レスター「・・・・・・ニア 終りましたね」

ニア「はい」

ライト「誰か・・・こいつらを 殺せ・・・」

 

page.107 幕

 

カチリ・・・と、ライトの腕時計が14:30であることを告げる小さな音を奏でた。

相沢「・・・ライト君」

相沢は血まみれでその場から逃げようと必死に這いずり回りながら『殺せ、殺せ・・・』と

呟いているライトに近づいていった。

茂木「相沢さん不用意に近づいては・・・」

ニア「いえ、構いません。今のキラは無力でしょう。最も危険な場所にいるにもかかわらずキラと戦い続けた

相沢がキラに手錠をかけるのに相応しいのかもしれません」

ライトの前に膝を突いて声をかける相沢。

相沢「ライト君、これを・・・」

カチャリと音をたてて相沢が胸元から差し出したのは手錠ではなく、死神のノートだった。

井出「相沢?」

ジェバンニ「本物のノートか確かめようというのか?」

ニア「?」

相沢の行動の意味を図りかねて誰もが彼を見つめた。

ライト「・・・」

無言でノートを受け取るライト。

そして相沢は立ち上がり、自らの拳銃を自身のコメカミに当てて・・・静かに引き金を引いた。

『!!』

ビチャリ、と倉庫の床に脳漿が飛び散る。

井出「あ、相沢ああああっ!!」

模木「うっ!?」

胸元を押さえうずくまる模木

松田「も、模木さん?」

その巨体がズシャリと崩れ落ちる。瞳孔が開き、口からダラダラとよだれを垂れ流していた。

松田「そ、そんな・・・死んで・・・・・・うっ!!」

松田も、そして井出も胸を押さえて倒れた。

リドナー「ニア、これは!?」

異常事態に指示を催促するリドナー。

ニア「・・・(まさか)はっ!!・・・いけない! 急いでキラを」

ライト「何をしている 魅上! 一度は許してやる、早くニアのノートを奪ってこっちに来い!」

この異常事態を推理し、キラを止める為の指示ニアの声に被せる形でライトは大声で魅上に叫んだ。

魅上「か・・・神・・・・・・うわあああっ!」

ニア「ひぎぁッ!!」

魅上に体当たりされたニアは無様な悲鳴をあげて転がった。手元に広げていた本物のノートを

奪い取りライトの元に走りよる魅上。

レスター「逃げるな魅上!!」

レスターとジェバンニは構えていた拳銃の引き金を逃げる魅上の背中に向けて引き絞った。

倉庫に銃声が響き渡る。

魅上「あ・・・あ・・・・・・か、神・・・・・・」

心臓と肺を打ち抜かれた魅上はそう呟いた後、崩れ落ちた。手に持っていたノートが落ちる。

レスター「ジェバンニ、ノートを」

ジェバンニ「はい」

レスターは倒れた魅上に銃を構え続け、ジェバンニはノートを取る為走り出し、そして

リドナー「ニア、大丈夫ですか?」

リドナーは吹っ飛ばされたニアの元に駆け寄った。

ニア「違う! 今のは囮だ! 早くキラを撃ってください!」

ライト「もう遅い」

ライトは害虫でも見るような完全に見下した目でニアを見下ろしていた。

ニア「なっ!?・・・あなたはミスター松田に撃たれていた筈、レスター、ジェバンニ!」

二人は既に倒れていた。

ニア「リドナー! ああっ・・・」

リドナーも既に事切れていた。

ライト「終わりだな、ニア。お前の無様な解説、大変不愉快だったよ」

目の前のキラから逃げるようにズルズルと後ずさりするニア。

ニア「・・・な、何故・・・・・・うぐッ!! い、息が・・・」

ライト「ニア、いやネイト・リバー。不愉快だったお前は特別に窒息死にさせてやろう。死に至る時間が

他の連中より永いんだ感謝するんだな」

逃げるニアにそう吐き捨てると落ちていた本物のノートを拾う。

ニア「貴方は・・・事前・・・・・・にッ!!」

かすれるような声でライトを睨むニア。

ライト「そうだ。ここに来る前に今日の2時30分に日本の捜査本部の連中は全員死ぬように高田に書かせておいた。

一応全員に『2時30分、死神のノートをもっているなら夜神 月にノートを渡した後死亡』

『2時30分、死神のノートをもっているならキラと名乗る者にノートを渡した後死亡』とな。

相沢には今までピエロになっていたお礼もかねて苦しまないように拳銃自殺と書いておいたんだが、それがいい意味で

効果的だった」

ニア「か・・・あ・・・」

バタバタとのた打ち回るニア。

ライト「後は簡単だ、松田達が倒れている間に渡されたノートにSPKとニア、お前の名前を書き込めばいい。

魅上もいい囮になってくれた。足を引っ張ったあげく神をクズ呼ばわりした奴を生かしておくわけがないというのにな」

クスクスと笑う。

ニア「ヒッ・・・ヒッ・・・・・・」

口から泡を飛ばし、体をひくつかせるニアを愉快な生物を見るような目で見下ろすキラ。

ライト「僕が今更あんな説得を本気でするとでも思っていたのか? 時間稼ぎだと少しも疑わなかったのかニア?

竜崎なら僕が自白したと同時に拘束していただろう。臆病なメロなら僕を撃ち殺していたかもしれない」

ライト「何故こうなったか解るかニア? お前はしてはいけない失態を3つも犯していた。一つは自分達が書かれた

ノートを僕に見せたこと。間抜けすぎて驚いたよ。松田が暴走しなければあの時点でお前は死んでいたな。

次にお前のちっぽけな自尊心だ。お前はメロを褒め称える事でメロと自分が竜崎を破ったキラを倒したと全員の

前で言いたかった。それはそうだ、お前の考えた策など僕所かメロにさえ読まれていたんだからな。そしてその後

下したノートの偽装工作。全く持ってありえないし作戦にさえなっていない。たった一晩でこの地上に存在しない物質

で出来たノートの複製を作り一ページに100人以上の人名が日本語で書かれたノートを外国人が筆記してあげく

几帳面な魅上がすり返られたノートに気付かないどころか自分の字でない事にも気付かせない程のニセノートを

ジェバンニが一晩で作りました、だと? まったく死神のノート以上のファンタジーだあきれるよ。お前の頭脳じゃない

ジェバンニの変態じみた特殊能力が全てだ。だがジェバンニの功績を認めればお前の存在は全く持ってカス。だから

こそメロを褒め称える事で二人の作戦勝ちなのだと自慢したかった。違うか?」

ニア「・・・」

ライト「最後はさっきも言ったが僕の時間稼ぎに全く気付かなかった事だ。流石にそろそろバレるかと隠したノートを使う

事で引き伸ばすつもりだったが・・・これは失敗だったよ。松田が父の崇拝者だったのを失念していたからな」

ニア「・・・」

ライト「まだ何かあるか? ああ、この血は防弾チョッキに傷が付いた時に鶏の血がまるで本物の血がにじみ出るように

見えるよう改良していた特性の防弾チョッキだ。さっきの時計覚えているだろう?僕は手先も器用なんだ」

ニア「・・・」

ライトは喉をかきむしるような姿で、よだれ塗れの口から舌をだらりと伸ばした哀れな姿のまま事切れたニアを見下ろし、

小さく溜息をついた。

キラ「お前は僕が唯一ライバルと認めた竜崎の足元にも及ばない、いやメロ以下な存在だったよ。そして・・・」

ギイイ・・・と倉庫の重い扉を開ける。

清々しい潮風がライトの髪を揺らす。

キラ「ツメさえ甘い、竜崎ならもし自分が負けた場合でも倉庫の周りに警官を配置して最悪引き分けには持って

いっただろう」

 

 

■ライト、完全勝利!!

 

次号、遂に作り上げた新世界 「新世界」!!

 

 

あとがき

あんな結末納得できるかあッ!!

っつかあんな危険な決行ライトは絶対しない!つか追い詰められた時本当の強さを発揮するのが

ライトじゃんかよお!(ナオミしかり、ミサ捕まりのときしかり)

まだ逆転は可能だと思っている。

 

※高田に書かせた⇒ライトが写真かなにかで見せた。無理なら高田のブラに隠してた切れ端

からライトが直接書いた後トイレに流せばok!

 

ご指摘その1

ども  投稿者:  投稿日: 4月29日(土)00時14分6秒

  いつも楽しく拝見させていただいてる者です。
SSで気になったことがあったので。
『2時30分、死神のノートをもっているなら夜神 月にノートを渡した後死亡』
ライト死にます。

>本当だ〜!!!(汗:ガーン!!)
>んじゃ
>『2時30分、死神のノートをもっているならキラと名乗る者にノートを渡した後死亡』
>にしよう。うん、それなら『僕がキラだ』とライトが名乗った理由にもなるし。
>つか怖いよデスノート!!のび太君とか僕みたいなマヌケが持ったら
>うっかり自爆しちゃうよコレ(汗)

ご指摘その2

(無題)  投稿者:通りすがり  投稿日: 5月 1日(月)21時16分11秒

  デスノートには「キラ」「L」などの通称やペンネームは適用されないんです  

>ぎゃふん!!

>いや冗談はおいといて直接殺しはできないケド個人的認識力的にキラと名乗る者
>ってのは可能ではないか?と。
>具体的名を書かないで「身の回りの物燃やして焼身自殺」が可能なわけで
>身の回りの物ってのが高田さん個人認識で識別してるワケですから。
>拳銃自殺だってノートが拳銃という単語を理解してるわけじゃなくて
>自殺する当人が拳銃という物を認識しているから拳銃自殺が可能なのではないか?と。
>・・・駄目ですか?(苦笑:追い詰められるライトの気分)

 

ご指摘ありがとうございました。