2000.07.20
事件の概要、人物の生没年等は基本的に『日本書紀』をベースにしていますが、他の説が有力な場合は、そちらを参考にしている場合があります。
人物によってはいくつかの名前（役職名等含む）があります。即位した人物は諡号を、それ以外については妥当とわたしが判断したものを採用しています。
参考にあげているのは関連の論考がある書籍です。本HPに取り上げられている書籍は、リンクを張ってあります。
山背大兄王暗殺事件
蘇我鞍作（そがのくらつくり）らによって山背大兄王一族を滅ぼした事件。鞍作の通称は蘇我入鹿（そがのいるか）だが、本名は蘇我鞍作あるいは林太郎（りんたろう）である。
『日本書紀』本文では、鞍作が巨勢徳太、土師娑婆に命じて滅ぼしたことになっているが、他の史料（『聖徳太子補闕記』）では、蘇我毛人、鞍作、軽皇子、巨勢徳太、大伴馬甘、中臣塩屋の六人によるものとなっている。こちらには、軽皇子（のちの孝徳天皇）の名があることが注目される。
蘇我鞍作が政治を専横した結果として捉えるだけでは、この事件の全貌は見えてこない。また、軽皇子がこの事件で果たした役割によっては、こののちの乙巳の変以降、いわゆる大化改新の意味と位置づけが大きく変わってくる可能性もある。
参考）『大化改新史論』