2011-07-25
(作品は、雫井脩介 「犯人に告ぐ」 双葉社による) 初出 「小説推理」2003年2月号から2004年2月号に連載された同名作品に加筆、訂正。 雫井脩介: 1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年に第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作「栄光一途」でデビュー。2005年に「犯人に告ぐ」で第7回大藪春彦賞を受賞。著書に「虚貌」「火の粉」「白銀を踏み荒らせ」など。 |
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主な登場人物:
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物語の概要: 図書館の紹介より
「犯人よ、今夜は震えて眠れ」。 神奈川県下で連続児童殺人事件が発生。 特別捜査官・巻島は夜のニュース番組に出演し、姿見えぬ犯人との対話を試みる。 史上初の劇場型捜査が始まる。 果たして犯人は捕まるのか。 映画にもなっていたようだが、宮部みゆきの「模倣犯」をも思わせるような感じであるが、心理小説でもなく、犯人と警察側の推理競争が主眼でもなく、むしろ面白いのはテレビのニュース情報番組のライバル対決、そして相手局にいる末央子に良く自分を見せたいという思いの植草の性格がいじらしい。 もちろん主人公である巻島のテレビを相手にしての手痛い失敗、それを糧に今度はテレビを使って犯人とのやりとりを画策するも、なかなかうまく進まないのが、ひょんなところから犯人に近づくきっかけを掴むあたりの展開も見逃せない。 曽根本部長の性格、津田長の人情味と老練さ、本田の腹心ぶり、植草の弱みといった人物像が主人公を補助的にカバーし、厚みのあるものにしている。 ◇ 印象に残る表現: 植草が巻島からしっぺ返しをされて「この捜査から手を引くことにします」と去る間際に津田長が投げかけた言葉: |
余談: 雫井脩介作品では「クローズド・ノート」を初めて読み、感動した。それではと本作品「犯人に告ぐ」を手にしたが、全然内容が異なり意外であった。「クローズド・ノート」の方が2年ほど後の作品である。ということは作風が変化した? もう少し著者の作品を読んでみたい。 |
背景画は、2007年の映画の一場面を利用して。