続・弘前市周辺の狛犬(11)
巌鬼山神社(弘前市十腰内)
赤倉は鬼信仰の中心ということになっているんですが、赤倉神社そのものは新しいもののようですね。
では、十面沢(とつらざわ)の巌鬼山神社はどうなんでしょう。
ここには4対の狛犬がいました。いちばん手前のは平成8年でできたばかりです。平成の狛犬はほとんどが中国で造られているはずですが、この狛犬もそうかもしれません。ただ、よく見る量産型の平成狛犬とは顔がかなり違います。デザインはオリジナルなんでしょうか。それとも地元の石材店が気合いを入れて彫ったのでしょうか。
さて、ハイライトは本殿前の3番目の狛犬です。
これは明らかな「江戸はじめ」。残念ながら年号はありませんでしたが、江戸中期くらいではないでしょうか。
毛糸の帽子を被せられていて、それが石と一緒に苔むし、一体化しています。なんか、坊屋三郎風。

ところで、この「阿」の台座に、変なモノがくっついていました。なんでしょね。拡大するとこうなります。↓

分かりますか? 男根に龍が巻き付いているんですよ。これを撫でると絶倫になる……とか?
小説『鬼族(きぞく)』に、このモチーフ、いただきです!
で、4番目の狛犬は、奥宮にいます。

この狛犬も阿吽が逆位置ですね。耳が垂れ耳ですが、筒状でちょっと面白い。
背中側から見ると、この狛犬の面白さがよく分かると思います。↓

■Data:巌鬼山神社(青森県弘前市十腰内):
その1:
ο建立年月・平成8(1996)年8月17日。ο制作・板柳町安田石材(株)
その2:
ο建立年月・昭和9年(1934)年旧7月17日。ο奉納者・吉野村中
その3(江戸はじめ):
ο建立年度など不明。江戸時代中期~後期?
その4(奥宮):
ο建立年度など確認不能。阿吽が逆位置になっている。
ο撮影年月日・01年9月22日。
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