<飯坂温泉>
(いいざかおんせん)福島県福島市

旅行日 '94/11 '95/10 '98/1

地図を見る(ここをクリック)

 文知摺観音、医王寺などを訪ねた芭蕉と曽良は、この夜飯坂温泉にて一泊します。
 今でこそ東北を代表する大温泉地。摺上(すりかみ)川沿いにホテルが林立しますが、『奥の細道』のなかでの記述は最低最悪。
 「土間にムシロを敷いただけの粗末な宿で、灯火もないところで横になった。夜半を過ぎるとが鳴り出し、が降ってきて、寝ている上から雨漏りがする・・」
 さらに「ノミに刺されるし、持病まで起こって、命も消えて無くなるばかりである・・」とまで書いています。
 300年も昔の話とはいえ、なんだかボクラも飯坂温泉へ行く気がなくなってしまいます・・。


 飯坂温泉の名誉のために言っておくと、芭蕉は続けて「羈旅辺土(きりょへんど)の行脚、捨身無常の観念。道路に死なん、これ天の命なりと、気力いささかとり直し・・」と記しています。
 うんと平たく言えば「旅中はいろいろと、辛いこと苦しいこともあるだろうけれど、捨て身の覚悟でがんばってゆこう!」と、決心のほどを表しているのです。
 飯坂温泉は、旅の苦労を強調するためにダシに使われた、のかも知れません。


 ボロクソに書かれてしまった飯坂温泉ですが、街中にはちゃんと立派な芭蕉の「像」及び「文学碑」が建っています。
 上(↑)の芭蕉像は飯坂温泉駅前に。また右(→)文学碑は、摺上川の辺にあるます(場所が分かりにくいが)。碑には「俳聖松尾芭蕉ゆかりの地・・・」と刻まれています。




飯坂でのお楽しみは、もちろん温泉での一浴。温泉街には誰でも気軽に利用できる共同浴場が8軒ありますが、代表格は鯖湖湯(さばこゆ)。'93年に改築され、きれい。浴室にはシャワーはもちろんカラン(蛇口)もなくシンプルそのもの。素朴な温泉風情を楽しめると思います。
---------------------------
鯖湖湯('96年6月現在)

営業時間 朝6時から夜10時
入浴料100円  月曜休み



福島・医王寺の頁へ
岩沼・武隈の松の頁へ

スタート頁へ


ホームページへ |「奥の細道」目次へ | メールはこちら