争い無くす為に





序章 全ての始まり 〜新たな戦いへ〜

 

 新西暦78年。人が宇宙に住むようになって、ようやく落ち着いた頃の地底

「暗黒大将軍様。準備が整いました。」

 甲冑で覆われた男に報告するものは、よもや人間とは思えない姿で、……そう、まるで巨大な動物を思わせる姿であった。

「うむ。わかった。ゴール帝王殿の軍の準備は?」

「はい。全て整っているようです。」

「よし。地上に住む人間は我々や恐竜帝国が弱小勢力だと思い、無視してきたが……今回の戦いに勝利すれば、その考えなど簡単に崩されるであろう……ゴール帝王の部隊が出撃したのと同時に、我らも出撃すると、全軍に伝えよ!」

「はっ!」

 

 

 数時間後 ヨーク−アカルディア間

「どうやら……デヴィッシュ博士達を何とか撒くことが出来たみたい。」

 同じころ、空中を浮いている一機の機体の中で二人の男女が何かに逃げるように機体を操っていた。

「そうか。だが、気を抜くわけにはいかない。この世界に異世界の勢力が攻めてくるという情報もあるからな。」

「!噂をすればなんとやらよ!」

 その言葉と同時に、何百何千と言う影が見え始めた。

 巨大な動物風な化け物と、恐竜としか表現のしようのない化け物がその大半を占めていた。

「思ったより早かったな。だが……僕達に出来ることは逃げることだけだ。無視して行くしかない。」

「分かったわ……」

「と言いたいところだが、どうやらパルテノスとエレアナに追いつかれたみたいだな。」

 その直後、赤い色を持ち、一見華奢な機体と、空中に浮く巨大な機体が姿を現した。

「仕方ない。こうなったら被害を最小限に押さえることを考えるしかない。行くぞ!」

「そうね。行きましょう!」

 そして、二人が乗っている機体は旋回をした直後、肩にあった大砲を撃ち始めた。

 それとあわせるように、その機体を追いかけてきた機体も攻撃を始めた。

 そしてその直後……光が回りを支配した……。

 この場にいた大量の化け物たちは、一瞬で消し去り、この世界も壊滅状態までに犯された。

 

 

 新西暦157年 聖地

「イヴェル様!こっちだ!」

 一人の剣士風の男に連れられ、イヴェルと呼ばれた女性はそれを見つけた。

「……行き倒れ……ですか。珍しいですね。」

「微笑んでいる場合ではないと思いますが。とりあえず施設に入れようと思って連れてきた。」

「分かりました。取り合えず、食事と薬を持ってくるようお願いして。」

「分かった。それと、この人は装兵機に乗っていた。そっちの回収も頼む!」

「分かったわ。」

 

 

「ん……!」

「どうやら、おきたようですね。」

 ベットに寝かされた女性がおきたとき、イヴェルと呼ばれていた女性が部屋に入ってきた。

「ここは……?」

「ここはアカルディア王国の聖地。私はここの統括者のイヴェルよ。」

「……ウェニマス・ラティーアです。助けていただき、ありがとうございます。」

「当然のことをしたまでよ。怪我をしているみたいだし、直るまでゆっくりとしていくといいわ。」

「……はい。」

 ウェニマスと名乗った女性は状況がつかめないと思ったものの、周りの状況を慎重に見定め、行動をしようと考えることにした。

 

 

 新西暦154年 神聖ラングラン王国

「ここは……?」

 もう一人の男性の方も、別の所に飛ばされていたのか、気が付いたときには一人の女性が見つめていた。

「気が付いたのね。ここは神聖ラングラン王国よ。……それより、私の顔に何か付いているかしら?」

「い、いや、友人にすごく似ていたもので。」

「私を口説いているつもりかしら?まぁ、いいわ。あとでできる範囲での事情をゆっくりと説明してもらうわ。」

「……はい。アンタの名前は?」

「私?この国の王の妻の妹、ファーナ・ラスム・イクナート。あなたは?」

 男性の言葉に、「まず、自分から名乗るのが礼儀でしょう。」と言う表情を作りつつそう答えることにした。

「ボクはレニス。レニス・エンロードだ。」

「そう。よろしくね。」

(とりあえずしばらく様子を見るか。……状況によってはここを脱出するしかないが。……まぁ、このウェニマスに似た銀髪美人さんが敵になるとは思えないが。)

 レニスと名乗った男も、ウェニマスと同じことを考えていた。

 

 

 新西暦158年 聖地

「それでは、イヴェル様……」

 この日、ウェニマスとイヴェルは昔ウェニマスが乗っていた機体があるところにいた。

「ああ。ユミールのことは私に任せて……ね?」

「……はい。」

「心配する必要はないですよ。この子には時期が来たら私から話すから。」

「分かりました。……それでは。」

「ああ。……気をつけて……」

 イヴェルの言葉の後、ウェニマスは機体の近くにあったバリアに似たものに触れて……

 後は光が辺りを支配した……

 

 

 新西暦177年 ジュテトニアス共和国

「まさか、外交に来て反乱に巻き込まれるとは思わなかったわね……」

「まったくだ。ファーナ……どうする?」

 建物の影に潜め、レニスとファーナは反乱の様子を見ていた。

 二人の後ろには娘二人と、幼い息子がいる。

「テューディとウェンディはともかく問題はライザね……」

「……仕方ない。ファーナ、3人を頼む。それと、もしもの場合……ライザだけでも逃がしてくれ。」

「どうするの?」

「ボクが囮になる。その隙に逃げてくれ。」

 そのレニスの言葉に二人の少女が驚いた表情になる。この言葉から繋がる結果が分かったからである。

「冗談言わないで。誰があなた一人で行かしてくれるというの?」

「全員死ぬよりはマシだ。」

「全く……男ってどうしてそうバカばっかりなの……」

 レニスの言葉で、ファーナはうめく。

「分かったわ。絶対に生きて帰ってくること。それが条件よ。それがダメなら一家心中よ。」

「……分かった……」

 そして、レニスは抜刀して、反乱団体の集団の方へ行って……

 結局、レニスはファーナ達の元へ帰ってくることは無かった。

 この時の反乱の中で、ライザと呼ばれた子供は行方不明になった。

 その子は、地球と呼ばれる星に迷い込み、子供のいなかった夫婦に引き取られ「風見透夜」と言う名で育つことに……

 

 

 新西暦179年 一年戦争勃発

 地球から最も遠いコロニー・サイド3にいたギレン・ザビがジオンを起こし、地球にコロニーを落としたことから始まる。

 戦争初期、ジオン有利で進められたが、途中アムロ・レイ、ブライト・ノアを始めとする、ホワイトベース隊員の活躍により、連邦側有利に。しかし、後に星一号作戦と呼ばれる作戦が始まる直前に一つの巨大な隕石が地球に落ち、やむなく休戦へ。

 ザビ家の関係者とマハラジャ・カーンは「アクシズ」へ、エギーユ・デラーズを始めとする、後に「デラーズ・フリート」を名乗る者たちは「茨の園」へと逃れた。

 

 

 新西暦187年 パルマー戦役勃発

 戦役初期、ティターンズとエゥーゴの小競り合いから始まる。

 エゥーゴは後にロンド・ベル隊となり、マジンガー・ゲッター・サイバスター・ライブレード・ライディーン・ダンクーガ・アナザーガンダム等が参入。

 主要メンバーは、アムロ・レイ、ブライト・ノア、兜甲児、ヒイロ・ユイ、トウヤ・カザミ、マサキ・アンドー、ウッソ・エヴィン、カミーユ・ビダン、シーブック・アノー、アマノカズミ、藤原忍他。

 結果は、ユーゼス・ゴッツォを始め、シャピロ・ゲーツ、パプティマス・シロッコ等、ゼ・バルマルティ帝国に属する者や、ギレン・ザビ、エギーユ・デラーズらジオンに属していた者が死亡し、ロンド・ベル隊が勝利。

 しかし、マハラジャ・カーンの娘ハマーン・カーンがアクシズに逃れた。

 そして最終戦における衝撃波が数ヶ月後に地球へと襲うと言う結果になった。

 その衝撃波とともに、「ダカールの演説」によって解体されたティターンズが復活した。

 

 

パルマー戦役終了から数ヶ月後。

ロンド・ベル隊の殆どがティターンズによって解体された状態であったものの、エゥーゴやリガ・ミリディア等の反ティターンズ派がプリベンダーを結成。

その勢力により、ロンド・ベル隊の9割がプリベンダーに所属したが、ダカールにある巨大戦艦マクロスでのティターンズやシュウ・シラカワとの三つ巴の戦いにより、プリベンダーが行方不明になった。

 

 

そして、その数ヶ月後。

衝撃波が地球圏に襲ってくる日に、行方不明であったプリベンダーが、月に突然帰還。

同時に現れたアンセスターやシュウ・シラカワとの戦闘があったが、結果はプリペンダーが完全勝利。

無事衝撃波も押さえることが出来た。

 

 

それから、1年半の時が流れた、東京のとある高校。

「しっかし……もう1年半か。」

学校の屋上で、トウヤ・カザミが近くのコンビニで買ったパンを口に運びつつそう言った。

「そうだな……もう1年半だな……」

隣でマサキ・アンドーが同じくパンを口に運ぶ。

マサキの隣では、リュウセイ・ダテが爆睡をしている。

「こいつは戦争中、脳天気だと思ってたけど……この状態(平和時)じゃ、それに拍車がかかってんな……」

「全くだ。」

リュウセイのいびきを聞きつつ、二人はため息をつく。

「あー!やっぱりここだ!」

「チッ……やなヤツが来たぜ……」

「何の用だ?」

その男の登場で、二人は嫌な顔をする。

「二人ともつれないなぁ……恋人がいるせいなのかな?」

「晃一郎!それはお前も同じだろーが!」

「まぁまぁ、止めろ、マサキ!」

晃一郎に殴りかかろうとするマサキを止めたのは、彼と一緒にいた兜甲児であった。

「で?何の用だ?」

「あ、うん。万丈さんが二人を呼んでるから、授業が終わったら、来てくれって。」

「?何でこんな時期にあの人が俺達を呼ぶんだ?フェイルが起こした反乱は1年前に終わったし、二つの大戦の後始末は確かレディさんや五張達プリペンダーがやってるんだよな。」

 晃一郎の言葉にマサキは分からないといった風に返した。

「いや、そうとも限らないぜ。ハマーン・カーン率いるアクシズは健在だってフォウやジュドー、アムロ大尉も言ってたしな。」

「だけど万丈さんはそれ以外の事だって言ってたよ。」

 トウヤの予想は、晃一郎の言葉で見事に外される。

「どっちにしろ、行って見なきゃ分からない……か?」

「そうだな。」

 その時、チャイムが鳴り、トウヤ達は教室へと足を運んだ。

 

 

「二人とも、よく来てくれた。……トウヤ、マサキと一緒にいて迷うって不安は無かったのかい?」

「まさか。冗談でしょう?」

「冗談だ。」

放課後、トウヤとマサキは波瀾邸にお邪魔していた。

「ともかく、君達がこっちに……地球世界に居てくれて助かったよ。」

「……ケジメ位は付けたい物ですから。」

「ユミールさんやウェンディ女王閣下はそれを承知なのかい?」

「……帰ってくる答えが分かってるのに聞いてくるのは、頼みづらい事を頼もうとする為ですね?」

「ああ。とりあえず、こっちに来てくれないか?」

二人の真面目な表情に少し安心したのか、万丈はとある一室へと案内した。

 

 

「二人とも、この文章を読んでくれ。」

「どれどれ……」

『木星を第三の地球に!クラックス・ドゥカチ様と共に木星を豊かにしよう!』

トウヤとマサキが見た文章にはそう書いていた。

「……冗談……でしょう?」

トウヤにはそう呻くのが精一杯だった。マサキは何も言えない状態であった。

「ボクも冗談だと思いたいけど。ここに書いてあることは本当だよ。」

「リューネのオヤジはどうしたのよ?木星を訳のわからんヤツに取られて何もしないのはヘンだぜ!」

「ゾルダーク博士は未だ行方不明だよ。」

トウヤの言葉に、万丈はあっさり返す。

「今、リューネとカトルに木星付近に行って様子を見に行って貰ってるんだ。」

その時、通信が入ってきた。

「噂をすれば……だね。どうしたんだ?」

『万丈さんの言う通りだったよ!』

「やはりな……」

「どういうことだ?」

「うん、木星の近くにクロスボーン・バンガードの戦艦らしいのが1つあったの。」

リューネの言葉に、トウヤは状況が読み込めた。

「本物……なんだな?」

『十中八九、間違いありません。』

トウヤの確認するような言葉に、カトルが答える。

「オッケェ!マサキ、ウェンディ姉さんに事情を話して!」

「どうするんだ?」

「しょーがないから、姉さんの戴冠式をやるの!木星が動く前にこっちが動かなきゃだめでしょう?」

「さすがトウヤ。状況を飲み込んだら動きが早いね。」

君を呼んだ甲斐があったよ。と万丈が笑う。

「だけど、地球に干渉することを良しとしない連中だって……。」

「そいつらの対策は、ライザ王子への反抗だと脅せ!俺のウケは確かに良くないが、時期女王の弟相手に真っ正面から反対するようなバカはいないさ。」

そのトウヤの言葉に、マサキは素早くその部屋から出ていく。

「リューネとカトルはこっちに回って。状況によってはこっちにアクシズが来る確率があるからな。」

『宇宙の方は、どうするんですか?』

「アムロ大尉や五張達がいる!」

『分かったわ!』

そのリューネの言葉で、通信が切れた。

「君はどうするんだ?」

「俺は聖地に行って、ユミールに事情を話して、聖霊機を二機程ラングランに回そうと思う。」

「ライブレードを……か?」

「あれはもう解体したよ!」

トウヤはそう言うやいなや、その部屋から出ていった。

 

 

これから戦士達は、新たな戦いへと身を投じる事となる。

恐らく、この戦いも激しい物になるであろう。

しかし、彼らは恐れることは無いだろう。

なぜなら、争いを無くそうという気持ちを胸に秘めているから……



第2章へ続く



トウヤとマサキの次回予告(爆)

トウヤ「いやはや、始まってしまいましたねぇ!スパロボ+ライブレSSが!」

マサキ「全くですがな。って、もう一人、いるんじゃなかったのか?」

トウヤ「ヤツは遅れるらしい。」

マサキ「さいでっか。」

トウヤ「第三章あたりに合流するらしいから、それまで待ってくれって。」

マサキ「まぁ、俺達は地底、ヤツは宇宙……その上、ヤツは海賊なんてやってるしな。貧乏暇無しと言うが、ヤツも貧乏?」

トウヤ「つーけど、俺は王族(オリジナル設定だけど)やってるけど、別に暇がある訳じゃないぜ。」

マサキ「ま、そりゃそーだ。」

トウヤ「そんなことよか、木星帝国とアクシズだぜ。ドゥカチとハマーンだぜ?」

マサキ「ビビってどうすんだ。俺達は二度も地球圏を救ってんだ。今回も何とかなるって。」

トウヤ「そ、そうだな!と、言うことで、次回『争い無くすために』は……」

マサキ「『戴冠式〜ラングランとアクシズ〜』!お楽しみに!」

後書き

前々からやってみたいと思ってた、次回予告版です。ああっ!石を投げないで!

アニメの次回予告みたいにやってみようと思いましたが、最近アニメ見てないので正直不安ばっかり……

『ヤツ』ってのが誰なのかは察してください。多分、すぐに分かると思うので。




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