印象に残る言葉:沢山あってどれも捨てられない。
◇ 友達 友達って、対等につき合ってくれるから、ありがたい。
◇ 苦悩 私の進む道は一つしかないのだ。選ぶ権利などないんだ。友達と一緒の道なんて絶対に望めないんだ。いっしょに行けるなんて思っていい気になっていると、自分の道もなくなってしまうから・・・。
◇ 大きくなんかなりたくない わたしは空気のような存在の人になりたい。いなくなって初めて大切な存在であったことがわかるような、ともかく優しくて、にじみでてくるような、そんな人格の持ち主になりたい。
◇ 革命 Sちゃんと話をする。
「養護学校に行けば、亜也ちゃんは特別ではなくなる。だから、教室移動や掃除やら、今までのような苦しい思いをしなくてすむのよ。でも、早くやろうと思えばできるんだから、努力してみれば?」ガガーンと、刀が突きささった。Sちゃんの99%の優しさと1%の刀で、友情を保つことができる。だから涙はでなかった。大きなショックを受けると副交感神経がマヒするらしい。Sちゃんは、わたしに「考えろ」と教えてくれた。
◇ 三月 二人の寮母さん
−母のような愛で包んでくれる。
−いつもわたしのことを遅い遅いといってけしかける人。だけど、三メートルの廊下を横切る十分間、だまって見ていてくれた。 二人のやさしさは質がちがう。
◇ 高校三年生
障害者グループで、一泊旅行に出かけた。同行の妹(四歳)が「お姉さんはフラフラだからきれいじゃない」と酷なことを言う。小さい子って、人が傷つくなんておかまいなしにズバッと言うからこわいよ。
19歳―――もうダメかも知れない
◇ 晩秋
愛―――それだけにすがって生きている自分のなんと悲しいことよ。お母さん、わたしのような見にくいものが、この世に生きていてもよいのでしょうか。わたしの中の,キラッと光ものをお母さんなら、きっと見つけてくれると思います。考えて下さい。導いて下さい。
◇ お母さん、もう歩けない
トイレまで三メートル這っていく。廊下がひんやりと冷たい。足の裏は柔らかく手の平のよう。手の平と膝小僧は足の裏のように硬くなっている。みっともないけど仕方がない。ただ一つの移動手段なんだから・・・。
後ろに人の気配がする。止まってふり向くと母が這っていた。何も言わずに・・・床にポタポタ涙を落として・・。押さえていた感情がいっきに吹き出し、大声で泣いた。
しっかりと抱いて、泣きたいだけ泣かせてくれた。
(補足:下線は独断で引いたもの。)
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