<那須湯本・殺生石>
(なすゆもと・せっしょうせき)栃木県那須郡那須町

旅行日 '95/12 96/10

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 那須湯本といえば、東京からのお手軽な観光地。休日の混雑は半端じゃないですね。
 さて、300年前の芭蕉は黒羽に長逗留した後、わざわざ遠回りをしてこの地を訪ねています。

 殺生石(せっしょうせき)は、温泉(いでゆ)の出る山陰にあり。石の毒気いまだほろびず、蜂蝶のたぐい、真砂の色の見えぬほど、かさなり死す。

 右の写真が現在の殺生石。大小の岩がゴロゴロ転がる山腹から、硫化水素、亜硫酸ガスなどが噴出し、付近には異様な臭気が漂います。時期が時期だけに(12月)ハチやチョウの死骸が累々と重なっているなんて有様は見られませんでしたが。



 那須湯本一帯には、新旧とり混ぜて幾多の立ち寄り湯がありますが、行くならやはりここ鹿乃湯
 「湯治場(とうじば)」ですので、ふつうの浴場とは異なります。入口に掲示されている「入浴方法」をよく読んで、地元の常連さんの仕草を真似ながら湯治にトライ(?)してみましょう。
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「鹿乃湯(しかのゆ)」('95年12月現在)
営業時間 季節によって異なります
入浴料300円  無休

続けて、芭蕉の句(↓)へ。



<芭蕉の句>

 殺生石で詠んだものではなく、馬に乗って那須湯本へと向かう途中に、馬の手綱を引く男に頼まれて詠んだ句。

 野をよこに 馬挽むけよ 郭公

(のをよこに うまひきむけよ ほととぎす)

<句意>
野を横切ってほととぎすが(鳴いて飛び去った)。(馬子よ、あの鳴き声の方へ)馬の首を引き巡らせよ。
三省堂・新明解シリーズ「奥の細道」(桑原博史監修)より



 また、殺生石に程近い那須温泉(ゆぜん)神社にて次の句が詠まれています。

 湯をむすぶ 誓ひも同じ 石清水

 ただしこれは推敲の段階で削られボツに。『奥の細道』の足跡を巡ると、ボツになった句の碑も結構見かけます。
 右の碑も神社境内の一角に・・。


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