「在原業平」創作ノート3

2009年12月

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12/01
文藝家協会にて公益法人化委員会、常務理事会。本来は理事会に出るところだが、本日は「著作権法コンメンタール出版記念祝賀会」に出席。何だかよくわからないが、日ごろつきあっている著作権関係者がずらっと揃っていたので、的確な情報交換ができた。こういう宴会を月に一回くらいやれば、小さな会議などは必要ないのではないかと思った。

12/02
本日は散歩に出ただけ。「なりひら」は3章に入っている。ここからが山場だ。日本史上最大の恋が展開することになる。「青い目の王子」の表紙のイラストのラフがFAXで届く。象に乗った王子の姿。インドの感じが出ている。いよいよ本が具体的なかたちをとり始めた。幸福な瞬間だ。こちらは校正も終わっているのであとは編集部にお任せするだけだ。「西行」も「大乗仏典」もほぼ手が離れた。3冊が同時進行している。来年の4冊目の「なりひら」も半分は書けた。ここから先が大変だが楽しみでもある。

12/03
冷たい雨が降っている。こういう時は、M大学が遠くに感じられる。今日はお昼のニュースで中央線で人身事故というのが流れたので、吉祥寺からパスに乗る。パルコや東急の前を通っていく。ふと、昔、吉祥寺に住んでいたことを思い出した。大学の最後の二年間と、就職していた時期と、芥川賞をもらって作家になるまでの、七年間。思えば自分の人生にとって、大切な時期だった。二人の息子が生まれたのも吉祥寺だ。住み始めたころは、サンロードを路線バスが走っていた。デパートは一つもなかった。丸井はあったかもしれない。わたしたちが住んでいる時期に、伊勢丹、近鉄、東急がオープンした。ずいぶん昔のことだ。近鉄はなくなってひさしいし、こんどは伊勢丹が閉店するらしい。さて、「なりひら」。いま最大の山場にさしかかっている。ここを通りすぎると、あとは長いエピローグという感じて、ゴールに向かってクールダウンしていく感じになる。これからの一週間くらいが勝負所だ。

12/04
旺文社のコンクールの選考。小学校から高校までの生徒の文芸作品や研究、図画、書写などを対象とする。このコンクールは今回初めてで、わたしは詩を担当する。隣の席が小説担当の阿刀田さん。だんどりがわからないので、どうなることかと思ったが、必要な説明はできて、他の選考委員のご理解も得られたように思う。夜は著作権パーティーの予定だったが、火曜日の宴会で会いたい人には会えたので、欠席することにした。実は妻が不在なので、受け取れないお歳暮がたまっている。自宅に帰って、電話の自動応答に数字を打ち込む(いつも緊張する)。冷蔵品が一つ入っていたので気にかかっていたのだが、ハムだったのであわてることはなかった。ライバル関係にあるS社とB社が同じものを送ってきた。これは分析してみる価値のある傾向だ。
ところでこれからワールドカップの抽選がある。これは本番の試合よりも興味深いイベントだ。一次リーグの組み合わせで、緒戦に勝つか負けるか、という以上に、予選突破の可否が決まってしまうからだ。確立は低いのだが、ほぼ予選突破確実といえるような抽選結果も想定できる。開催国の南ア、南米のシード国以外、東欧。この3チームなら全勝も可能だ。一方、組み合わせを見ただけで絶望、という可能性もある。ブラジルまたはスペイン、カメルーンまたはコートジボワール、ポルトガルまたはフランス。この組み合わせだと、どんなにがんばっても全敗だろう。いずれにしても、天敵のオーストラリアや、近親憎悪の韓国とは当たらないので、その点では安心。さて、実際の抽選結果を見たあとの感想を次に書くことにする。
抽選の結果、日本の相手は、オランダ、デンマーク、カメルーンに決まった。シード国の強豪、ブラジルとスペインには当たらなかったが、アフリカ最強のカメルーンと当たってしまった。しかしポルトガルやフランスは避けられた。最悪ではないが、最良でもない。中の下くらいの感じか。デンマークには必ず勝ち、オランダかカメルーンのどちらかに勝つか、双方と引き分けるか。これはまあ、難しい状況ではあるが、絶望でもない。ざっと見て、悲惨なのは北挑戦だ。ブラジル、コートジボワール、ポルトガルと一緒。一目見ただけで3戦全敗だ。わたしはスペイン人の孫が3人いるので、スペインも応援している。スペインは楽勝の組。相手はスイス、ホンジュラス、チリ。しかしトーナメントの第一戦が隣の死の組だから、ブラジルかポルトガルと対戦することになる。ここが事実上の優勝決定戦になる。スペインは優勝を狙っているから、突破するしかない。最強チームと同様にシードされる開催国と同じ組になるとラッキーだといわれていたが、ここにフランスとメキシコが入ったので、公平な抽選になった。日本の隣の組はイタリアが1強3弱という感じだが、エンジンがかかりにくい守備的なチームなので、2つくらい引き分けて2位になる可能性もある。すると1位はパラグァイかスロバキア(ニュージーランドは全敗だ)ということで、日本は2位になればトーナメントの第1戦に勝つチャンスはある。緒戦のカメルーンに勝つ。これがポイントだろう。カメルーンにはエトーがいる。すごいチームだが、エトーを入れた練習があまりできないだろうから、緒戦に当たるのはラッキーだ。とにかく、フランスとポルトガルに当たらなかったというのは、まあ、よかったんじゃないだろうか。お隣の韓国も、マラドーナのアルゼンチンには勝てる可能性があるし、あとはナイジェリアとギリシャ、これは行けそうだ。わたしの予想、Aはメキシコ・フランス、Bは4チームに可能性がある。Cはイングランド・アメリカ、Dはドイツ・オーストリア、Eはオランダと残りのどこか(日本の可能性あり)、Fはイタリアとパラグァイまたはスロバキア、Gはブラジル・ポルトガル、Hはスペインとチリまたはスイス。優勝は、スペインであってほしい。南アはヨーロッパと時差が同じだから、日本では深夜の時間帯になる。そのあたりに仕事を入れないようにしたい。

12/05
土曜日。この週末は休み。お歳暮が来たかと思ったら「大乗仏典」のゲラだった。まあ、読み返すとまちがいがあったので、よかった。

12/06
日曜日。快晴で快適な散歩。ゲラをもって出るのを忘れたので、いったん自宅に帰ってからまた郵便ポストに行く。二十数年前、現在の自宅に引っ越してきた時は、郵便ポストのことを考えた。当時はまだFAXもない時代だったから。いまは原稿はメールに貼り付けて送信するので、郵便ポストを利用するのはゲラを送り返す時だけだ。ポストはすぐ近くというわけではないが、車が流れている道路を渡らなくても行ける範囲にある。ふと、今年の正月のこと思い出した。正月はゲラを2本かかえていた。三ヶ日の仕事場だ。用意したユーパックにつめて徒歩で郵便局にもっていったら、郵便局の前のポストが小さくでユーパックが入らない。途方に暮れていると集配車のお姉さんがたまたま来て受け取ってくれた。田舎の郵便局はあぶないと思った。今年はこれでゲラは終わりだと思う。正月はのんびりすごせそうだ。

12/07
文化庁小委員会。午後2時から4時までの会議。4時30分から大学の講義。30分で三田会議所から早稲田へ行けるか。会議がきっちり終わってもそのあと、顔見知りと挨拶などしていると遅れるので、5分前に会議からそっとぬけだした。麻布十番から南北線、飯田橋で東西線、5分遅れで教室に到達。これならいつもと同じだ。ネクタイを締めて講義をするのは今シーズンはじめて。「なりひら」は山場を抜けつつある。

12/08
本日は公用なし。明日、朝の9時からの会議というとんでもないものがあるので、早めに寝たい。

12/09
朝9時からの会議。書籍検索コーンソーシアム。今日の会議では、さらにあと2つ、並行して会議の場を設けることになりそうだ。えらい忙しくなる。いったん自宅に帰って仕事。それから六本木へ。三田和代さんの芝居。斎藤憐作「グレイ・クリスマス」。左翼の芝居だね。懐かしい感じ。観劇の前にミッドタウンを散歩。昔、ここが自衛隊だった頃、すぐ裏手のマンションのペンクラブの事務所があって、言論表現委員会に通った。ずいぶん昔のことと感じられる。

12/10
M大学。ついに中央線が上下線とも高架になった。とはいえ駅舎の小路はこれからなので、結局、南口から出ることに。これまであった駅の上を越えていく長大エスカレータは閉鎖されていた。どうなることかと思ったら、駅員のおじさんが誘導していて、まだ線路撤去の小路が続いている一階部分を通り抜けできることが判明した。高架が完成しても一挙に便利になるわけではない。まだ当分、この状態が続くようだ。

12/11
ペンクラブ言論表現委員会。プラス飲み会。ペンクラブで飲み会をするのは初めて。それだけ今年は会うことが密だった。グーグル問題のせいだ。出版社の担当者もまじえて実に密度の高い議論を続けてきたと思う。その結果、一定の成果が出た。感謝している。

12/12
土曜日。ハードな一週間だった。来週はもっとハードだ。この週末、少し休養したい。

12/13
日曜日。何事もなし。さて、明日からの一週間は今年一番のハードな日々。大学へ行く2日間以外は毎日宴会だ。飲み過ぎないようにしたい。「なりひら」は菅原道真が出てきた。以前に「天神菅原道真」という本を書いたので親しい人物。とくに子どもの頃がモーツァルトのような天才少年なので楽しみながら書きたい。

12/14
今週はハードだ。初日は大学だけの日。「なりひら」は4章突入。ここからはエンディングに向けてしだいに加速していくことになる。いい感じでここまで来ている。ところで、愛用している携帯ワープロ専用機ポメラのバージョンアップのお知らせが届いた。ネットにつなげないポメラをどうやってバージョンアップするのか。とにかく指示どおりにやってみた。まずパソコンでキングジムのホームページにアクセスして、ファイルをダウンロードする。ポメラをつなぎ、内蔵のSDカードにコピーする。それからポメラを起動して、指示どおりに捜査したが、ファイルがないという表示。もう一度、パソコンに戻って、ダウンロードしたファイルをクリックしてみると、自動解凍してべつのファイルができた。これでもう一度、同じ手順でやってみると、うまくいった。解凍しろなどということは説明書に書いてなかったぞ。とにかく、バージョンアップは成功したが、何のためのバージョンアップなのかはよくわからない。まあ、よくなったのだろう。

12/15
ペンクラブ理事会。グーグル問題について必要なことが話せた。文藝家協会に移動。事務所移転のお披露目宴会。ケータリングでの立食だが、大勢の方々に来ていただいた。すべてわたしの知り合い。日ごろお世話になっている方々なので次々と対応しているうちに、ワインを飲み過ぎた。本日は仕事はパス。

12/16
自宅で新聞のインタビュー。大阪万博40周年というテーマ。堺屋さんの本を出したのでこういう依頼が来たのだろう。まあ、楽しく話せた。それから文藝家協会へ。NPOの忘年会。もう七年になるか。楽しいスタッフとの語らいも、もう少しで終わる。このNPOは解散する予定だからだ。今日も少し飲み過ぎた。

12/17
M大学。本日は飲み会なし。仕事だ。

12/18
ペンクラブのシンポジウム。またもグーグル問題。果てもなく迷宮に迷い込むようなテーマ。必要な話はできた。打ち上げの飲み会も楽しかった。夜中、「なりひら」に取り組む。もうゴール直前に来ている感じがする。短いエピソードを重ねていく。染殿で歌を詠むシーン。ここが最後の山か。紀長谷雄は最後に登場させる。それから光孝天皇という段取りか。光孝天皇の即位の前に、なりひらは死んでいるのだが、「伊勢物語」の中には、なりひからが光孝天皇に随行する話が書かれている。で、わたしの小説も、物語を優先する。その方が面白くなると信じる。歴史にとらわれずに話を面白くしたい。

12/19
コーラス。今週4回目の飲み会。自宅に帰ってサッカーを見る。孫3人がスペインにいるので、サッカーを見る時はスペインを応援する。息子の家に行く時は、たいていバルセロナで一泊するし、数日滞在したこともあるので、この街はわが庭のようなもの。メッシの決勝ゴール。すごいね。「なりひら」はゴールが見えているが、一歩ずつ、慎重に進んでいきたい。

12/20
日曜日。夜中、「なりひら」草稿完了。ただ、あまり終わった感じがしない。エンディングについて一考の必要あり。

12/21
国会図書館での協議と大学。あとで大学に行くのでラフなかっこうで永田町を歩いていたら、どこへ行くのですかと警官に誰何された。国会図書館の向かいが民主党だから仕方がない。国家図書館と大学の講義の間に1時間ほどアキ時間。大学の教員室でポメラで「白痴」のあとがきを書く。まだ一行も書いてない作品。最初に「あとがき」から書き始めるという新しい手法。実は冒頭部になぜこの作品を書くのかというプロローグを設けようと当初は考えていたのだが、最初に言い訳をするみたいで読者の感興をそぐのではと思い直して、プロローグで書くべき内容をあとがきに入れることにした。だからこの「あとがき」はプロローグなのだ。ところで、ポメラをバージョンアップした時、辞書が初期化されるのでコピーをとれと説明書に指示されていたのだが、それほど登録していないので、まあ、いいか、と思った。しかし使ってみると、けっこう不便だ。ドストエフスキーを「ろど」と登録したり、スラッシュを「すら」で登録しておいたのが消えている。とりあえずよく使うものを入れながら書き進んだ。1時間、打ち続けた。ほぼ予定どおりの「あとがき」を書くことができた。さて、夜中は「なりひら」。昨夜完了した草稿をを最初から読み返している。まあ、いい感じではないか。ただ、少し距離をとってから読み返すべきかなとも思う。しかし正月、孫のそばでこの作業はどうかと思う。孫がいる「なりひら」というのも変だ。実際は、昔は十代後半で子どもができたりするから、四十歳くらいで孫というのも珍しくはないのだけれど。

12/22
午前中の会議。経団連会館。経済産業省が三菱総研に依頼して開かれる、書籍のネット配信についての研究会。経団連会館って、最近新築されたのだね。昔、サラリーマンをしていたころ、何度か使ったことがある。あの当時は、小さなビルだったのだが、何だかものすごいビルになっていた。午前中の会議だけだと、午後の時間は仕事ができるので、ふだんの日よりも作業時間が長い。「なりひら」を最初から読み返している。

12/23
昨日の会議で今年の公用は終わり。「なりひら」の草稿もできている。だが、まだ課題が残っていた。年賀状。妻は還暦の去年で打ち止めということらしいが、わたしは仕事のつきあいがあるのでまだ現役である。レイアウトは毎年同じ。文面を書き換え、絵をトラにしただけ。宛名が難しい。住所の変更などがあるし、亡くなった方などがあり、チェックが必要。半日仕事となった。「なりひら」は読み返しているのだけれども、まだ迷いがある。難しすぎる。歴史的な事実を説明しすぎているようだ。これを全部カットしたらどうなるか。わけがわからなくなるかもしれない。そこで、語り口をなるべく平易にして簡略化して記述する、ということだろうが、それが難しい。正月までずれこむかもしれない。
夜、風呂に入っている時に、ひらめいた。草稿のエンディングがよくないのだ。この作品、なりひらのモノローグで展開されている。モノローグはひとりよがりな叙情に傾きがちなので、大学で学生たちに指導する時にも、モノローグはだめ、と言っているのだが、まあ、コントロールすればおもしろいものになる。ただ主人公のモノローグでは、主人公が死んだあとの話ができない。そこでエピローグのところだけ、べつの人物(紀長谷雄)が語ることにしたのだが、それだとエンディングが盛り上がらない。そのことに気がついた。それでエンディングを組み替えることにしたが、その過程で、エピローグの部分は急ぎすぎて、アラスジだけの展開になっている。もっと落ち着いて、人物の会話と動きで表現しないといけない。そのことがわかったので、この作品、仕上げに向かって、道筋が見えてきたように思う。

12/24
クリスマスイブ。年賀状を投函してから渋谷まで散歩。年賀状を出し終わると一年の仕事をすっかり終えたような安堵感を覚える。イブのデパートはどんなものかと行ってみたが、案外すいていた。何年か前、1月6日のセビージャのデパートに入ったら身動きがとれなかった。スペインのイブにサンタクロースは来ない。そのかわりに、1月6日の夜に三聖人がプレゼントをもってくる。バルタザール、ガスパール、メルキュール(スペインでもメルチョ)。で、1月6日のデパートはものすごい人出となる。日本はもうそういう慣習にはしばられなくなったということか。というか、驚くべきことに、デパートにもはや玩具売り場はなかった。西武には、まったく存在せず、東横では、近所のスーパーよりもさびしい品揃えのスペースがあった。昔、玩具業界誌の記者をしていたことがあるので、なーんか、寂しかった。
夜は三田和代さんを招いて宴会。老人ばっかりのイブ。毎年恒例となりつつある。夜中、「なりひら」のエンディングの書き換え完了。このエンディングを頭の中に入れた上で、もう一度、最初から読み返してみる。

12/25
手書きで系図を作成。スキャナーで読み込む。登場人物のすべてを一枚の系図の中に入れることができるか。至難のわざのように思えたが、うまくいった。トポロジーの概念を応用。大学の教養課程の同窓会。9人集まる。毎年の恒例。全員、少しずつ年をとっていく。

12/26
土曜日。本日は行事もなくひたすら仕事の1日。「なりひら」のチェック。なかなか進まない。歴史を必要以上に説明しすぎている。歴史小説ではなく軽いユーモア小説というスタンスでいきたいので、テンポを重視したい。正月までこの作業をじっくり続けてパーフェクトに軽い作品に仕上げたい。

12/27
日曜日。メンデルスゾーン協会例会。今回はバイオリニスト桐山建志さんのコンチェルトの企画に共催というかたちで参加させていただいたので、われわれスタッフはただ切符を配っただけ。それでも充実した演奏会だったので、会員の皆さまには喜んでいただけたと思う。会場の自由学園明日館講堂の雰囲気もクラシックのコンサートにはぴったりの雰囲気だった。終わってスタッフと軽く飲み会。池袋の西口からは副都心線に乗れるので帰りは楽。いつもW大学に行くのに利用しているのだが、急行に乗るのは初めてで、快適であった。

12/28
仕事場に移動。ここでは朝型になって仕事をするのだけれど、本日は初日なので夜中まで仕事。「なりひら」は順調に進んでいる。自分の書いた文章に思わず笑ってしまうほど、とぼけたユーモアがあって上出来。ユーモア小説なんていつ以来だろう。昔はこういうタイプの作品が好きだったのだけれど。フットボール、ナショナル・カンファレンスはプレーオフ出場6チームが決定した。どこもすごいチーム。昨年応援したカージナルスと、昔から応援しているセインツを支持したい。しかしイーグルスとバイキングが強そうだ。ジャイアンツは残念ながら敗退。どうしてこうなったのだろう。アメリカンの方は、地区優勝は決まっているが、2位以下では8勝7敗が5チームもある。その中にスティーラーズも入っているのだが、地区内の成績がよくないので、自分が勝って、3チームが負けないとダメだろうと思う。詳しい条件は調べればわかるのだが、とにかく勝つしかない。

12/29
仕事場でののんびりした1日が始まった。だが、明日、四日市の孫が来るという連絡が入った。緊張。それでエンジンがかかった。夜中、「なりひら」完成。2ヵ月で、四百数十枚。いくらでも書けるという感じで進行した。この作品、わたしのベストテンには入るというものになった。自信作。今年は「新釈罪と罰」「青い目の王子」「阿修羅の西行」「なりひらの恋」と、これ、全部、わたしのベストテンに入る作品だ。そういう豊作の年として、この年は記念すべき年になった気がする。この勢いで来年は「新釈白痴」に挑む。なりひらの次は、紫式部でもやりたい気分だが、とにかくこれで、今年は終わった。孫とのんびり遊びたい。

12/30
四日市の孫来る。ここからはオフの時間。とはいうものの、午後、散歩している間に、「なりひら」の修正箇所を三点、思いついた。修正して、今度こそ、完成。そこに次男夫婦の孫来る。騒がしい夕食。これが年始年末の楽しみでもある。夜中、白痴のノートを見ながら構想を練る。

12/31
次男一家と浜松駅前近くの弁いちという料亭へ、予約したおせちをとりにいく。ここの亭主はわたしの読者なので緊張する。スーパーで買い物をして仕事場に帰ったのだが、ものすごい寒波の襲来に嫁さんが寒いと言いだしたので、ロックタウンのユニクロに行く。シャッターが半ば下がっていた。いつもは8時くらいまで営業しているのだが、大晦日なので6時閉店とのこと。6時5分くらいだったけれど中に入れてくれて、手当たりしだいに衣類を買う。とにかく調達できてよかった。紅白歌合戦など孫とともに見る。おだやかにこの年が暮れていく。「新釈罪と罰」「青い目の王子」「阿修羅の西行」「なりひらの恋」という小説4作を書いたこの年は、わたしの生涯の記念碑となるだろう。来年が、さらに上回るようなすごい豊作になるのかどうか。とにかく今年は、よくがんばったと自分にエールを送ってこのページも閉じたいと思う。


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