The 4th Open Art Festival
in Changchun, China Sep.2003

2003.9.5

22. 荒井真一 (日本)
"旅行者#7 グローバリズム万歳 --旧満州国の首都で--"


パフォーマンスの途中で話したこと
約40年前、小学生の給食にはパンと脱脂粉乳が出ていた。ぼくは家でパンや牛乳を食べたことはなかった。ご飯と味噌汁を食べていた。給食のパンはアメリカで期限の切れた小麦粉で、脱脂粉乳はやはり期限切れの牛乳から作られていた。それらはアメリカでは家畜のえさだった。アメリカ政府はその小麦粉と脱脂粉乳を日本政府に売っていた。ぼくら小学生はパンと脱脂粉乳に親しんだ。それで、ときどき母に「パンと牛乳を買ってよ」と頼んだが、母は「高くて買えないわ」と言った。

ぼくはコカコーラも好きだった。しかし年に一、二回飲めるだけだった。それは正月やお祭りに親戚が訪ねてきて、ぼくにお金をくれるときで、ぼくは走ってコカコーラを買いに行った。両親は「おまえは何で、ああいう薬の味がして高価なものが好きなのだ?」と聞いた。

そのころテレビコマーシャルでは毎日「デルモンテ、ケチャップ」の歌が流れていた。ぼくらはケチャップが何かも知らずに、その歌を楽しげに歌っていた。後で、ぼくはケチャップ好きになり、何でもケチャップをかけて食べた。両親はケチャップを使おうとしなかった。

ぼくの故郷は田舎で40年前、家の周りは田んぼだけで、ガソリンスタンドくらいしかなかった。しかし、今はコンビニ、ファミレス、ケンタッキー、マクドナルドばかりで、田んぼはなくなってしまった。

昨年死んだ父は晩年ケンタッキーフライドチキンが好きだった。彼は大好きな日本酒といっしょにそれを食べていた。日本酒の肴にケンタッキー。

母は故郷に一人で暮らしている。母は、ときどきご飯を作るのが面倒になって、晩飯にパンと牛乳をコンビにで買ってくるとぼくに話した


小麦粉、脱脂粉乳、ケチャップ、コカ・コーラを浴びる



壁左
民族協和
全球国
美道楽土(中国語で美国はアメリカ合衆国)

壁右
五族協和(漢族、満族、蒙古族、朝鮮族、日本人が五族)
満洲国
王道楽土
(「正しく立派な政治は楽園を作る」。「五族協和」とともに旧満洲国の日本側のスローガン)



マクドナルドとケンタッキーをほおばりながら「グローバリズム万歳」と叫ぶ
最後に「全球国」と「満洲国」の前に「」を書き加えた
(中国の歴史では「満洲国」は「偽満洲国」と表される)

22. ARAI Shin-ichi (Japan)
"Tourist #7 VIVA Globalism!--at ex-capital city of Manchukuo--"
Changchun city


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(from Sep. 27 2003)