● (EISEI.18) QSO の実際 (1993年 12月2年) ----------------------------------------- 平成5年12月1日(水)は、以前からの念願であったFO-20のJAモードの 初QSOに成功し、私にとって記念すべき日となりました。 この日17:49〜17:50(JST)にかけて、7N1JVW/藤田氏との初交信に成功しま した。(同時に、7L1FPU/中田氏のCWも未確認ですが聴取できました。) オービット17877は、17:36〜17:55(JST)にかけて最大仰角63度でほぼ東京上空を 通過する(dh.1140〜1460km、dr.1340〜4420km)、願ってもない交信条件でした。 藤田氏との交信時刻は 17:49〜17:50(JST) で、ダウンリンク周波数は ちょうど 435.850MHz(USB)で、この逆ヘテロダインによるアップリンク周波数 145.950MHz (LSB)に対し、実際のアップリンク周波数は145.9417MHzでした。私から藤田氏へ のRSが5.1、藤田氏から私へのRSは5.2で、大変良好に受信ができました。 (dh.1380km、dr.3300km) カード交換のお話しなど、わずか1分間のQSOでしたが充実した1分間でした。 ここで交信が一度、途切れてしまったのは、衛星がちょうど南方向180゜を横切る 時で、自局アンテナを連続追尾設定にしていなかったため、コントローラ右端の 180゜から左端180゜にアンテナが移動してしまっていたからでした。LOS前の 17:54JSTにも藤田氏の私宛のコールが小さく聞こえました。 実際、FO-20のドップラー偏移ダウンは、少しQSOしている間にどんどんと 下がっていきますので、数字で見る以上に感覚的に大きいものがあります。後で とにかく交信成立したから良かったと思ったのですが、その他のお話しはこの時、 出来ませんでした。 AOSからLOSにかけて、この時のアップリンク周波数を記録しておいたので すが、AOS後では 145.9495MHz、そして藤田氏との交信時のアップリンク周波 数が 145.9417MHzでしたので、おそらくLOSには 145.9410MHzくらいまで下が っていたことでしょう。 ということは、今回のオービットによるAOSからLOSにかけてのアップリン ク周波数のドップラーシフトは、「-0.5kHz〜-9.0kHz」ということになります。 本編(16)と考え合わせると、その時のオービットの諸条件にもよりますが、FO -20のドップラーシフトに関わるアップリンク周波数の選択は、逆ヘテロダイン によるアップリンク周波数の「1〜2kHz.上」の所から「6〜9kHz.下」の所にかけ て変化していくのではないか、という気がします。 以上、First QSO in FO-20['93.12/1 17:49〜17:50(JST)] のわずか1分間に おける考察です。 翌日(12/02 Thu.)もFO-20のJAモード受信実験をしてみました。今月は 一週間ごとのJAとJDのサイクルなので実験がしやすいです。 第1回目は、 16:06〜16:20(JST)で最大仰角12゜の低空飛行の時です。例によってダウンリン ク周波数を固定し、アップリンク周波数を観測したところ、逆ヘテロダインに おける周波数に比べて、最初のAOS時のドップラーシフトが[-0.1kHz]で、 LOSでは[-7.8kHz]まで下がっていました。 第2回目は、その次のオービットの17:55〜18:15(JST)で最大仰角は84゜の頭上 真上を飛ぶときでした。同じく、逆ヘテロダイン周波数からのドップラーシフト は、AOSからLOSにかけて[+1.8kHz〜-6.9kHz]でした。やはり上記のよう にFO-20の場合、アップリンク周波数はAOSでは、逆ヘテロダインの基準 のアップリンク周波数の前後から始まり、そこからLOSにかけてグッーと下が っていくようです! そうすると、本編(16)の後半で述べた、アップリンク周波数のAOS時の実際の 観測値が基準周波数より[+1.7kHz]であったことのツジツマが合います。問題は、 この事の理論的根拠ですが、W3IWI標準軌道計算プログラムにはドップラー シフトを考慮している部分があるということですので、今後それを解析していき たいと思います。 ところで、この日、18:05(JST)に435.850MHzにおいて、7L1FPU/中田氏と 交信成立しました。普段地元のRBBSでやり取りをしているハム仲間なので、その 直後にアイボールしてカード交換をしました。その話しの中で中田氏は、北海道 のあのJR8XPV/丹呉氏とQSO出来たということです。私も、435.850MHz 付近で、18:00(JST)頃、『ホッカイドー ...』と聞いていました。コールサイン がはっきりと聞き取れなかったのですが、丹呉さんだったのですね。惜しい(?) ことをしました。今度、是非もう一度、交信に挑戦してみたいと思います。
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