● (No.646) 新・周波数自動制御の導入 (2009年11月3日) --------------------------------------------------- 副題:KENWOOD TS-790 を PC USB接続 HRD で制御する方法 《目次》 KENWOOD-USB-HRD #1 参考URL KENWOOD-USB-HRD #2 改造概要 KENWOOD-USB-HRD #3 UP-12C 改造 KENWOOD-USB-HRD #4 ドライバー KENWOOD-USB-HRD #5 HRD インストール KENWOOD-USB-HRD #6 純正 IF-232C KENWOOD-USB-HRD #7 方針変更 KENWOOD-USB-HRD #8 HRD 接続成功 HRD-Satellites #1 HRD 衛星軌道要素 HRD-Satellites #2 HRD 周波数自動制御! HRD-Satellites #3 HRD 衛星トラッキング HRD-Satellites #4 HRD 衛星の追加方法 《KENWOOD-USB-HRD #1》参考URL 無線機をコンピュータから遠隔操作するソフトとして、HRD (Ham Radio Deluxe) というソフトが有名です。まず、無線機とコンピュータを結ぶインターフェース を製作する必要があります。次の参考URLでは、KENWOOD を RS-232C で接続する 方法と、ICOM を USBで接続する方法が解説されていますが、未だに KENWOOD を USB で接続する方法は見当たりません。ここで実験をしながら同時進行でそれを 解説していきたいと思います。 ※ TS-790 にはシリアルポートが用意されていないため、コネクタ ACC1 DIN6P に、PC USB からインターフェースケーブルを直結しようという目論見です。 (KENWOOD TS-790 DIN6P ⇔ PC USB ⇔ HRD) 《参考URL》 1. RS232C接続 KENWOODリグコントロールインターフェース http://bcaweb.bai.ne.jp/jn2amd/rs232c_rig_kenwood.htm 2. KENWOOD製 無線機-PC コントロールケーブル http://ww5.tiki.ne.jp/~jm4qyy/cc_ken.htm 3. ICOM IC-706MKII 超簡易USB to CI-Vインターフェースの製作 http://qtc-japan.net/2001/08_homebrew/us%82%82_civi/report.htm 4. USB接続メモリー転送ケーブルを I/F に IC-7000 をコントロール http://www.icom.co.jp/beacon/backnumber/talk/068/ 5. パソコンで RIG をコントロールする USBケーブルの製作 http://www16.ocn.ne.jp/~jm1izg/up-12c.htm 6. UP-12C で IC-726, FT-817 をコントロール http://blog1.bakw.sub.jp/?eid=963843 7. HRD (Ham Radio Deluxe) マニュアル日本語訳 http://www.qtc-japan.net/2001/09_hamwith/hamradio_dx/japanese_manual.pdf 8. 無線機コントロール・ソフト Ham Radio Deluxe (書籍) http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/12/12411.htm 9. HRD Home Page http://www.ham-radio-deluxe.com/ bottom top 《KENWOOD-USB-HRD #2》改造概要 無線機にシリアル(COM)ポートのある機種では、 「USB・シリアル変換ケーブル」をそのまま使います。(Tnx. JA0CAW) http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-00720/ http://bcaweb.bai.ne.jp/jn2amd/usb_rig_kenwood2.htm 無線機にシリアル(COM)ポートの無い機種では、 「ドコモ・MOVA用 (PDC or CDMA型) 携帯電話用USB接続メモリー&充電ケーブル UP-12C」を改造する方法があります。 http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/search.php?code=6BEA-PPJP 本稿ではこの改造によりシリアル変換せずに、TS-790 ACC1 DIN6P と PC USB を 直結してみます。目論見としては、このケーブルの携帯側を切断し TS-790 ACC1 DIN6P に合わせて結合し、そして USB側はそのまま生かして直接 PC USB に挿入 するという算段です。いわゆるシリアル変換を、この携帯用ケーブルで代用させ ようというわけです。(ちょっとマニアック。改造は自己責任でお願いします。) 《KENWOOD-USB-HRD #3》UP-12C 改造 TS-790(DIN6P) ⇔ RS232C(DSUB9P) のインターフェースを製作する場合 RIG ACC1 DIN6P RS232C DSUB9P @ GND --- 5V Zener diode ---+-------------- D GND A TXD --------------------- | ------------- A RXD B RXD ----------------------+-----R470----- B TXD C CTS ---+ +--- F RTS D RTS ---+ +--- G CTS E NC @ DCD C DTR E DSR H RI TS-790(DIN6P) ⇔ UP-12C(USB) のインターフェースを製作する場合(本稿) RIG ACC1 DIN6P UP-12C(USB) @ GND ---------- BLACK (GND) A TXD ---------- WHITE (RXD) B RXD ---------- GREEN (TXD) C CTS RED (+5V) ※赤は充電用電源なので未接続 D RTS E NC UP-12C 改造前 UP-12C 改造中 UP-12C 改造後 bottom top 《KENWOOD-USB-HRD #4》ドライバー 携帯USBケーブル UP-12C は、前回紹介したように MOVA用のものを購入します。 FOMA は 携帯そのものにインターフェースを内蔵しているため、FOMA用ケーブル の中にインターフェースを含んでいないためです。MOVA用がここで役立ちます。 さて、この改造USBケーブルを 無線機と PC に初めて接続すると、「新しいハー ドウェアの追加ウィザード」が起動します。以前のケーブルにはそのためのドラ イバーソフトが入ったフロッピーディスクが付録として付いていましたが、最近 では廉価になった分、それが付いていません。そこで、事前にインターネットを 利用してドライバーソフトをダウンロードしておく必要があります。このドライ バーソフトは次のサイトから得られます。後は手順どおりインストールします。 KAIREN - ダウンロード - 携帯三昧 - UP12C - ドライバのダウンロード - UP12C用ドライバ http://www.kairen.co.jp/ http://www.kairen.co.jp/archive/KZ.up12c_ver3.60.1223.zip インストールが完了して、コントロールパネル - システム - ハードウェア - デバイスマネージャ で確認すると、自局では自動的に COM9 に設定されて いました。右クリック - プロパティ を見ると、一応 9600bps になっています。 bottom top 《KENWOOD-USB-HRD #5》HRD インストール HRD (Ham Radio Deluxe) の最新版は、http://www.ham-radio-deluxe.com/ から 得られます。 今現在のバージョンは、Ver5.0 build 2356 (October 8th, 2009) です。インストールすると、最初に次のような画面が現れます。 Kenwood TS-790 では、Speed の選択が 4800, Auto-detect の二つしかなかった ので、事前に コントロールパネル - システム - ハードウェア - デバイスマネ ージャ の中で、ポート(COM) - U232 Serial On USB Port (COM9) - 右クリック - プロパティ - ポートの設定 - ビット/秒 を 4800 にしておき、ここの Speed の選択を 4800 に合わせました。そして 画面左下の Connect ボタンをクリック すれば先に進むはずなのですが、次のようなエラーメッセージが出て、周波数の 読み取りに失敗してしまいます。 携帯USB改造ケーブル UP-12C の途中にある 5cm 四方くらいのインターフェース の TX, RX 緑ランプは点滅しているので、PC と TS-790 の間の 信号の行き来は できているようです。CTS, DTR, RTS のチェックを付け直しても症状は同じです。 何か本質的な設定不備があるようです。 bottom top 《KENWOOD-USB-HRD #6》純正 IF-232C インターネットをいろいろ検索していて、KENWOOD 純正のオプション・インター フェース「IF-232C」のユーザーマニュアルを見つけました。(すでに製造中止) 今回の関係する箇所を抜粋したのが下の図です。これは一体、何語なのだろう? 図中の RS-232C cable の結線が、通常のクロスとは違うような気がするが...? http://www.radioamateur.eu/schemi/Kenwood_IF-232C_user_it.pdf 英語版 http://kenweb1.kenwoodusa.com/KenwoodPortal/KenwoodComm/Resources/AMA_InstructionManuals/IF-232C.pdf bottom top 《KENWOOD-USB-HRD #7》方針変更 「USB - DIN6P 改造ケーブル」を作りましたが、ここでいったん方針を変更して TS-790&HRD 運用の実績のある「DSUB9P - DIN6P ケーブル」を 改めて部品から 製作することにします。先ほど秋月電子通商に必要な次の部品を注文しました。 1. ツェナーダイオード 5.1V 5W 2. カーボン抵抗 (炭素皮膜抵抗) 1/4W 470Ω 3. Dサブ コネクタ 9Pメス 4. Dサブ コネクタ用シェル 9P 5. USB・シリアル変換ケーブル TS-790(DIN6P) ⇔ RS232C DSUB9P RIG ACC1 DIN6P RS232C DSUB9P @ GND --- 5V Zener diode ---+-------------- D GND A TXD --------------------- | ------------- A RXD B RXD ----------------------+-----R470----- B TXD C CTS ---+ +--- F RTS D RTS ---+ +--- G CTS E NC @ DCD C DTR E DSR H RI シリアルポートについて調べてみました。> Tnx info. JH4XSY DSUB 9PIN のピン配置 ( → は PC から端末への方向) 9ピン 略称 正式名称 方向 動作および目的 @ DCD Data Carrier Detect ← PC が端末と繋がっていることを示す A RXD Receive Data ← PC がデータを受信する B TXD Transmit Data → PC からデータを送信する C DTR Data Terminal Ready → PC から端末へ通信可能を通知する D GND Signal Ground ⇔ アース E DSR Data Set Ready ← 端末から PC へ通信可能を通知する F RTS Request To Send → フロー制御 送信要求の信号 G CTS Clear To Send ← フロー制御 送信可能の信号 H RI Ring Indicator ← PC 着信信号 やはり、 DIN6P DSUB9P @ GRD ---- D GRD A TXD ---- A RXD B RXD ---- B TXD C CTS ---- F RTS D RTS ---- G CTS と結線すればよいようです。 完成ケーブル TS-790(DIN6P) ⇔ RS232C DSUB9P RIG ACC1 DIN6P RS232C DSUB9P @ GND --- 5V Zener diode ---+-------------- D GND A TXD --------------------- | ------------- A RXD B RXD ----------------------+-----R470----- B TXD C CTS ------------------------------------- F RTS D RTS ------------------------------------- G CTS E NC @ DCD C DTR E DSR H RI USB・シリアル変換ケーブル http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-00720/ ドライバー http://akizukidenshi.com/download/20050830013457-UsbRS232Ver2021.zip XP用 http://akizukidenshi.com/download/20080603105654-VistaDriver.zip Vista用 bottom top 《KENWOOD-USB-HRD #8》HRD 接続成功 やった! PC画面に無線機 TS-790 の姿が現れました! 各局 JE1CVL, JA6PL, JA0CAW, JH4XSY 皆様のアドバイスのお陰です。 最初、うまく姿が現れなかったのですが、 コントロールパネル - システム - ハードウェア - デバイスマネージャ - ポート - 右クリック - プロパティ - ポートの設定 - フロー制御 の初期設定が「なし」となっていたので、ここをフロー制御「ハードウェア」に 設定してから HRD (Ham Radio Deluxe) を起動したところ、めでたく TS-790 に 接続することができました。今回 PC - RIG 間の接続ケーブルを、方針変更して シリアル変換ケーブルを製作して実験成功したわけですが、初めに製作していた UP-12C USB 改造 変換ケーブルでも、フロー制御「ハードウェア」に設定すれば 接続できたものと思われます。(その後、フロー制御「なし」でも動作してます.) PC- RIG 間でお互いに快調にコントロールできるようになりましたが、まだ自分 の意図するように操作できていないので、しばらくこの方針変更ケーブルの方で 実験を続けていきたいと思います。とりあえず、第一関門はクリアできました。 bottom top 《HRD-Satellites #1》HRD 衛星軌道要素 HRD - Satellites と入ってみました。衛星を正確に追っています。 素朴な疑問 (1) 軌道要素を自局は意識していないが、HRD はどうやって認識しているのか? (2) ドップラーを含んだ周波数を、HRD の RIG画面に自動的に表示させるには? ところで以前の記事 http://wakky.asablo.jp/blog/2009/01/26/ を参考にして 「HRD Satellite Favourites.txt」が、次のところにあることはわかりました。 C:\Documents and Settings\Mineo Wakita\Application Data \Simon Brown, HB9DRV\Ham Radio Deluxe\HRD Satellite Favourites.txt このファイルとの関わりもこれから調べてみます。 bottom top 《HRD-Satellites #2》HRD 周波数自動制御! 昨日の二つの疑問点は、一応解決しました。下図の中で赤字で示したとおりです。 周波数の件は、無線機の MAIN にフォーカスがある限り、自動的に周波数が変化 して追尾していきますが、フォーカスを SUB に移すと SUB の周波数が自動追尾 する代わりに MAIN は自動追尾を止めてしまいます。ここは検討の余地ありです。 HRD - Satellites で周波数自動制御の実験を続けていますが、TX と RX の両方 にチェックを入れると、TS-790 の特性なのか、無線機の MAIN と SUB の周波数 が目まぐるしくガチャガチャと交互に入れ替わります。その瞬間をよく目を凝ら して見ると、両方の周波数は正しくドップラーを追尾していることがわかります。 しかし、これでは用を成しません。何か良い方法を見つけるべく、実験をここで いったん停止します。 bottom top 《HRD-Satellites #3》HRD 衛星トラッキング 先日来日したブラジル局は、いつも日本製のノートPCをザックに入れて持ち歩い ていて、HRD をトラッキングソフトとして常に衛星軌道をチェックしていました。 それを再現したのが下図です。こういう使い方もあるのですね。 《HRD-Satellites #4》 HRD 衛星の追加方法 by JH0XBV http://isablog.mo-blog.jp/weblog/2010/06/post_05d8.html
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