<松島1・遊覧>
宮城県塩釜市、松島町

旅行日 '94/12

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 『奥の細道』の旅、最大の目的地がここ松島。言わずと知れた「日本三景」のうちのひとつ。
 五月九日(陽暦6月25日)塩釜からの舟にのり、松島の絶景を眼前にした芭蕉も「松島は扶桑(ふそう:日本のこと)第一の好風なり・・」と賞賛しています。
 私も芭蕉と同じく、塩釜から観光船に乗り込み、松島の景を堪能するとしましょう。右の船の名前はズバリ「芭蕉丸」。



 (松島は)東南より海を入れて、江のうち三里、浙江(せっこう)の潮をたたふ。



 島々の数を尽くして、そばだつものは天を指さし、伏すものは波にはらばふ。

 あるは二重に重なり三重にたたみて、左に分かれ右に連なる。



 負へるあり、抱けるあり、児孫愛するがごとし。

 松の緑こまやかに、枝葉汐風(しおかぜ)に吹きたわめて、屈曲おのづからためたるがごとし。




 その気色(けしき)よう然として、美人の顔(かんばせ)を粧(よそお)ふ。

 千早振(ちはやぶ)る、神の昔大山ずみの、なせるわざにや。



造化(ぞうか)の天工、いづれの人か、筆をふるひ、詞(ことば)を尽さむ。

続いて、曽良の句(↓)をどうぞ。



<曽良の句>

 松島や 鶴に身をかれ ほととぎす

(まつしまや つるにみをかれ ほととぎす)



<句意>松島は(なんたる絶景か)なあ。ほととぎすよ、(松島湾上を鳴き渡るときには絶景にふさわしい)鶴の姿を借りて渡りなさいよ。
 
 「雄島」にある句碑は、芭蕉さんの句碑「朝よさを誰まつしまぞ片心」と仲良く並んでいます。よく分からないでしょうけれど、右の小さい方が曽良の句碑です。



 芭蕉は『奥の細道』中、松島の句をあげていません。実は「島々や千々に砕きて夏の海」という句を詠んでいるのですが、推敲の段階で削除されています。
 松島のすばらしい自然を前にした、あまりの大きな感動に自分の筆が及ばなかった、とのことでしょうか。
 また俗説で「松島やああ松島や松島や」という句が「芭蕉の作」とされていますが、これは後世作られたもの。芭蕉とはいっさい関係ありません!
 
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