐突ね。私たちがマザー・バンガードと合流したからですか?」

 ベラの言葉にセリカが声を上げる。

「それもあるんだけど……さっき万丈さんから連絡があったんだ。」

「万丈さんから?」

「うん。地球に攻めていたアクシズは取りあえず返り討ちに出来たんだけど……」

「問題が発生したんだね?何が起きたんだい?」

「ベッキー、酒は禁止の筈だ。」

 酒を片手にトウヤに絡もうとするレベッカにファングが一言。それで慌てて後ろに隠す。

「地球連邦の議員達が少数、アクシズに投降したんだ。」

「あ?そんなのと俺たちが慌てて木星に潜入するのと……どういう繋がりがあるんだ?」

「その議員たちの中に、ペズン地区にいるニューディサイズという連中を万丈さんに頼まれて攻撃しているα任務隊っていうやつを結成した奴がいたんだ。」

 マサキが信じらんないと言った風にトウヤに聞く。

「ニューディサイズ?α任務隊?」

「うん。ニューディサイズってのは地球連邦でもティターンズでも、ジオンでも無い連中だけど……それぞれのMSの長所を組み合わせたMSをもっている教導団だ。」

「そりゃまたまた。変な連中が。」

 トウヤの説明にレベッカは全然大変そうじゃない風に声を上げる。

「うん。アクシズや木星帝国がいなきゃプリペンダーが対処する所だったらしいけど……それで出来上がったのがα任務隊。元々ロンド・ベルに配属されていたマッケンジー中尉とワイズマン曹長もこの隊に変属されている。」

「だから俺達は木星の連中をとっとと潰した後、ニューディサイズを潰せって事か?」

「そうなりますね。潜入はキンケドゥとトビアに頼もうと思っています。」

「それで、作戦の内容は?」

「ああ。内容を聞かなきゃやるやらないは決めらんないよな。まずトビア。お前の所属だったスマシオンとやらの留学生として木星に行く。大怪我したフリをしているキンケドゥと一緒に、だ。だからクロスボーン・バンガードに攻撃されるフリをしてもらう。」

「それで?」

「それで、別ルートから俺、ファング、マサキと数日前に木星帝国に潜入させている3名と合流し、帝国のデータを盗んだ後、破壊。これが作戦だ。」

「アバウトな……!成功率は?」

「……木星帝国に潜入させている3人しだい……じゃ、不満か?それと一応、その3人は戦士としては信用できる連中だ。……人間的に言わせるとかなり信用できんのだけど。」

「ああ!あの3人ですね?」

 トウヤとレベッカの会話にマサキ達ラングラン勢にはその3人が誰かが理解できた。

「キンケドゥさんよ。ここはこいつを信じたほうがいーんでないか?トウヤがここぞと言うときに期待を裏切ったことがあったかい?」

「……わかった。信じましょ。」

 マサキの一言に、キンケドゥはもうどうでもいいと言った感じで答えていた。

 

 

「!何者だ!」

(チッ……やはりそう来たか……)

 木星帝国本拠地近くで、トウヤ達は守備隊のMSに引っかかった。

「こちらはラ・ギアス世界、神聖ラングラン王国の女王、ウェンディ・グラニア・イクナートが弟、ライザ・グラン・イクナート!以前書状にしたためた通り、木星の女王であるマリア殿にお会いしたい!」

(マ、マリア?王子!帝国の総帥はクラックス・ドゥガチでは……?)

(言葉の「アヤ」さ。総帥のクラックス・ドゥガチではなく前の女王・マリアの名を出せば少なくとも連中は動揺する。)

 トウヤが後ろのファングに呟いた直後、遠くで戦闘の爆発音が鳴り響く。

(よし、あの貴族主義とウモン爺がやってくれたな!)

(しかし、あのご老人、一年戦争時のニュータイプと仰ってましたが……信用できるんですか?)

(少なくとも、貴族主義のあの男に比べれば……っつーより、バンガードの中じゃ3番目に信用できるだろーな。)

(そう……なんですか?お兄ちゃん……)

(トウヤを信用しな。こいつは人を見る目があるからな。自身を信用した人間を裏切ったことがない。)

義妹の不安に、マサキは優しく声を掛ける。

(そんなことより、守備隊がいなくなったわ!トウヤ!)

(ああ。俺たちは正面から潜入!キンケドゥとトビアを援護だ!)

(了解!)

 

 

 正面突入を成功させたトウヤ達はしばらくして現れた木星帝国の人間と銃撃戦を広げていた。

「マザー・バンガードを後方に待機させて正解だったな。」

「全くだ!近くにMSがあるから、潜入部隊はそれに乗せてとっとと脱出だな!……よし!正面に進んで直接援護!」

 トウヤの指示で、皆が皆素早く突入を始める。

「それよりライザ様……」

「どうした?」

 通路を突っ切りながら、プレシアの言葉にトウヤは耳を傾ける。

「私、やっぱり凄く嫌な予感がするんです!」

「……それは戦士としてのカンか?それとも魔術を扱うものとして?」

「……両方、です。」

「トウヤはどう思うの?」

「確かに……クラックス・ドゥカチは不明な点も多いし、どこに誰がいるのか。そして強力な仕官が誰か。そう言った意味合いではプレシアの気持ちも分からんって訳じゃないからな。……つーより、クラックス・ドゥカチの雰囲気らしいものと一緒にある強くて嫌な雰囲気を昔、ラングランやフィンランドで「見たこと」があるような……」

 セリカの言葉にトウヤは自身の直感を口に出す。

「ニュータイプみたいな事を言うな。」

「冗談。ま、俺も魔法を使ってるからな。どこに誰がいるか……プラーナを察知することはプレシアや姉さんほどじゃないができるしな。さて、無駄話はこれまで!敵さんのお出ましだぞ!」

 トウヤの言葉の通り、目の前に敵の増援が現れる。

 その増援の一人一人を確実に討ちぬきながら、トウヤ達一行はキンケドゥ・トビアの二人が待つ。

「しっかし……こいつら何人いるんだ?」

「さぁな。だが、そろそろ来る頃じゃないか?」

「その通りだよ!ライザ!」

「!テリウス!貴方……!」

「遅いぞ。……サフィーネとモニカはどうした。」

「うん。マサキ達がとった作戦が二面作戦だってのはわかってたから。二人はそっちの援護をしに行ったよ。それとライザ。」

「何だ?」

「こっちに来る途中にアイツに似た男を見たよ。」

「アイツ?」

 テリウスの言葉にトウヤは怪訝そうな表情になる。

「ボクの見間違いだと思いたいんだけど……ラ・ギアスの戦いの時に死んだルビッカ・ハッキネンに似た男を見たんだ。」

「何!?」

「……だからと言って、今更作戦を変更する訳にはいかないだろう。あと数分もすれば4人が来る。合流後、手早く脱出!いいね?」

「了解!」

 トウヤの指示にテリウスが返事をした直後、唐突に隣の壁から爆発音が響く。

「あっははははは!ちょっとやりすぎたかしら?」

「サフィーネ!あんなに暴れるなってシュウ様やライザに……!」

「モニカぁ?サフィーネぇ?」

 煙の中から響く声に、トウヤは片手に持っていた愛用の宇宙世紀前に作られた、古いタイプの……しかもどこから見ても女性が護身用として使うタイプにしか見えない……銃を下げ、素っ頓狂な声を上げる。

「……俺たちのMSはここのハンガーにある奴を使えば問題は無いが、君達の使っている魔装機は何処にあるんだ?」

「そこん所は心配ありませんですわ!オートパイロットリサーチシステムを搭載しているんですわ!」

「文法、間違ってるぞ。」

「久しぶりだな!ノールバックに属するガキ!」

「その声は……まさか!」

「そうだ。テュッティとかいう小娘は元気にしているか?」

「へっ!テメェの面みたら一発で元気になるだろうよ!そんなことよか、どうやって復活しやがった!」

「察しはついてるだろうが……!木星帝国の技術でサイボーグ化したのさ!まずはテメェとマサキとか言うガキに死のダンスを踊らすためにな!」

 ルビッカの一言に、(前よりも性格がおかしくなってやがる)と思わずトウヤは失笑する。

「ルビッカ殿!我々の目的は……」

「!バーンズ大尉!どうして!」

「知ってるのか?」

「さっきの……まさかな。どうやらお互い相容れぬ存在だったらしい。」

「バーンズ大尉!あなた達は何故地球に戦争を仕掛けんですか!?」

「知れたことを……木星は水も食料も自然も地球に比べて少なすぎるのさ!俺たちはそれを手に入れるのさ!」

「……どちらにしても、お互い問答無用というわけね。そっちのトビアとかいうボク?あそこの殺人鬼はあたし達の獲物だから手出しは無用よ。」

「まてまてまてまて、サフィーネ。ここは一旦引くぞ。ベッキーも酒瓶で攻撃しようとするのは止めておけ。」

「う……」

 トウヤの一言でレベッカは苦笑いを浮かべ、マサキとフェイン、ファングは剣を収める。

「バーンズ大尉さんよ。ここは追撃は止めたほうがいいんでないの?物資が少なすぎるここじゃ、資源を有効に使ったほうがいいだろうしな!」

「ぐ……」

「そこのガキの言う通りだ。テュッティとか言う小娘共々、首を洗って待っていな!」

 皮肉の言葉に言葉を詰まらすバーンズを横目に、ルビッカは奥に下がる。

「サフィーネ。例の物は持ってきているな?」

「当然ですわ!」

「よし、使え!」

 トウヤの指示で、サフィーネは攻撃用の魔術道具らしき物を前面に投げつける。

「今だ、脱出するぞ!」

「了解!」

 爆発音と共にトウヤ達は後ろを向き、素早く脱出を図った。

 

 

「データは取れたんだな?」

「完璧にな。」

「そりゃよかった。とっととマザー・バンガードに戻ろうぜ。」

「そんな事より、ライザ。僕たちの事を紹介して欲しいんだけど。」

 テリウスがトウヤに話し掛けた瞬間、火星基地の方向から激しい爆発音が響いた。

「……サフィーネ。一つ聞いていいか?」

「なんでしょう?」

「確か俺に渡したのはただ爆発音を立てるだけの物だったよな?どういう改良をした?たーしーか、クリストフに余計な改造をするなといわれた筈だが?」

「え?あ……」

「……クリストフにこいつらのこと、頼まれるんじゃなかったなぁ……」

 思わず苦笑いを浮かべたであろうサフィーネの操る妖装機を横目に、トウヤは思わず呟いてしまっていた。

 

 第5章へ続く

 

 


 

 トウヤとマサキとキンケドゥの次回予告

マサキ「……今回は長かったな。」

キンケドゥ「ああ……長かった。」

トウヤ「何ほざいてやがる!まだ半分も終わってねーんだぞ!気合入れていけ!気合を!」

マサキ「……そうか。まだ半分も終わってないのか。」

トウヤ「脳みそを使え!ゲームじゃ10分の1も終わってないんだぞ!こんな所で弱音吐いてるばーいか!」

キンケドゥ「そんなことよりトウヤ、すごく気合入れてるね。」

トウヤ「ヘッ!サフィーネやらモニカやらテリウスやら変人トリオをクリストフから頼まれたとあっちゃあな……」

キンケドゥ(要は空元気って訳ね)

トウヤ「ちゅーこって、次回タイトルをマサキくんお願いします!」

マサキ「第五章!イオの嵐〜ニュータイプの存在〜……いい加減気合入れるか!」

キンケドゥ「おっしゃあ!」

 

 

 後書き

 うむぅ……誰がこんな展開予想していたでしょうか(笑)。

 原作・魔装機神のラスト近くで見事くたばってくれたルビッカ・ハッキネン、見事に復活です。(いや、私原作知らないからそこんところの内容は知らないんですが(笑))

 それとガンダムセンチネルですね。これは私も予定外だったんですが……出した理由は後ほどで勘弁を(笑)

 アルトロンガンダムの出番?それはもう少し待て!(笑)

 今回はむっちゃ長かったですが(つーか最近スパロボ系統の締め、これだけだな。)

 

 

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