AO-40, RUDAK の送信開始


● (No.267) AO-40, RUDAK の送信開始 (2001年 5月4日)
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衛星AO-40 の RUDAK の 9600bps(FSK) の信号を完全に受信し、WiSP を用いて
64キロバイトの KISSファイル として保存し、さらに、その KISSファイルを、
kiss2ascプログラムにより解読することにも成功しました。

日本時間 09:02:00〜10:05:00JST の LOS までの1時間以上にわたり受信し、
この時の受信周波数は、2401.7790〜2401.7439MHz まで変化しました。 その
観測の結果、中心周波数は 2401.7400MHz の周辺だと思われます。


  JST        MHz         MA
  09:02:30   2401.7700   238
  09:05:00   2401.7705   239
  09:12:30   2401.7710   240
  09:18:00   2401.7727   242
  09:25:00   2401.7735   243
  09:31:00   2401.7740   245
  09:35:30   2401.7756   246
  09:38:00   2401.7760   246
  09:42:00   2401.7778   247
  09:44:00   2401.7790   248
  09:45:00   2401.7770   248
  09:47:30   2401.7754   248
  09:48:30   2401.7736   249
  09:51:00   2401.7717   249
  09:53:30   2401.7686   250
  09:56:00   2401.7651   250
  09:57:30   2401.7648   251
  09:59:30   2401.7637   251
  10:00:00   2401.7624   251
  10:00:30   2401.7612   251
  10:01:30   2401.7584   251
  10:05:00   2401.7439   252


次は、WiSP により受信保存した KISS ファイルを、kiss2asc.exe を用いて
アスキーファイルに変換したうちの一部です。

> fm RUDAKA-1 to IHUTLM-1 ctl UI pid F0
> A  HI, THIS IS AMSAT OSCAR-40       2001-05-04  00:30:05  #011B 
> fm RUDAKA-1 to IHUTLM-1 ctl UI pid F0
> +--------------------------------------------------------------+
> |      All beacons will be OFF from MA = 3 to MA = 80          |
> +--------------------------------------------------------------+
> fm RUDAKA-1 to IHUTLM-1 ctl UI pid F0
> .........
> fm RUDAKA-1 to IHU-1 ctl UI pid F0
>  Please "zip" compress your daily telemetry files and e-mail to:
>  ao40-archive@amsat.org                         
> fm RUDAKA-1 to TIME-1 ctl UI pid F0
> PHT: uptime is 002/09:01:00.  Time is Fri May 04 00:33:02 2001
> fm RUDAKA-1 to TLMI-1 ctl UI pid F0
> ...:.....
> fm RUDAKA-1 to LSTAT ctl UI pid F0
> I P:0x14A1 o:0 l:37605 f:37901, d:0 st:0
> fm RUDAKA-1 to IHUTX-1 ctl UI pid F0
> TX STATUS: V:0 U:0 S1:0 S2:1 Ku:0 X:0
> fm RUDAKA-1 to IHUTLM-1 ctl UI pid F0


この WiSP による KISSデータは、WiSP (GSC) の "Broadcast Callsign" の
設定を未記入のまま保存したものですが、このアスキー変換データを見て、
それが "RUDAKA-1" であることに気付きました。この "Broadcast Callsign"
に "RUDAKA-1" を設定すると、MSPEウインドウの下段にリアルタイムで FSK
信号が解読された結果が表示されると思います。 次回、実験してみます。


なお、今回受信した WiSP画像と 保存KISSファイルは、次のところに登録し
ておきました。

 http://www.ne.jp/asahi/hamradio/je9pel/10504rud.gif
 http://www.ne.jp/asahi/hamradio/je9pel/10504rud.zip



AO-40 RUDAK-A に関する次の記述は、昨日の観測結果とほぼ一致しています。
衛星の送信周波数は、2401.747MHz です。


In  http://www.amsat.org/amsat/sats/ao40/rudak/index.html

> All initial operations will use the two hardware 9k6 modems on
> each of the two RUDAK processors. Their downlink frequencies as
> used during launch integration are as follows:
> 
>                       U         S1         S2          X
> 
>   RUDAK A 9k6 0    436.006   2400.768   2401.747   10451.561
>           9k6 1    435.982   2400.740   2401.720   10451.536
> 
>   RUDAK B 9k6 0    436.122   2400.887   2401.867
>           9k6 1    436.109   2400.870   2401.847
> 
> Initial testing is focussed on RUDAK A 9k6 0 via the S2 
> transmitter at 2401.747 Mhz.



《参考》

AO-40 RUDAK 受信のシステムを紹介します。2.4GHz の受信については、マキ
電気の 29ele シングルループと、改造したドレークコンバータの間に、同じ
マキ電気のプリアンプを設置しています。 アンテナから無線機のケンウッド
TS-790 までは 20m の距離があるので、減衰を考えて 10DFB の太いケーブル
で、全てを連結しています。

この TS-790 の内部に、9600bps FSK信号を、直接出し入れするための改造を
してあります。自作した配線ケーブルを、無線機の背面から直接 外に引き出
し、次に述べる TNC-241 + TMB965(タスコ) に接続しています。

ケンプロの水平・仰角ローテータでアンテナを制御し、衛星を 自動追尾して
います。その衛星追尾プログラムは、Satellite Tracking Prgaram II です。
周波数の自動追尾は、PSK波については、無線機と TNC-241 + TMB965 を連結
する接続ケーブルを自作し、受信周波数の自動追尾を行っています。

FSK波については、手動追尾してます。上記の原稿に記載した受信周波数は、
全て無線機の表示を見ながら、衛星からの 9600bps信号を、DCDランプが点燈
するように繊細にチューニングし、さらに TNC の CONランプが点滅した瞬間
を観測して筆記しました。忙しかったです。この TNC に、必要なコマンドを
送るには、Exterm.exe というフリーソフトを用いています。

コンピュータは、昔の 80486DXII(66MHz) の Windows95 DOS/V マシンです。
衛星デジタル信号の送信受信および解読は、全て、WiSP3215 プログラムを使
用しています。初期設定は相当難解と言われていますので、下記 URL の所々
に記載している解説を参照して下さい。個々の衛星に対する設定も必要です。
WiSP3215プログラムは、下記 URL から入手できます。

今回の衛星AO-40に対しては、Broadcast Callsign も BBS Callsign も 公表
されていませんでしたので、未設定のまま受信を行いました。 WiSP(GSC) の
中の設定で、LOG KISS を保存する項目がありますので、そこにチェックを入
れました。全ての受信システムが正しく連結および設定されていると、RUDAK
の信号を受信した時に、コンピュータ内の AO-40 サブディレクトリ内にログ
ファイルが所定のファイル名で自動的に保存されていきます。

この自動保存された KISS ファイルを解析するには、AMSAT-NA が作成してい
る Kiss2asc.exe が使いやすいです。テレメトリの解析には 別のプログラム
が必要ですが、公表されていません。 Kiss2asc の入手は、下記の URL から
辿っていけます。 JAMSAT のホームページからもリンクが張られています。

今述べた概念とノウハウは、全て JAMSATに関係している多くの方々の知識と
技術の蓄積と、私の試行錯誤の結果によるものです。 これらの軌跡を、全て
下記URLにまとめてあります。また、関係するサイトにもリンクを張ってあり
ます。他に もっと優れた技術を習得され、日夜努力されている方々が多くい
ますので、参照していただければと思います。


 無線機    TS-790S (ケンウッド)     , 144MHz 430MHz帯 無線機  
        TRX4S   (SYMEK)          , 高速38k4baud 対応無線機  
 アンテナ   ZQ-81H  (ラムダ)         , キュービカルクワッド 8ele 
        WHS-32N (マスプロ)       , 八木アンテナ 2*20ele   
        HGL2429 (マキ電気)       , ループアンテナ 29ele   
 ローテーター KR400, KR500A (ケンプロ) , 方位角 仰角 回転装置   
        CS232, CX500  (ケンプロ) , 方位角 仰角 自動制御装置 
 プリアンプ  GPA-720J (アンテン)      , 受信用 430MHz帯プリアンプ 
        GR-2400  (マキ電気)      , 受信用2400MHz帯プリアンプ 
 コンバーター 2880 (DRAKE)             , 2400MHz -> 144MHz     
 コンピュータ 486DX2/66MHz (VIP)       , 通信用 DOS/V機      
        PC-9801nv (NEC)          , アンテナ制御用      
 TNC    TNC241, TMB965 (タスコ)  , G3RUH型モデム       
        TNC31S (SYMEK)           , 高速38k4baud 対応モデム  
 ソフトウェア WiSP3215 +---------------------------------------+  
                 | GSC       2.03        MsgMaker  2.10a |  
                 | View-Dir  2.00e       ProcMail  2.00g |  
                 | MSPE      2.01a       MsgView   2.00b |  
                 | UpdKeps   2.00c                       |  
                 +---------------------------------------+  
        Satellite Tracking ProgramII              
        WinTrak(V3.5), Exterm(V1.6e)  など     


なお、下記URLの上段は、デジタル衛星通信の日本語版のホームページです。
下段は英語版で、プログラムの他に種々のデータも登録してあります。


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Name : JE9PEL/1 脇田
Mail : je9pel@jamsat.or.jp
URL  : http://www.asahi-net.or.jp/~ei7m-wkt/
       http://www.ne.jp/asahi/hamradio/je9pel/
QTH  : Yokohama, Japan
Date : May 4, 2001
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