ロゴ  MacOS X Public Beta “Apache”
 MacOS X Public BetaでApache Webサーバを使う。
 “apache.conf”の初歩的な設定をする方法。

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● Public Beta付属のWebサーバ“Apache”を設定する方法

 ※:MacOS X Public Betaをインストールした、ローカルなネットワーク環境で、プロバイダのWeb用サーバにアップロードする前のHTMLファイルや、CGI, SSIのチェックや勉強をする為に必要な、Apache(アパッチ)の最低限の設定方法です。 セキュリティ等は全く考慮していませんので、この設定のままでインターネットに公開しないようにして下さい。 あくまでも、ローカルの家庭内LANや、スタンドアロン環境用です。
設定方法
※:ここからの作業は、MacOS X Public Beta をインストールした時に最初に設定した(システムの設定を変更出来る)ユーザでログインしている事を前提にしています。
  1. 準備:「システム環境設定:ネットワーク」パネルの設定をする
    1. 「TCP/IP」タブを設定する
    2. 「サービス」タブを設定する

  2. ユーザ毎にWebサイトを持てる様に設定する
    1. 「apache.conf」を設定する
    2. 「apache.conf」をテストする
    3. 「Apache」を再起動する
    4. Webサイトを作成する
    5. Webブラウザで動作確認をする

  3. ユーザ毎にCGI, SSIを使える様に設定する
    1. 「apache.conf」を設定する
    2. 「apache.conf」をテストする
    3. 「Apache」を再起動する
    4. cgi-binを作成する
    5. Webブラウザで動作確認をする

  4. Apache:その他の設定

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◆ 設定方法 ◆


 A. 準備:「システム環境設定:ネットワーク」パネルの設定をする

 ▼ A-1:「TCP/IP」タブを設定する

※ ここでの設定は、セキュリティについては特に考慮していません。
 スタンドアロン(1台だけ)もしくは家庭内だけの、完全なローカルのLAN環境で利用する事を前提にしています。
 設定例は、私の環境(iMac DV+ Sage RAM320MB)で上手く行っただけで、技術的な裏付けは殆ど有りません。(設定に関しては一応、Linux等のUNIX系、MacOS Xについての書籍や雑誌記事を参考にしました。)

  1. 「Desktop」メニュー(またはDock)から「システム環境設定(System Preferences)」を選びます。
     システム環境設定ウィンドウが開いたら「ネットワーク」パネルを選択します。
    ネットワークの設定が出来る様に、ロックされた鍵(南京錠)アイコンをクリックして、(MacOS X にログインした時と同じ)パスワードを入力します。

  2. ロックが解除されたら、「ネットワーク」パネルの「TCP/IP」タブを選択します。

  3. 「設定方法: 」ポップアップメニューから「手入力」を選びます。

  4. 「IPアドレス: 」に「192.168.0〜255.0〜255(例:192.168.3.21)」と入力します。
    ※ 本来、IPアドレスが192.168.x.xから始まる場合は、インターネットには繋がらないはずですが、ケーブルTVインターネットや、ダイアルアップルータ等のルータ類が接続された環境では、この設定でもインターネットに接続される等の、設定ミスによるセキュリティの低下で問題が起きる事が有ります。 あくまでも、外部に繋がっていない環境での利用の参考にして下さい。

  5. 「サブネットマスク: 」に「255.255.255.0」を入れます。
    ※ 255.255.255.0という設定は、IPアドレス192.168.x.0〜255のIPアドレスが設定された他の機器と、ルータを介さずに直接通信出来る事を表しています。 例えば、Apacheを動かしているMacが192.168.3.21の時、もう1台のMacで従来のMacOSを利用しているのであれば、TCP/IPコントロールパネルで、IPアドレスが192.168.3.11、サブネットマスクは同様に255.255.255.0を入力し(11の部分は0〜255の間で他と重複しない数字を選びます)、互いのMac(10/100BaseT)をEtherネットのクロスケーブル1本で直接接続(ギガビットEtherを搭載したMac G4を2台で繋ぐ場合はストレートケーブルでも良いらしい…)するか、Macの間にEtherネットハブを入れて、ストレートケーブル2本でそれぞれのMacとハブを繋ぎ、従来のMacOS側でWebブラウザを起動して、「http://192.168.3.21/」とIPアドレスを入力する事でApacheを動かしているMacに接続出来ます。(初期設定されているWebページが表示されます。)

  6. 「ルータ: 」には、この例ではローカルで使用し、ルータが無い事が前提なので数値を入力しません。 その場合、自動で上記で設定したIPアドレスが入力されます(特に問題は無い様です)。

  7. 「ホスト名: 」には、この例ではローカルで使用する事にしているので、適当な入力し易い名前を付けます。
     例:sage.com
     本来、上記の例の様に「.com」は必要有りませんが、Webブラウザでアクセスする時などに、ローカルでもそれらしく「http://sage.com/」の様に入力して利用できるので、「.com」を付けています。

  8. 「DNS設定方法: 」ポップアップメニューから「自動」を選び、その下に有る「DNSアドレス: 」「検索ドメイン: 」は空欄にします。(空欄にしてもDNSアドレスには自動で0.0.0.0が、検索ドメインにはcomが入りますが問題無い様です。)
    ※「DNS設定方法: 」で「手入力」選び「DNSアドレス: 」を空欄にした場合、「0.0.0.0」を探しに行く為か、MacOS X Public Betaの起動処理と、ログインしてからのDesktopが現れるまでに非常に時間が掛かるようになりますので、注意して下さい。

 ▼ A-2:「サービス」タブを設定する

  1. 「Webサーバ: 」ラジオボタンの「入」を選択します。
     これでApache Webサーバが(ごく基本的な設定がされた状態で)起動します。

  2. 「サーバ名: 」には「TCP/IP」タブで入力した「ホスト名: 」の名前(例:sage.com)が入っているはずです。
     違っている場合は、ポップアップメニューから選んで下さい。
    ※ Webサーバの名前として適当な名前(例:www.sage.com)が使えるのかも知れませんが、試した限りでは上手く動かなかったので「ホスト名: 」と同じ名前にしています。

  3. 「書類フォルダ: 」は最初に設定されている、「/Library/WebServer/Documents」のままで問題有りません。
     これは、「/Library/WebServer/Documents」フォルダに、Webブラウザで(例:「http://sage.com/」または「http://192.168.3.21/」)接続した場合に、表示されるデフォルトの「index.html」が入っているフォルダを表しています。
     「書類フォルダ: 」を別のフォルダを指す様にすれば、WebブラウザでWebサーバにアクセスした時に表示されるデフォルトのページを変更出来ます。

  4. 「適用」ボタンをクリックして、これまでの設定をシステムに反映させます。
     この時「新しい設定は再起動が必要です」とダイアログが表示されますので、「OK」ボタンを押してダイアログを閉じ、「Desktop」を選び、メニューバーの「特別」メニューを「option」キーを押しながらクリックして、一番下の「再起動」を選び、MacOS X を再起動します。

  5. 再起動したら、MacOS X Public Betaに付属の「Internet Explorer 5.5Beta」を起動して、設定したアドレスを入力(例:「http://localhost/」か「http://sage.com/」または「http://192.168.3.21/」)して、正しく表示される事を確認します。
    ※ デフォルト設定の場合、「/Library/WebServer/Documents/index.html」を表示します。 内容は、MacOS X 専用の「Apache」の説明(英語)です。

 B. ユーザ毎にWebサイトを持てる様に設定する

※ Webブラウザで「http://サーバ名/~ユーザ名/」に接続し、ユーザのフォルダに置いたWebページを表示する様にApache Webサーバを設定します。

 ▼ B-1:「apache.conf」を設定する

  1. 「/Library/WebServer/Configration/」フォルダの中に、「apache.conf」と言う名前のWebサーバの動作方法を記述したテキストファイルが有りますので、Finderウィンドウで複製を作成し、間違って設定した場合でも元に戻せるようにしておきます。

  2. 「apache.conf」を適当なテキストエディタで開きます。

  3. 「### Section 2: 'Main' server configuration」で始まる行の下の方に有る、「# UserDir: The name of the directory...」の下に有る、
    <IfModule mod_userdir.c>
        UserDir public_html
    </IfModule>
    
    の、public_htmlの前に、「Public/」を追加して、
    <IfModule mod_userdir.c>
        UserDir Public/public_html
    </IfModule>
    
    の様にします。
     これで、Webブラウザで「http://サーバ名/~ユーザ名/」を入力すると、「/Users/ユーザ名/Public/public_html」フォルダに入れたWebページ「index.html」をWebサーバが読み込む様になります。
    ※ 「Public」フォルダは、「/Users/ユーザ名/」フォルダに有り、MacOS X Public Beta がユーザ毎に自動で公開するフォルダとして設定しています。
     また、「public_html」フォルダはApacheの標準的なユーザディレクトリの名前で、Apacheを使っていないプロバイダでは違う名前になっていたりします。 public_htmlを別の名前にする事も可能だとは思いますが、トラブルが起きた時に、標準から変更し過ぎると原因を見つけるのに苦労しますのでそのままにしています。

  4. 変更が出来たら、「apache.conf」を保存して下さい。

 ▼ B-2:「apache.conf」をテストする

  1. 「Termial(/Applications/Utilities/Terminal)」を起動します。

  2. 「/usr/sbin/apachectl configtest」と入力してreturnキーを押し、「apache.conf」が正しく機能するかテストします。

  3. 「Syntax OK」と表示されたら「apache.conf」の内容に問題は有りません。
    「Syntax OK」と表示されず、エラーが表示されたら、変更した「apache.conf」を修正してテストし直すか、「apache.conf」を削除して、複製しておいたオリジナルのファイルを複製して、ファイル名を「apache.conf」にして、再度編集し直して下さい。

 ▼ B-3:「Apache」を再起動する

  1. テストで「Syntax OK」が出たら、「apache.conf」の新しい内容を反映させる為に、Apache Webサーバを再起動します。
    MacOS X自体を再起動する方が簡単で、確実にApacheも再起動できますが、再起動に時間がかかるので、Apacheだけを再起動する為に以下の様にします。

  2. 「Terminal」を起動します。
    Terminalの表示がおそらく「[サーバ名:現在のディレクトリパス] ユーザ名% 」と表示され、カーソルがその横に表示されていると思いますが、ユーザ名の横の「%」はそのユーザが一般のユーザである事を表しています。
     一般ユーザのままではApacheを再起動する権限が有りませんので、「root」になる必要が有ります。

  3. 「su」と入力し、returnキーを押します。
    ※「su」はSuperUser(スーバーユーザー)の略です。 root(ルート)ユーザはスーバーユーザーと呼ばれる事も有ります。

  4. 「Password: 」と表示されますので、MacOS X Public Betaのインストール時に最初に作った(システムの管理権限の有る)ユーザのパスワードを入力します。
     パスワードが合わない場合、「Sorry」を表示して戻りますので、再度「su」してパスワードを入れ直します。

  5. パスワードが合うと、「ユーザ名%」だった表示が「root#」と表示されます。
    ※ UNIX等の書籍では、この「%」や「#」を、入力するコマンドの前に印刷するだけで、一般ユーザとルートユーザとの違いを表現している場合が有りますので、この違いを覚えておくと良いと思います。

  6. これで、Webサーバを再起動する準備が出来ましたので、「/usr/sbin/apachectl restart」と入力してreturnキーを押します。 Apacheが再起動し(システムの裏側で行われるので見た目には分かりにくいですが、時間はほんの数秒です)Terminalの画面に再起動した事を表すメッセージを表示します。 上記で行った、ユーザディレクトリの設定「Public/public_html」が反映される様になります。

  7. root#(ルート)のままでは都合の悪い事が有りますので、元のユーザに戻る為に「exit」と入力してreturnキーを押します。 これで一般ユーザ「ユーザ名%」に戻れます。

 ▼ B-4:Webサイトを作成する

  1. Finderウィンドウで、「/Users/ユーザ名/Public」フォルダの中に、「public_html」という名前の、フォルダを作成します。
    ※「apache.conf」の設定で、「public.html」以外の名前にした場合は、その名前のフォルダを作って下さい。

  2. 上で作成した「public_html」フォルダの中に、「index.html」という名前で、HTML形式のファイルを適当なテキストエディタや、HTMLエディタ等で作成し、保存します。
    ※ または、プロバイダ等で既にホームページを作成しているのであれば、そのファイルを「public_html」フォルダにコピーしても良いでしょう。 Apacheは多くのプロバイダでも利用されている、「本物」のWebサーバなので、テストをする環境としては十分使えるはずです。

 ▼ B-5:Webブラウザで動作確認をする

  1. MacOS X Public Betaに付属の「Internet Explorer 5.5Beta」を起動します。

  2. アドレスを入力(例:「http://localhost/~ユーザ名/」か「http://sage.com/~ユーザ名/」または「http://192.168.3.21/~ユーザ名/」)して、「/Users/ユーザ名/Public/public_html」フォルダの「index.html」が正しく表示される事を確認します。

 C. ユーザ毎にCGI, SSIを使える様に設定する

※ 「/Users/ユーザ名/Public/public_html/cgi-bin」フォルダに入れた、拡張子が「.cgi」のファイルをCGI、「.shtml」ファイルをSSIとして実行出来るように設定します。

 ▼ C-1:「apache.conf」を設定する

  1. 上記の設定で使った「/Library/WebServer/Configration/apache.conf」を適当なテキストエディタで開きます。
    ※ 安全の為に複製を保存しておくほうが良いでしょう。

  2. 「# Control access to UserDir directories. ...」で始まる行から下は、行頭に#(コメント)の付いた記述が続きますがその下に、以下の様に「cgi-bin」フォルダについての設定を追加します。
    #…

    #…
    <Directory /Users/*/Public/public_html/cgi-bin>
          AllowOverride None
          Options ExecCGI Includes
          Order allow,deny
          Allow from all
    </Directory>
    
    上記の内容は、「apache.conf」の、この部分の下の方に有る「# ScriptAlias: This ...」の設定の丸写しです。 対象となるフォルダが違うだけです。
    設定の意味は、「/Users/全ユーザの/Public/public_html/cgi-bin」フォルダにあるファイルについて、「ExecCGI」がCGIの利用の許可を「Includes」がSSIの利用の許可を表します。
     「/cgi-bin」を記入しなければ、public_htmlにCGIやSSIのファイルを直接置いて、実行出来ますが、CGIの解説書等は「cgi-bin」フォルダが有る事を前提にしているものが多いのでこの様な設定にしました。
    「Options ExecCGI Includes Indexes」の様に、「Indexes」を追加すると、Webブラウザでフォルダまでしか入力しなかった時、そのフォルダに「index.html」が無い場合、フォルダの中身をリスト表示させる事が出来ます。 その他にも多くの設定が有りますが、Apacheについて書かれた書籍等を参照して下さい。

  3. 「# To use CGI scripts:」の下に有る、
    #    AddHandler cgi-script .cgi
    
    の先頭の#(#記号はコメントと呼ばれ、行頭に有る場合、その行を無視することを表しています)を削除し、
        AddHandler cgi-script .cgi
    
    にします。 これで、(「cgi-bin」フォルダに入れた)拡張子が「.cgi」のファイルをCGIとして実行できる様になります。
     また、「.cgi」に続けて「半角スペース」「.pl」(AddHandler cgi-script .cgi .pl)として、CGIとして認識できる拡張子を追加する事も出来ます。

  4. 「# To use server-parsed HTML files」の下に有る、
    #    AddType text/html .shtml
    #    AddHandler server-parsed .shtml
    
    の先頭の#を削除し、
        AddType text/html .shtml
        AddHandler server-parsed .shtml
    
    にします。
    これで、(「cgi-bin」フォルダに入れた)拡張子が「.shtml」のファイルをSSIとして実行出来る様になります。

  5. 変更が出来たら、「apache.conf」を保存して下さい。

 ▼ C-2:「apache.conf」をテストする

  1. 「Termial」を起動します。

  2. 「/usr/sbin/apachectl configtest」と入力してreturnキーを押し、「apache.conf」が正しく機能するかテストします。

  3. 「Syntax OK」と表示されたら「apache.conf」の内容に問題は有りません。
    「Syntax OK」と表示されず、エラーが表示されたら、バックアップとして複製していたファイルを複製し、ファイル名を「apache.conf」にして、再度編集し直して下さい。

 ▼ C-3:「Apache」を再起動する

  1. テストで「Syntax OK」が出たら、「apache.conf」の新しい内容を反映させる為に、Apache Webサーバを再起動します。
    Apacheだけを再起動する為に以下の様にします。

  2. 「Terminal」を起動します。

  3. 「Apache」を再起動する事の出来る、「root」ユーザになります。 「su」と入力し、returnキーを押します。

  4. 「Password: 」と表示されますので、パスワードを入力します。
     パスワードが合わない場合、「Sorry」を表示して戻りますので、再度「su」してパスワードを入れ直します。

  5. パスワードが合うと、「ユーザ名%」だった表示が「root#」と表示されます。

  6. これで、Webサーバを再起動する準備が出来ましたので、「/usr/sbin/apachectl restart」と入力してreturnキーを押します。 Apacheが再起動し、上記で行ったCGIとSSIの設定が反映されます。

  7. root#(ルート)のままでは都合の悪い事が有りますので、元のユーザに戻る為に「exit」と入力してreturnキーを押し、一般ユーザ「ユーザ名%」に戻ります。

 ▼ C-4:cgi-binを作成する

  1. Finderウィンドウで、「/Users/ユーザ名/Public/public_html」フォルダの中に、「cgi-bin」という名前のフォルダを作成します。
    ※「apache.conf」の設定で、「cgi-bin」以外の名前にした場合は、その名前のフォルダを作って下さい。

  2. 上で作成した「cgi-bin」フォルダの中に、「test.cgi」などの適当な名前で、「Perl」などの形式で書かれた、CGI用ファイルをテキストエディタ等で作成し、保存します。
    ※ プロバイダ等のホームページでCGIを自作しているのであれば、そのファイルを「cgi-bin」フォルダにコピーしたり、または、CGIの解説書などからサンプルのCGIファイルをコピーしても良いでしょう。 Apacheは多くのプロバイダでも利用されている、「本物」のWebサーバなので、テストをする環境としては十分使えるはずです。 また、英語版とは言え「Perl(Ver.5.6.0)」もMacOS X Public Betaにはインストール(/usr/bin/perl)されていますので、「Perl」を使ったCGIのテストも可能です。

  3. 上記と同様に、「cgi-bin」フォルダの中に、「test.shtml」などの適当な名前で、SSIファイルを適当なテキストエディタで作成し、保存します。
    ※ SSIについては、CGIとセットで解説書に載っている事が多いので、それらを参照して下さい。

 ▼ C-5:Webブラウザで動作確認をする

  1. MacOS X Public Betaに付属の「Internet Explorer 5.5Beta」を起動します。

  2. CGIファイルのアドレスを入力(例:「http://localhost/~ユーザ名/cgi-bin/test.cgi」か「http://sage.com/~ユーザ名/cgi-bin/test.cgi」または「http://192.168.3.21/~ユーザ名/cgi-bin/test.cgi」)して、「/Users/ユーザ名/Public/public_html/cgi-bin」フォルダの「test.cgi」が正しく処理され、表示されている事を確認します。
    「.cgi」ファイルがCGIとして実行されない時は、そのファイル自体または、そのファイルを含んでいるフォルダの、パーミッションの設定が間違っている場合が殆どです。 パーミッションの設定方法については、CGIやUNIX関連の書籍を参照して下さい。

  3. SSIファイル「test.shtml」についても同様に、アドレスを入力して動作を確認して下さい。

 D. Apache:その他の設定

※ 上記の他に「apache.conf」で設定しておくと良いものや、確認しておくと良い場所についての情報です。

 ▼ 「apache.conf」その他の設定と意味

  1. 「### Section 1: Global Environment」から下は、Apache のアプリケーションとしての動作設定です。

  2. 「# ServerType is either inetd, ...」の下に有る、
    ServerType standalone
    
    は、Apache Webサーバをスタンドアロンで常時起動しておく設定です。
     普段は停止していて、Webの要求の有った時にApacheを起動するモードも設定出来ますが、スタンドアロン設定の方が、反応が良いと解説書に有りましたのでデフォルトのままでよいでしょう。

  3. 「# ServerRoot: ...」の下に有る、
    ServerRoot "/Library/WebServer"
    
    は、Apacheが、どのフォルダから各種の設定を読み込めば良いかを表しています。
     このままで変更する必要は有りません。

  4. 「# Timeout: The number of ...」の下に有る、
    Timeout 300
    
    は、Timeoutの後の数字の秒数だけ接続を維持します。
     参考にした解説書には、この値を「Timeout 7200」に変更する様に書いてありました。 デフォルトの300秒(5分)では処理しきれないような事をしない限り大丈夫だとは思いますが、変更しても問題は有りません。

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  5. 「### Section 2: 'Main' server configuration」から下は、ユーザがどのフォルダにWebデータを置くべきかを設定したり、ApacheがWebサーバとして、ユーザ(Webブラウザ)から要求が有った場合に、どの様に処理すべきかなどを設定します。

  6. 「# Port: The port to ...」の下に有る、
    Port 80
    
    は、TCP/IPのどの窓口(ポート)からhttpなどの要求を受け付けるかの、受付番号です。 FTPは21番、Webは80番ポートなどと歴史的に決まっている様ですので、このままにします。

  7. 「# User/Group: The name...」の下に有る、
    User www
    Group www
    
    の「www」は、解説書等では「www」が「nobody」になっていたりしますが、MacOS X Public Betaではこのままにしておきます。

  8. 「# ServerAdmin: Your address...」の下に有る、
    #ServerAdmin webmaster@example.com
    
    の行頭の#を削除して、e-Mailアドレスを書き換えると、Webサーバで起きたエラー等の情報をメールで送信してくるようになりますが、ローカルのテスト用ではしょっちゅうエラーが起きるのと、エラーやアクセスのログは別に見る事が出来るので、#が付いた(コメントアウトした)ままで構いません。

  9. 「# ServerName allows you ...」の下に有る、
    ServerName sage.com
    
    は、Webサーバのサーバ名で、「システム環境設定:ネットワーク」パネルの「サービス」タブで設定したWebサーバの「ホスト名: 」と同じものが記入されているはずです。
     Webブラウザで「http://ホスト名/」を入力すると、アクセス出来るはずです。

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  10. 「# DocumentRoot: The directory ...」の下に有る、
    DocumentRoot "/Library/WebServer/Documents"
    
    は、上記と同じ「サービス」タブの、「書類フォルダ: 」に記入されていたものと同じです。
     Webブラウザで「http://ホスト名/」を入力されたときに、表示させるファイル「index.html」を入れるフォルダを設定しています。

  11. 「# DirectoryIndex: Name of ...」の下に有る、
    DirectoryIndex index.html
    
    は、Webブラウザで、フォルダにアクセスした時、そのフォルダの中にここで設定されている名前のファイルを見つけると、それを自動で表示します。
     例えば、「http://ホスト名/~ユーザ名/」と、フォルダ名までをWebブラウザに入力した時、「/Users/ユーザ名/Public/public_html」フォルダの中に「index.html」と言うファイルが有ればそれを表示します。
     また、この設定を、
    DirectoryIndex index.html index.htm index.cgi index.shtml
    
    の様に、半角スペースでファイル名を区切る事で、フォルダにアクセスされた時に、自動で認識するファイル名を増やす事も出来ます。
    ※ ただし、各々の拡張子がどのようなファイルであるかを、別の場所で(AddType text/html .htmの様に)設定しておく必要が有ります。

  12. 「# AccessFileName: The name of ...」の下に有る、
    #AccessFileName .htaccess
    
    は、#を削除する事で、「public_html」やその中のフォルダにそれぞれ「.htaccess」という名前のテキストファイルを、決められた書式で記述して入れておくと、この「apache.conf」で個々のフォルダについての設定を記述せずに、Webサーバにフォルダの設定を知らせる事が出来ます。
     プロバイダ等のホームページで「.htaccess」ファイルを作成した事が有るなら、#を削除しても良いでしょう。
     また、上記の様にWebサーバに認識させたい拡張子を追加したい場合にも使えます。
    ※ 例えば、「AddType text/html .iMac」等とすると、拡張子が「.iMac」のファイルをHTMLファイルとして、Webサーバが処理する様になります。

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  13. 「# ErrorLog: The location of ...」の下に有る、
    ErrorLog "/Library/WebServer/Logs/apache_error_log"
    
    は、Apache Webサーバで起こったエラーの記録を保存しています。
     「/Library/WebServer/Logs/」フォルダの「apache_error_log」をテキストエディタで開いて、内容を見る事が出来ます。
     下記の「apache_access_log」程では有りませんが、使っている間にファイル容量が大きく(数十キロバイト)なりますので、適当な所で削除するか、バックアップして下さい。 削除するには、rootになる必要が有りますので、Terminalでsuでrootになって作業して下さい。 ファイルを削除しても、Apacheを再起動すれば、新規にファイルが作られます。

  14. 「# The location and format of ...」の下に有る、
    CustomLog "/Library/WebServer/Logs/apache_access_log" common
    
    は、ユーザからApache Webサーバへどのようなアクセスが有ったか、アクセスの記録を保存しています。
     エラーログと同じく「/Library/WebServer/Logs/」フォルダの「apache_access_log」をテキストエディタで開いて、内容を見る事が出来ます。
    「apache_access_log」はWebサーバを使っている間、ユーザからのアクセスを逐一記録する為に、ファイル容量がかなり大きく(数百キロバイト)なりますので、適当な所で削除するか、バックアップして下さい。 削除するには、rootになる必要が有りますので、Terminalでsuでrootになって作業して下さい。 ファイルを削除しても、Apacheを再起動すれば、新規にファイルが作られます。

  15. 「# ScriptAlias: This controls which ...」の下に有る、
        ScriptAlias /cgi-bin/ "/Library/WebServer/CGI-Executables/"
    
    は、「http://サーバ名/cgi-bin/」と入力すると、「/Library/WebServer/CGI-Executables/」フォルダを参照するという設定を表しています。
     その下に有る「CGI-Executables」フォルダの設定
        <Directory "/Library/WebServer/CGI-Executables">
            AllowOverride None
            Options ExecCGI Includes
            Order allow,deny
            Allow from all
        </Directory>
    
    で、CGIとSSIを利用出来るようにしています。 上記で設定した、ユーザ毎にCGIとSSIを利用出来るようにするための設定は、ここの設定を参考にしています。

  16. 「### Section 3: Virtual Hosts」から下は、バーチャルホストの設定です。
    解説書にも余り詳しく載っていませんでしたが、1つのApache Webサーバで見掛け上(バーチャルに)複数のWebサーバが有るように、Webブラウザ等でアクセスする側からは見える様にする為の設定の様です。 使った事が無いのでそのままにしています。

 以上で、ローカルでの使用に限られますが、Apacheの設定は出来ているはずです。
 Apacheは上記の様にそこそこの設定で利用する事が出来ますが、プロバイダや、企業等のWebサーバの半数以上がApacheで構築されているとも言われており、その高機能さは計り知れません。
 将来は常時接続が当たり前になり、パソコン1台につき1つのグローバルなIPアドレスが振られ、Webサーバを個人で管理する日が来るかも知れません。(逆に一部の巨大な独占企業がサーバを持ち、個人情報を管理するようになるかも知れません。)
 そんな未来に向けて、アップルには上記の様な簡単に設定出来る部分だけでも、GUIで分かり易く設定出来、設定を反映させる為にボタン1つでApacheを再起動出来るツールを、製品版のMacOS X で用意して欲しいと思います。

E-mail:ei3k-iwt@asahi-net.or.jp