物語の概要: (本書の裏表紙に記載の文章より抜粋。)
落合に誘われ、レストランバー共同経営者となった向井。妻と娘との穏やかな生活。だが、1通の手紙が、かつて封印した記憶を甦らせようとしていた…。罪とは何か、償いとは何かを問いかける究極の長編ミステリー。
読後感:
新聞広告を見、比較的早く図書館に購入リクエスト予約を入れた本作品。図書館の所蔵7冊、読んでみての時点での予約数は1。何を意味しているか?実際読んでみて感じたことがそのまま表れていることに納得。
こんな風に感じるのはあまりないのだが、感情移入が起こらない。いかにも作り物といった印象を感じてしまった。主人公の向井聡(昔の高藤文也)が坂本伸子と交わした殺人の誓約を巡り、16年を経過して刑務所を出所してきた二人を殺すことがそもそも現実離れしていて、架空の話としか映らない。
主人公が家族を守るために二人を探しながら、殺人犯として警察にも追われながらも犯人(約束をした当の本人は死亡しているのに殺人を強要する)を追い詰めるミステリーはそれなりに面白いけれど。
なのにふとしたことで単に作り話と感じてしまうところはむなしい。
ラスト近くで脅迫の犯人を知るシーンは意外性があり驚いたが・・・。
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