アンシストロカクタス属    Ancistrocactus
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 アンシストロカクタス属は、現在エキノマスタス属とともにスクレロカクタス属に併合する考え方が主流になりつつあります。エキノマスタスはともかく、アンシストロはたしかにスクレロカクタスと多くの特徴を共有しています。柔らかい肉質、長い鈎刺、裸出した花筒などの形態にくわえ、栽培下で根腐れしやすい点なども良く似てます。自生地はアメリカ・ニューメキシコ、テキサスからメキシコまで。スクレロがおおむねロッキー山脈の西側に分布するのに対し、多くのアンシストロはロッキー山脈の東側に分布します。金羅紗、黒羅紗、玄武玉など、色々な名前がついていますが、細かく分けることが無意味なくらい、各コロニーの変異の幅が広く、特徴がボーダーレスに連なっているそうで、今ではこれらすべてを scheeri 一種に含む考え方もあります。実際、scheeri と名のつく種をとって蒔いてみるだけでも、刺花の色、形、など実に様々で、産地ごとの蒐集が楽しい植物です。またここでは、かつてグランデュリカクタス(Glandulicactus)に分けられていた羅紗錦、慶松玉の2種もアンシストロカクタスに含みました。
 栽培上は、過湿に弱く、また丈高く伸びたり刺間が空くと美しくないので、強光線、通風、乾燥気味の管理が良いと思います。とくに金羅紗、黒羅紗などの巨大塊根を有するものは秋〜冬、また梅雨〜盛夏の灌水で腐りやすい。私はその時期は休眠させています。長い休眠期をつくると、巨大な塊根が収縮して球体を地際に引きこむため、土に半分以上身を埋めて引き締まった姿になります。種はスクレロと違ってよく生えます。幼苗のうちは水を多めやるとハイペースに育ってくれ、3、4年で開花サイズに達します。そこから先は先に述べたような管理に。
 アンシストロカクタスは、本家スクレロ同様多彩な色の美しく長いかぎ刺を有しています。栽培易しくはありませんが、スクレロよりは成長良好で腐りにくい。刺だけでなく花色も様々で味わいがあります。刺花ともに美しくそれなりの栽培技術も求められる、つくって面白い植物です。

A..megarhizus SB597
Llera, Tamaulipas,Mexico

金羅紗
A..megarhizus SB597
Llera, Tamaulipas,Mexico

金羅紗
A.scheeri SB263
Saltillo, Coahuila,Mexico

黒羅紗

A.scheeri DJF80.04
Cuatrocienegas
Coahuila,Mexico

黒羅紗
A.scheeri SB360
Arteagas, Coahuila, Mexico

黒羅紗
A.scheeri GL703
Falcon Lake, Zapata Co. Texas, USA

黒羅紗
A.tobuschii SB987
Bandera Co, Tx, USA

トブスキー
A.tobuschii SB987
Bandera Co, Tx, USA

トブスキー
Glandulicactus mathssoni
(A.uncinatus ssp. crassihamatus) HO-152 San Luis de la Paz, Guanajuato, Mexico

慶松玉
G.mathssoni with riped fluit
HO-152 San Luis de la Paz, Guanajuato, Mexico

慶松玉(結実)
Glandulicactus wrightii SB404
(A.uncinatus v. wrightii)
Crockett County, Texas, USA

羅紗錦ライティ
G.wrightii with riped fluit
SB404
Crockett County, Texas, USA

羅紗錦ライティ(結実)
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