物語の概要:
刑事の妻が誘拐された。救出の期限は3日。樋口顕42歳―。とびきり無骨で一途な男が突き止めた驚愕の真相とは…?不撓不屈の刑事魂を活写する迫真の書き下ろし本格警察小説。
主な登場人物:
樋口顕
妻 恵子
娘 照美
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警視庁捜査一課第三強行係係長。新玉川線のたまプラザ駅の近くに住む。いつも人の顔色を見ているような自分の性格に劣等感をもつ。しかし警察内部では人望がある。
妻の恵子は翻訳の下訳のアルバイトをしている。
照美は大学受験生。冬休み友達と三泊四日のスキー旅行に行きたいといいだす。
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氏家譲 |
荻窪署生活安全課の巡査部長。大学時代心理学を学ぶ。樋口に対し「何でもかでも背負い込んでしまう。それで身動きがとれなくなってしまう。自分の中に感情を抑え込んでいるんだよ。それは他人を信用していないからさ」と評す。 |
天童隆一 |
捜査一課第一強行犯係官。(捜査一課の中で課長、理事官に次ぐナンバースリーの立場) |
安達弘 |
代々木署地域課所属、初台の交番に勤務。捜査本部に引き揚げられたことがあり、樋口を手本にしたいと想っている。 |
大森雅之 |
高校生風、樋口のアパートの周辺をうろつく不審者として・・・。 |
城島直己 |
初台に住む翻訳家。樋口恵子に下訳の仕事を依頼している。 |
印象に残る表現:
・氏家の言葉
「仮面をかぶって生活している連中は、人格が未熟で人間関係にも習熟していない場合が多い。 大人になりきれないやつらだ」
・恵子の言葉
「なんでも出来ると思っている。 自分のやることは何でも許されると信じている。」
「まず第一に兄弟の中で社会性を養う。三人以上が望ましい。三人になると社会が出来る。」
留学時代に学んだこと:
「アメリカ人は正しいと思ったことを実行するのに躊躇しない。 まずはやってみる。 それがアメリカ人のエネルギーなのだ。 やってみてダメだったら他の手を考える」
・事件解決後。。。。天童の言葉
「私ら大人が自分たちの生活にもっと自信を持てばいいんだ。 青春なんざ、くそくらえだ。 いいか、青春の次には朱夏が来る」
「朱夏?」
「そう朱色の夏。 燃えるような夏の時代だ。 そして、人は白秋、つまり白い秋を迎え、やがて、玄冬で人生を終える。 玄冬とは黒い冬、死のことだ。 最も充実するのは夏の時代だ。そして、秋には秋の枯れた味わいがある。 青春ばかりがもてはやされるのはおかしい」
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