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「高い城のツアイス」

日独カールツアイスレンズ比較

コンタックスユーザーにとってツァイスレンズを中古でさがす場合、気になることの一つが日本製がよいのかドイツ製がよいのかということでしょう。

ここではあまり厳密ではないけれども、P100/f2およびD35/f1.4のMMJ*とAEGの比較をしてみた結果をアップしました。

テストと言うよりは撮影の余興のようなものですが、なるべく撮影条件は同じになるようにしてはいます。

フィルムはポジとネガのリアラエースですが、ネガのリアラの場合でもフィルムスキャナのネガスキャンから明るさ補正を同一に調整して読み込んでいるので露出差の影響はありません。また色味補正も同じ量になるように調節しています。

画像のJPEG圧縮率はまったく同じです。

 

CZ lens comparison:
Made in Japan vs Made in W-Germany


English not available so far

*MMとはヤシコンレンズの中でMulti-Modeマウント(プログラムAEやシャッター優先AEが使えるあたらしいマウント、対応は159MMから)対応のものでMMJとはその日本製のものを指します。
AEはもっとも古いタイプのもので絞り優先AE(つまりただのAE)のみ対応しています。AEGはそれのドイツ製を示します。この他にも各レンズごとにAEJ、MMGもあります。
なおMMとAEの見分け方は絞りリングをみて最小絞り(F22とか)の数字が緑色になっていればMM、白ならばAEです。

*設計が比較的新しいせいかP100の場合AEGでも強化型(シルバー)のマウントです。

Planar 100mm f2.0

P100は同一のRTSIIに同一フィルムでレンズを換えながら撮影したもので露出はMMJ、AEGともなるべく同じになるようにしています。ただテスト日の天候状況が悪く変わりやすかったのでマニュアルで固定せずにAEを使っています。またすべて三脚固定ではなく手持ち撮影です。
絞り開放, Reala Ace

mmj3f2reala.jpg (58727 バイト)

MMJ

aeg3f2reala.jpg (60111 バイト)

AEG

絞りF5.6, RSX200

mmj1f56.jpg (27136 バイト)

MMJ

aeg1f56.jpg (26217 バイト)

AEG

 

Distagon 35mm f1.4

Distagon 35mm f1.4はRTSの発売当初からヤシコンのラインナップにエントリーされていたレンズで、設計的にはP100とは異なり少し古いものです。以下のテストではAEロックまたはマニュアルモードを使用して露出は固定しています。
発色はやはりドイツ製のもののほうがやや暖色傾向にあるがさほど大きくはないといえます。
シャープネスに関しては絞り込むとほとんど区別がつかなくなるけれども、開放においてドイツ製のものの方がややシャープです。またピンの山もAEGの方が出ています。ただしこれは個体差によるものかもしれません。
ボケ具合もほぼ同一だが、AEゆえにAEGでは中間絞りでギザが生ずる。
絞り開放, RVP

rvp142mmj.jpg (24930 バイト)

MMJ

rvp142aeg.jpg (23459 バイト)

AEG

絞りF5.6, Reala ace

reala56mmj.jpg (26877 バイト)

MMJ

reala56aeg.jpg (26271 バイト)

AEG

 

結果的には差はあまり無い、と言えそうです。もちろんここではあまり厳密に行っていませんし、大きく引き伸ばしプリントもしていません。また個体差や製造年度による差もあるでしょう。ここではちょっとした興味から比較してみた、という程度です。

ヤシカ・コンタックスマウント用のツァイスレンズは初期には西ドイツ製でしたが少しずつ日本製に移行しました(一部ははじめから日本製)。またS-Planar60からMakro-Planar60になったように名称変更があったレンズもあります。(MP60とSP60の光学的な変更は無いそうです)
ツァイス側では日本製であっても写りに違いは無いとコメントしています。しかしD35/1.4の非球面が研削からモールドに変わったらしいのもその一つですが、なんらかの硝材やコーティングの変化により差が出てもたしかにおかしくはなさそうです。
(カタログ上の重量は1983年でのカタログ値と現在では差がありません)


ただし現在でもドイツ製のレンズは一部あります。たとえばD15/3.5やPC-D35/2.8などのやや特殊なレンズです。しかし、これらについてみると興味深いことが分かります。
たとえば1983年当時のカタログを見るとD15/3.5の価格は306500円で、PC-D35/2.8の価格は196000円、フィッシュアイDistagon16/2.8は180000円です。現在の価格はそれぞれ700000円と390000円、475000円なので、なんと約2倍の値段になっているわけです。
それに引き換え1981年ころ発売したらしいP100/2の当時の価格は141000円で現在の価格は178000円です。またD35/1.4についてみると当時が182000円で現在は168000円と逆に安くなっています。
つまりこれらの現在では日本製になっているレンズについて言うと10数年も前から価格据置になっているということです。

もしドイツ製をつづけていたなら、そのまま当てはめたらP100/2などは現在の定価は36万ほどにもなっていたのでしょうか?それは分かりません。もちろん現在ドイツ製のレンズはやや特殊なレンズ群で少量生産になっているから高いのでしょうし、この間の国際的なレートの変化もあるのかもしれません。
たとえばS85/2.8について言えば1983年当時日本製と西ドイツ製があったのですが、この時は西ドイツ製が82000円、日本製が55000円だったようです(現在のドイツ製は75000円)。

ちなみに1982年の時点では − P50/1.4, P50/1.7, D28/2.8, D35/2.8, S85/2.8, (S100/3.5), S135/2.8, T45/2.8は日本製であると明記されています。S100/3.5は現在絶版です。



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