E.horizonthalonius ”nicholii”(大平丸ニコリー)

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”ニコリー”は強刺の太平丸の園芸名のようになっていますが、実際はアリゾナ南部の個体群につけられた学名(亜種・変種名)です。刺が強く丈高く育つと記載されており、それは事実ですが、分類学的に分けるほどの形態的差異かどうかは疑問。むしろ、大半の太平丸がチワワ沙漠(ニューメキシコ南部、テキサス、メキシコ各地)を故郷とするのに、ニコリーはソノラ沙漠の産であることの方に注目すべきでしょう。つまりぽつんと飛び石のように存在する個体群(生殖隔離)なのです。
この写真は、アリゾナ南部にあるニコリーのタイプ産地ですが、写真の後ろに小さい弁慶柱が写っているのが見えます。ソノラ沙漠固有の植物・弁慶柱と太平が一緒に生えているのはこのあたりだけです。この「ニコリー」、タイプは色々ですが、どちらかと言えば刺は長く、球体に密着せずに放射する感じ。刺いろは赤系が多いが黒刺もあります。花は、花弁数が少なめ。肌の青みは強い。園芸的に流通する有名な「ニコリー」にもなんとなく通じるものがあり、あちらのオリジンは本物のニコリーかなと思います。
     west of Tucson, Arizona
    (アリゾナ州・ツーソンの西)
     same place, east side
      (上と同じ山、西側)
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☆2003年12月、写真を追加しました(スクロールして下の方)。