通勤電車入門
最終更新日:2021年5月2日
車両全体編
材 質

現在は普通鋼製、ステンレス製、アルミ合金製の3種類が存在する。1946年には国鉄63系の一部の外板にジュラルミンが使用されたことがあったが、腐食が早く短命だった。
ジュラ電
ジュラルミン製モハ63形(イラスト提供:アイコン&お絵描き工房

普通鋼車両
昭和30年代ごろまでは一部(床など)が木造の車両も存在した。製造費は安いが、重量が重く、錆を防ぐために塗装が必要である。最近では、軽量で電力消費の少ないステンレス製やアルミ製の普及により新造車は著しく減少している。
西武101系・301系・3000系・2000系は、ドアだけ無塗装のステンレスである。
JR武蔵野線103系
JR103系

京成3400形
比較的最近製造された鋼製車だが、下回りは初代スカイライナーの流用である
西武2000系
西武2000系
ドアは無塗装のステンレス
東武7800系
東武7800系
床は板張り
ステンレス車両
かつてはステンレス車両を本格的に採用していたのは東急電鉄ぐらいだった。当時は銀色に光り輝くステンレス車両が珍しかったので、目にしたときは感動したものだ。だが、今となっては右を向いても左を向いても銀色の電車だらけで飽き飽きする。最近のステンレス車両は、ギラギラ感を抑えるため表面にダルフィニッシュ加工を施したものが多く、アルミ車両との見分けがつきにくくなっている。普通鋼車に比べて製造コストが高かったためなかなか普及しなかったが、近年製造費が安くなったことにより(加工技術の進歩も一因と思われる)各社が相次いで採用し始め、現在ではほとんどの車両がステンレス製となった。現在、関東の大手私鉄でステンレス車両を保有していないのは京浜急行だけである(代わりにアルミ車を採用している)。古い車両の中には外板だけがステンレスのスキンステンレス(またはセミステンレス)車両が存在する。鋼製車に比べて重量が軽いので省電力である。また、錆に強いので塗装の必要がなく、塗装コストも削減できる。

東急8000系
初期のオールステンレス車両
京成3500形
京成3500形
京成初のステンレス車両
ただしスキンステンレス

JR205系
コルゲートがビードプレスに変わり、すっきりした
京王9000系
京王9000系
日車式ブロック工法で作られており、ビードもなくなった
北総7000形
北総7000形
コルゲートが使われている


北総9100形
北総9100形(2次車)
ビードプレスを採用
窓周りだけダルフィニッシュ加工されている
このような例は多くみられる
E217系
JR E217系
全面ダルフニッシュ加工により光の反射が抑えられている
アルミ車両
アルミ車両を本格的に採用しているのは相鉄と東京メトロである。製造コストは高いが、鋼製車やステンレス車に比べて重量が軽いので省電力である。強度が弱いので外板は鋼製車やステンレス車両より厚く、ドアとの段差が目立つ。錆びないので塗装は不要だが、会社のカラーを出すためにあえて塗装をしている車両も存在する(京急など)。腐食防止のため塗装された車両もある(国鉄301系など)。
相鉄7000系・8000系、埼玉高速2000系などは、ドアだけステンレス製である。
近年、日立製作所のA-trainという新しい製造技術により、アルミ製の新車が増えつつある。東武、西武、つくばエクスプレス、東葉高速鉄道などが採用している。A-trainはダブルスキン構造(外板が二重になっている)のため車内の遮音性に優れている。

相鉄5000系
初期のアルミ車両
前面の下半分は踏切事故対策としてステンレス板で補強している
ドアもステンレスを使用している

都営5300形
アルミ車両だが白色に塗装されている
東武50050系西武20000系
A-trainによって製造された東武50050系(左)と西武20000系(右)
共通設計のためよく似ている

同一形式で材質が異なるものがある。

東京メトロ5000系
ステンレス車両(左)とアルミ車両(右)

西武6000系
ステンレス車両(左)とアルミ車両(右)
アルミ車両はグレーに塗装されている

京急1500形
鋼製車両とアルミ車両
どちらも塗装されているため見分けるのが難しいが、ドアの段差が大きいほうがアルミ製である
(あるサイトの情報によればアルミ製は赤色が薄いらしいが、未確認)

【お断り】
この通勤電車入門では首都圏の鉄道だけを対象としており、関西などは取り上げておりません

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