佐藤家
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佐藤洽六
(雅号:紅緑
(こうろく))
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新聞小説を書かせれば当代人気随一といわれる大衆小説家。「新日本劇」の小劇団の顧問として羽振りがいい。
女好き、自らは“野人”を標榜して他人の思惑など気にせず、思うままの生活をしてきた。女好き、シナをただ喜ばしたいと言う思いから、佐藤家に波乱を呼ぶ。
家族の子供たちの後始末に追われる。76才で逝く。(中巻最後)
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妻 ハル |
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洽六23才、ハル19才で結婚。
お嬢さん育ちで、家事能力は余りにもなく、経済観念もゼロ、愚鈍すぎた。愛情は醸成されなかったが、洽六との間に9人の子をもうける。(女の子4人が幼児のうちに死亡)
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妾、後の妻 横田シナ
(芸名 三笠万里子)
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女優を目指し、佐藤洽六の家を訪れる。紅緑を籠絡したと噂される。P58洽六に好かれていることに対しても、冷ややかで、ただ好きな芝居が出来ることで満足している。
28才の時、洽六(47才)と結婚。
優柔不断の性格。
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長男 八郎
(ペンネーム:
サトウハチロー)
妻: くみ子
(八郎より2才年上
33才で離婚する。)
愛人:るり子
(第二の妻)
愛人:蘭子
(第三の妻)
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ユリヤ
(八郎20才)
鳩子
忠
四郎(るり子との子)
五郎(るり子との子)
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三つの時、下半身を大やけどし、治るまでに1年半かかる。病弱で、まるで宝物でも扱うように大事にされ、我儘勝手な男。にわかに雲行が変わり、怒鳴り散らし暴れる。激情に駆られた後必ずやってくる寂しい優しさ。
父から勘当されることもしばしば。目から鼻に抜ける利口者。
詩に凝り、後年はハトウハチローとして、洽六をしのぐ人気小説家になって、作詞やユーモア小説家として飛ぶ鳥を落とす勢いで大活躍する。(中)
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次男 節(たかし)
チャカと呼ばれる。
妻:カズ子
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八郎に比べ、丈夫で一番の親孝行、八郎に対するひがみを有している。人を喜ばせることが大好き。嘘をついて困らせ、警察沙汰もしばしば。八郎と節のために、洽六は随分尻ぬぐいをさせられる。
節「ぼくが欲しいのは親の愛情だよ、家庭の温かみだよ。」という。
広島出張中、原爆投下で女と死ぬ。
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三男 弥(わたる)
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大正7年正月、5才の時兵庫県鳴尾の伯父に預けられる。(おとなしく、何でも言うことを聞くということから)
洽六の感想「あいつはどうしてああ氣魄がないんだろう。何を考えているんだか、さっぱりわからん。面白くない奴だ」
戦争で亡くなる。
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四男 久(きゅう)
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9人目の子
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母親のハルが亡くなってから、八郎の家に行く。その後もあちこち彷徨(さまよ)う。
ふだんは可愛げのある人やけど、カッとしたら何をするかわからん人と噂。太々しい面がある。
19才で輝子という女と服毒自殺。久だけ死ぬ。
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六郎(シナとの子)
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早苗が生まれる前に亡くなる。
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長女 喜美子
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大正6年夏、結婚前に肺病でなくなる。
この後、佐藤家の崩壊が始まる。
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早苗(シナとの子)
夫:村木雄介
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子供
・陽子
・逸郎
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帝大出の夫。ケチで倹約家、鈍感
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愛子(シナとの子)
夫:守田悟
二番目の夫:佐々誠二
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子供
・勁介
(ケイスケ)
・素子
・響子
(誠二との子)
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父洽六の愛しい子供、希望の星である。
母親と異なり、果敢な性格。
医者の長男、悟の大まかな性格が、愛子を包む。
陸軍主計将校として終戦迎える。
悟、モルヒネ中毒になり、離婚。
二番目の夫誠二は気楽な男、親の遺産で働かず暮らす。文学に傾倒、文芸賞受賞。
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真田いね
佐藤洽六の妾
幸男
与四男
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幸男は佐藤洽六の子供ではないが、洽六が認知。
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佐藤家の外
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福士幸次郎
妻:梅枝
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佐藤紅緑の門下生。洽六の家族を含め、全ての面においての理解者であり、苦情を聞き、支えた殆ど異身同躰の人物。58才で死んだことを聞いたとき、「彼の力がいかに余の生命の内部の重大なる力であったかを気づく。」と日記に記す。
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