PG のための下準備


● (EISEI.42) PG のための下準備 (1994年 6月14日)
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 今回は、アップリンク用のソフト【PG.EXE】を使用するために、事前にしておかな
 ければならないことを解説します。 まずは、Configuration File の『PG.CFG』の
 編集です。次の例は、PACSAT衛星(AO-16)用のものです。


                 [PG.CFG]
                 -----------------
                  port 2
                  bbscall pacsat-12
                  mycall je9pel
                  speed 9600
                  maxdupes 100
                  maxsel 50


 「bbscall」は、衛星のFTL0 サーバーのコールサインのことです。(本編(33) 参照)
 また、「speed」は、TNCと RS-232C 間のデータ転送速度のことです。他のキー
 ワードについては、下記資料を参照して下さい。

 ところで PG.EXE は、立ち上がった瞬間に次の各コマンドが自動的にTNCに送り
 込まれます。また、PG.EXE を終了した直後に、このうちのいくつかのコマンドが
 自動的に元に戻ります。


      mon off,    trflow off,  txflow off, xflow off,  rxblock off,
      newmode on, nomode off,  lfadd off,  echo off,   conmode trans
      mcom off,   mcon off,    mall off,   budlist on, etc.


 PG.EXE を起動する直前に、上記の他にTNCに送り込みたいコマンドを認識させ
 るためのファイル『PG.TNC』と、PG.EXE を終了した直後に、TNCの種々のコマ
 ンドを元に戻したいときに、それを認識させるためのファイル 『PGDONE.TNC』の
 編集例を次に紹介します。


         [PG.TNC]              |     [PGDONE.TNC]
         -----------------     |     ---------------------------------
          mode jas             |      mode fsk             echo off
          afc on               |      afc off              lcalls %
          fulldup on           |      fulldup off          mall on
          maxframe 1           |      maxframe 7           mcom on
          paclen 128           |      paclen 128           mon on
          frack 6              |      frack 6              newmode off
          pactime after 1      |      pactime after 10     txd 30
          retry 10             |      retry 10
          trace off            |      budlist off


 『PG.TNC』の中の「maxframe」は、TNCが一度に連続して衛星に送れるフレーム
 の最大数で、衛星登載ソフトウェアの処理上、アップリンク回線でのエラーや他局
 との衝突による効率低下を考えると最大でも 2 から 3 にすると良いと思います。
 また、「frack」は、パケット送信後の衛星からの確認パケットの受け取り待ちの
 インターバルを設定するものですが、これも長目が良いでしょう。

 ところで、【PG.EXE】はTNCが「connected mode」にあるかどうかをDCD信号
 によって判定するように設定されていないと立ち上がらないようになっています。
  TNC241(タスコ)では、内部ジャンパーピン3番の「JP3」がデフォルトで
 DCDショートになっていますので、この部分をDCDオープンに変更して初めて
 PG.EXE が起動します。(このことは、JN2LHU/岡本氏に指摘をいただきました。)

 さて、ここまで準備をしておいて、次に送信原稿を事前に作成しておかなければな
 りません。ここでは例として「TEST.TXT」を作成したものとします。

 本編(32)で解説したように、まず、「PG920225.ZIP」を解凍して送信ファイル作成
 専用ツール『PFHADD.EXE』を取り出し、これを用いて、今あらかじめ作っておいた
 「TEST.TXT」に、ヘッダーを次のようにメッセージに従い順次付加していきます。


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  C:\PFHADD TEST.TXT(リターン)
  pfhadd.exe version [920224p]
                                      (例)
  Source  Address:                   [コールサイン]  ==>  JE9PEL
  Destination Address:               [宛て先]     ==>  ALL (or Callsign)
  Message Title:                     [タイトル]    ==>  TEST
  Key words:                         [キーワード]   ==>  test
  Expire time in days [2]:           [掲載満了期間]  ==>  3
  File types:  0=text, 2=BBS export, 6=.exe, 7=.com, 8=NASA keps, 9=AMSAT keps
               12=misc. binary.  255=other
  Select type [0]:                   [ファイルタイプ] ==>  0
  Compression methods:          0=none, 1=pkarc, 2=pkzip, 3=lharc, 255=other.
  How is input file compressed [0]:  [圧縮方法] ==>  0
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 このあと自動的にファイル名(拡張子)が、「TEST.OUT」とリネームされます。
 このファイルの拡張子「*.OUT」は、PG.EXE でアップリンク要求をしたときに、
 送信ファイルを HDD内から自動的に探し出すときの判断基準の一つになります。

 さて、いよいよ自作ファイルを衛星に送り込んでみることにします。


        参考資料:PGDOC.ASC (in PG920225.ZIP)


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