shabomaniacap

＜栽培法＞
私は、いつもその年採種された種子を蒔いていますが、うちでの平均発芽率は50-70％くらい（種皮を剥いた場合）です。奇想天外の発芽条件には不明な点が多く、播種環境によってはまったく出なかったり、もっと発芽することも考えられますが、私じしんはまったく出なかったという経験はありません。
　地上でもっとも奇妙な姿、生態をもつこの不思議な植物が種から育てられるという感動から、毎年のように蒔いてしまいます。発芽活着すればこのうえなく丈夫なのでだんだん温室が奇想天外だらけに・・。１０年で開花、と言われるので将来は自家採種を、と期待しています。

＜以下はポイントです＞
●播種は種がカビに犯されやすいので注意を払う。温度管理などの発芽条件はサボテン同様に扱っているが、これが最良かどうかは不明。３０度以上の温度と、十分な水分が不可欠。私は蒔き土にはバーミキュライトを使用、タッパーで密閉播種しています。
●種皮（白い紙状のもの。中に白いスイカの種状のモノがある）を剥いて播くと、発芽率がアップします。中身を傷つけぬよう剥いてみると、黒くかびているようなものが３割ほどあり、それらは病菌に犯されているようでした。しかし、それ以外のほとんどの種が、播種後２～５日で発芽しました（温度摂氏３０度、腰水のバーミキュライト蒔き）。これはそのままで蒔いた場合と比べ飛躍的に高い発芽率で、しかもそのままだと２週間程度かかって発芽していたものが、数日で発芽完了します。中身を傷つけずに皮を剥くのは面倒ではありますが、かなり効果的な方法であることを確認しました。種の数が少ない場合、やってみる価値は十分だと思われます。ただし、その後の生育では、淘汰されて発芽してくる通常の実生に比べ、若干腐敗菌や暑さなどに弱いよう気がしました。これまで発芽後の苗はほとんど枯らしたことがありませんでしたが、結構減ってしまいました。
●奇想天外はまず、根から発芽します。この根は１日数センチ伸びるが先端を傷つけたらおしまいで若苗は植え替えに耐えられません。なので発芽したと思ったら根が土に入り込まないうちに（このとき、柔らかいバーミキュライトが抜き易いのです）すぐに深めの鉢（径８センチ不可さ１５センチくらいのプラ蘭鉢）に１本で植え替える。活着すれば１週間ほどで双葉があらわれ、ついで本葉が出ます。この葉も枯らしてしまうと次は出てこないので注意。寒がらせず、水を切らなければ簡単に枯れることはありません。
●その後の栽培は難しくない。とにかく水を切らさないこと。うちでは若苗は１年中腰水しています。過湿で腐ることはまずない。ただし寒さには弱いので摂氏１０度以上に。植え替えは好まないので、２年生以上になってからが安全です。私は真夏に根を切らぬように行っています。このとき、根は鉢の中で数メートルの長さとなってグルグル巻いている。おそらく自生地では地中深くの水分がある地層まで根を伸ばしているのではないでしょうか。あたりには草一本ない沙漠に生えながら、水が大好きな理由はそこにありそうです。
　