「宇宙論」創作ノート5

2012年06月

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06/01/金
6月になった。先月は多忙で自分の仕事があまり進まなかった。今月はピッチを上げたい。とはいうものの本日も公用。書協で図書館との協議会に臨む権利者の打ち合わせ。会議前から内職。ゲラをめくりながら議論にも参加。帰ろうと思ったらものすごい豪雨。出入口の前のロビーでゲラを読み続ける。一気に進む。内職をすると集中力が出る。ゴール寸前まで来た。さて、今月の作業としては、いくつかの試みを試行したい。このノートのタイトルは「宇宙論」のままだが、まだ1章の始めでストップ。これと、「何のために生きるか」といった感じの本の出だしも書いてみたい。出だしを書いてみないとどんな本になるのかわからないし、ちょっと書いてみて編集者に見せて、全体の構想を考える必要がある。いまは試行錯誤を続ける段階だ。

06/02/土
週末は休み。『超自分史のすすめ』のゲラ完了。さて、何をするかな。「宇宙論」実は少し行き詰まっている。で、『何のために生きるか』といった感じのものを書いてみることにした。少し書いてみて編集者に見せて様子を見ることにしよう。

06/03/日
日曜日。散歩に出ただけ。あとは執筆。

06/04/月
またウィークデーが始まった。今週は超ハードな一週間になる。まったく休みがない。週末にもスケジュールが入っている。しかも1日ずつがハードだ。とにかく月曜日。先週まではリレー方式の一年生のコマがあったのだが、今週はない。1限の授業が終わると、5限の学科会まで6時間もアキ時間がある。たっぷりと自分の仕事ができた。

06/05/火
火曜日は1限のみ。すぐに帰ってもいいのだが、レポートを見るなどの作業があるので、昼頃まで研究室にいる。広報の人が出来たばかりの新しいパンフレットをもってきた。わたしがの講座も特別のコラムになっている。志望者が増えることを期待する。熱意をもった学生たちと文学の話をしたい。

06/06/水
水曜日は休みのはずだが大学の業務で高校訪問。教育実習の学生を受け入れてくださった学校へご挨拶。この学校が途方もなく遠かった。自宅の最寄駅の池尻大橋から1時間20分もかかった。常磐線の天王台。取手の1つ手前だから、利根川のすぐ手前ということだね。先月の下妻というところで講演をしたが、あれは利根川の向こうだから、もっと遠い。とにかく北千住の先に行くと遠いという感じがする。幸い雨はやんでいた。山の中にある学校。環境はいいし校舎も新しい感じだ。環境はいいが通学は大変だろう。うちの二人の息子は自宅から歩いて行ける高校に行っていた。緑のまったくない環境だが、通学は楽だったはず。

06/07/木
木曜日は3コマ。午後から夜にかけての授業だが、本日は午前中に会議がある。会議そのものは楽なものなのだが、それから大学に向かって3コマ授業をするのは疲れる。あまりに疲れたので大学院の学生を誘って軽く飲む。

06/08/金
午前中、著作権情報センター理事会。午後、私用で高田馬場方面へ。いやに暑い日。今週はハードだ。明日は自宅の本の引っ越し。体調を調えなくては。さて、サッカー欧州選手権が始まった。4年前の前回大会は、ロシア旅行の途上、毎日、テレビを見ていた。ロシアが大活躍した年で国内が盛り上がっていた。今年の大会はポーランドとウクライナの共催で、大して強くないこの2チームがシードされるので、楽勝ゾーンと「死のリーグ」に分かれている。A組はポーランド、ギリシャ、ロシア、チェコの4チームで、ドングリ状態。この中ではロシアが一歩抜け出すか。B組は死のリーグ。オランダ、デンマーク、ドイツ、ポルトガル、どこもベスト4になりそうな実力がある。デンマークが少し弱いか。C組はスペインとイタリアが強い。アイルランド、クロアチアはまず勝てない。D組は開催国ウクライナも可能性がある。フランス、イングランド、スウェーデンの中ではフランスが強そうだ。イングランドには残ってほしいと思う。わたしが応援するのは、もちろん孫3人がいるスペイン。たぶん優勝するだろう。

06/09/土
本の引っ越しの日。去年までは前任者の本が残ったままの研究室にいたのだが、今年度の初めに新しい研究室に引っ越したので、自分の本を置けるようになった。早稲田で専任を6年やったので、その時に買った本が自宅にあったのを移動。自分の蔵書の中でも大事なものも移動させて、大学を辞める時は寄付しようと思っている。子孫に負担をかけないようにという配慮。朝起きた途端に引っ越し業者が到着したので、あわてて大学に向かう。研究室のテーブルを廊下に引き出したところに業者到着。ダンボールが60個。そのうち20個はわたしの本の保存分なので、窓際に積んだままにしておく。学生一名とともに残りの箱を開けて本棚に並べる。夜までかかるかと思ったが、意外に早く片付いて、午後2時には作業完了。近くのしゃぶしゃぶ屋で祝杯をあげる。引っ越しは懸案だったので、片付いてほっとしている。

06/10/日
昨日の引っ越しの疲れが出たのか。昨夜は学生と祝杯をあげたあと、仕度に帰ってすぐに寝た。が、夜中にサッカーを見るために起きたりしたので、寝不足の感じもする。一日をぼうっとすごして早めに寝る。

06/11/月
大学で1限の授業をしたあと、しばらくは研究室ですごす。自分の本が入っているので、ようやく自分の部屋という感じがした。まだ本棚に隙間がある。これからも本を買うことになるので、あきは必要だが、もう少し運んでもよかったかなと思う。本日は文藝家協会の理事会が入っているので学科会は休ませてもらって文藝家協会へ向かう。理事会はうなぎを食べなくなったので終わるのが早い。自宅に帰ると、チリの天体観測所に行っていた妻の甥が帰ってくるというので、その母(妻の妹)も来ていた。人がいると酒を飲みたくなるのだが、文藝家協会のようすをペンクラブに伝える仕事が残っているので長いメールを打つ。やれやれ、本日も自分の仕事はできなかった。まあ、この季節は仕方がない。いまちょうど、仕事の合間で、根をつめた仕事はない。しかし去年のいまごろは『新釈悪霊』を書き始めていたなと思う。がんばろう、と自分に声をかけてみるが、当面は何から始めるかを考えている段階なので、そろそろ仕事を1つに絞らなければならないと思う。このノートのタイトルは宇宙論となっているが、宇宙論がいちばん時間がかかるテーマなので、すぐには取りかかれない。しかし、手があくと宇宙のことを考えたくなるので、引き続きこのノートのタイトルのままに作業を続けようと思う。ところでチリから帰った甥は電波天文台の担当なので、星を直接に観測するわけではない。肉眼で星空を見たかと尋ねても、あんまり、という返事。専門家とはそういうものだ。彼らは宇宙論などといったものにも興味ががないようだ。宇宙論というのは素人のものなのかもしれない。

06/12/火
大学で1限の授業をしたあと、いったん自宅に戻り、それから近くの高校へ。教育実習の学生がお世話になっている高校に挨拶。先週に引き続き2回目。自宅の近くなので楽。サッカーはオーストラリアに惜しい引き分け。あのPKは意味不明だ。そんなことより応酬サッカーだ。スペイン対イタリア、イングランド対フランスが引き分け。1回戦が終わって勝ち点3を挙げたチームは、ロシア、デンマーク、ドイツ、クロアチア、ウクライナだが、初戦を引き分けたチーム(ポーランド、ギリシャ、西、伊、仏、英)の方が強そうだ。初戦につまずいたオランダが盛り返せるか。ポルトガルに勝ってもドイツに負けると、3すくみになって得失点差になる。ポルトガルがデンマークに大勝したら、オランダの敗退ということになる。日本は次のイラク戦がピンチだ。ディフェンスがいなくなった。闘莉王を呼びたい。

06/13/水
水曜日は大学は休み。いつもここに著作権関係の仕事が入るのだが、本日はそれもないので完全に休み。自分の仕事も休んでしまいたいところだが、このところ疲れ気味なので、無理をしないでのんびりしたい。昨日は欧州サッカーの中継がなかったので、どうでもいいイラク対オマーン戦を見てしまった。中継がなかったのはA組に優勝候補がいないからだろう。2戦を終えて、ロシア(勝ち点4)チェコ(3)ポーランド(2)ギリシャ(1)の順。3戦目はチェコ対ポーランドで、これは勝者が準決勝に進出する。もう1つのロシア対ギリシャは、ギリシャは大勝しない限りチャンスがないのでモチベーションがない。地元のポーランドが頑張りそうで、このゾーンは1位ロシア、2位ポーランドだろう。いずれにしろ両チームはトーナメント初戦で負ける。相手は「死のリーグ」のB組だから。

06/14/木
大学。木曜日の3コマにも慣れてきた。人数の少ない教室なのでメンバーの顔になじみができてきた。夜の授業があるので、最後のコマの前に何か食べるのだが、研究室のある7号館の1階にあるコンビニでパンを買ったら、わたしの生涯で最もまずいパンだった。信じがたいパンだ。昨夜はポルトガルが終了間際に1点を入れてデンマークに勝った試合を見て寝た。そのあと、オランダがドイツに負けていた。Wカップ準優勝のオランダですよ。どうしたの。これで2連敗。でもまだチャンスはある。最終戦、デンマークがドイツに負けるとして、オランダがポルトガルに勝てば、ドイツ全勝、残りの3チームが1勝2敗になる。その場合は得失点差だから、オランダはポルトガルに2点差をつけて勝てばいいのだ。ただし、デンマークがドイツに勝てば、オランダは絶望。それでポルトガルがオランダに勝つと、オランダ全敗で残り3チームが2勝1敗になる。このリーグはこれまですべての試合が1点差。最終戦も1点差の試合だと、得失点差も同じなる。そうなると総得点が勝負になる。昨日のポルトガル対デンマークの3対2の試合が効いてくる気がする。だとすると、ドイツはデンマークに勝つしかない。デンマークはWカップに日本に負けた時よりも確実に強くなっている。世代交代がうまくいっているみたいだ。ドイツも本気を出さないと危ない。

06/15/金
ペンクラブ理事会。その後、歴史時代作家クラブの宴会。えらい混んでいた。人口密度では芥川賞を凌駕している。時代小説はいま、書き下ろし時代文庫という領域が伸びていて、文学の中で唯一、伸びている。団塊の世代がリタイアして時代小説を読んでいるようだ。わたしの書く歴史小説も読んでほしい。

06/16/土
大学。4年ゼミの宴会。この大学のゼミはまとまりがあっていい。恐怖の宴会3連戦の中日。何とかもちこたえた。ところで、欧州サッカーはリーグ戦の2戦目までが終わった。2連勝したのはドイツだけで、そのドイツもトーナメント進出は決まっていない。それだけ接戦だといえる。B組はドイツが2勝、オランダが2敗なのだが、そのオランダも最終戦に勝って、ドイツがデンマークに勝つと、1勝2敗の3チームが並ぶので得失点差になる。2点差をつけて勝てばチャンスがある。ドイツは負けると2勝1敗のチームが3つになる可能性があり、得失点差の勝負になるが、どのゲームは1点差が多いので、総得点の勝負になれば、得点力の少ないドイツは不利になる。どのリーグも混戦で、トーナメント進出が決まったチームがないというのが楽しい。A組はロシアはギリシャに引き分ければいいのでほぼ決まり。もう1チームはポーランドとチェコの勝者。このリーグはわかりやすい。B組はドイツがデンマークに負けることはないだろう。引き分けではデンマークは他力本願。ポルトガル対オランダでポルトガルが勝てばポルトガルで決まり。デンマークとしては、オランダの頑張りに期待するしかない。C組はアイルランドがすでにアウトになっている。モチベーションを失ったアイルランドにイタリアは勝つだろう。スペイン対クロアチアの勝者がトーナメントに進出する。ただしイタリアが引き分ければ、その瞬間に、スペインとクロアチアは、勝っても負けても進出ということになる。D組はイングランド対ウクライナで勝った方が進出。ウクライナは勝つしかない。フランスは大敗しなければオーケー。こういうことを考えるのが、わたしは好きかもしれない。

06/17/日
コーラス。いつものメンバーで楽しく飲む。宴会3連戦、無事に終わる。さて、欧州サッカー。A組、引き分けでもよかったロシアはギリシャに負けて敗退、地元ポーランドもチェコに負けた。この2チームは引き分けだと両チーム敗退になるところだった。B組はドイツとポルトガルが勝って、わかりやすい順位になった。優勝候補のオランダが全敗したのはどうしたことか。ロッペンの姿が目につくせいか、全体に高齢化している感じがする。

06/18/月
大学。本日は1年生の授業があるので1限のあと、3限と4限もある。しかし2限と昼休みに連続して3人学生が来たので、その対応で時間がつぶれて、5限の学科会、教授会まで、まったく休みなして働いた感じがした。疲れたなあ。今日は誕生日だ。何回目の誕生日かは考えないようにする。

06/19/火
大学。1限のみ。いつも研究室で少し仕事をしてから帰るのだが、台風が来るというので早めに帰る。だが何となく落ち着かない。研究室の方が仕事ができるようだ。自宅に帰ると『新釈悪霊』の見本が届いていた。黒い不気味な装丁。素晴らしい。テーブルの上に縦に置いても自立している分厚さ。5千円もする本は初めてだ。しかしその価値はある。原作をただ読み解いただけの作品ではない。わたしが生きた時代と重ねた、日本人のための物語で、これは19世紀ロシアを舞台にしてはいるけれども、日本のある時代を描いた日本文学だと考えている。

06/20/水
本日は歯医者。定期点検。問題なし。ネット関係の雑誌に連載することになったので自宅で打ち合わせ。いままでもネット雑誌に原稿を書いたことがある。ネットの原稿はいつまでもネット上に残っているところが問題で、掲載日を表示することで内容の陳腐化のエクスキューズにするしかない。

06/21/木
大学。ねじめ正一さんの講演会。ゼミの教室はこの講演会への出席に振り替えた。司会の講師紹介をしただけなので楽だった。ねじめさんとは面識があるが、どこでお目にかかったか記憶がない。大学の一年の時の同級生笹倉明と、直木賞が同時受賞だったので、その関連でお目にかかる機会があったのかもしれない。今回は児童文学の宮川先生が招聘の担当なので、そばについていただけで、終わったあとの打ち上げも、こちらはただ出席していただけ。楽しい飲み会になった。

06/22/金
休み。のんびり散歩。

06/23/土
休み。のんびりと散歩。帰りに床屋に行く。床屋の主人は入院中とのこと。奥さんにやってもらう。奥さんの方が手早くてうまい。床屋はだいたい二ヵ月に一回くらい行く。忙しくて行けないこともある。髪がのびてもべつにかまわない。きっちりと調髪しているわけではない。すべてが適当である。今夜はサッカーを見るぞ。

06/24/日
妻と下北沢まで散歩。中華料理屋でビールを2杯飲んで。早めに寝る。

06/25/月
早朝に起きてサッカーを見る。大学の1限に出かけ、4限までつとめて自宅に帰ると、テレビが映るようになっていた。台風が来た日の夜中に突然、デジタルが消えた。なぜかBSは見える。無料のケーブルが来ているのでアナログも見えるのだが、画質が悪く目が疲れる。ブースターが壊れたかと思って修理が依頼したのだが、アンテナの土台が緩んでいたらしい。ケーブルの線が複雑になっているので、試しに外したら、デジタルはちゃんと映るので、結局、アナログが見えなくなった。もともと無料のケーブルだし、デジタルが見えれば問題ないので、ケーブルは外したままになった。今後も有料ケーブルを見るつもりはない。とにかくテレビかちゃんと見えるようになってよかった。

06/26/火
火曜は1限だけ。しかし研究室で雑用をこなしているうちに夕方になった。仕事は進まず。

06/27/水
本日は大学は休みだが、夕方から会議。夜も会議。

06/28/木
大学。3コマの日。3コマたてつづけにしゃべるのはきついが、真ん中の4年生のゼミは学生さんにしゃべってもらう。今年はこれでいいが、いまの3年生はおとなしいのでどうなるか。朝、起きて、ネットでサッカーの結果を確認。まさかとは思うがやはりドキドキする。スペインはPK戦でポルトガルに勝っていた。ポルトガルはロナウドがいるので、一発入れられたら終わりだったが、一つも入らなかったようだ。孫娘3人がスペイン人なので、わたしはスペインを応援する。今日はイタリア対ドイツ戦があるが、どうするかな。少し仕事をしようと思っている。それから飲み始めて、眠くなったら寝てしまおう。起きていられたらサッカーを見てもいい。明日は夕方の仕事なので昼間で寝ていられる。

06/29/金
本日は休みだが、夕方から日大新聞文芸賞の選考会。今回からの参加なので、どういう手順なのかわからなかったが、旧知の夫馬元彦さんが仕切っているので問題はない。選考を終え、和やかに会食。これで1日が終わる。早朝にサッカーを見たので早めに寝る。サッカーはイタリアがドイツに対して圧倒的に中盤を支配をしていた。バロテリというガーナ出身の怪物のようなフォワードが2点をとった。2点目は一人だけフリーになっていた。ボランチがロングキックをした瞬間にオフサイドゾーンに飛び出して独走したのだ。このタイミングと走力が素晴らしかった。これはスペインにとっても脅威だ。結局、C組の初戦が再現されることになる。1対1のドローだった。実力はほぼ互角か。このC組の最終戦でスペインはクロアチアに1対0で勝利したのだが、もし1対1の引き分けなら、イタリアは総得点でクロアチアに負けてトーナメントに進出できないところだった。とにかく、決勝戦はもちろんスペインを応援する。

06/30/土
夕方、大学の同級生の編集者と飲み会。


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