人麻呂09

2019年12月

11月に戻る 2020年1月に進む 月末
12/01/日
年末だ。まだ浜松の仕事場にいる。週末の土曜日の次の日曜日だから、だから月が変わったという感じがしない。今日は散歩に出ただけ。明日には東京に戻るので散歩できるのは本日だけ。いつもは1時間くらいのコースなのだが、少し大目に1時間半歩いた。それでも8000歩ほどだ。かつて愛犬が毎日泳いでいた湖岸に出てみた。犬が亡くなったのは17年前だ。湖で犬が泳いでいたのは犬が元気だったころで、こちらも若かった。20年前だとすると、自分は50歳くらいだったか。いまとあまり変わっていない気もするのだが、まだ本がどんどん売れていた時期だった。売り上げが1000万を越えると申告して消費税を払わないといけないのだが、当時は申告していた気がする。それで早稲田の専任もやっていて、忙しかったが、充実していた。いまは原稿を書いても本が出るかどうかわからないという、何とも頼りない状況になってしまったが、お金のために書いているわけではないので、出版のあてがなくとも作品は書き続けていく。ためておいて一気に出してもいいのだ。で、『人麻呂しのびうた』はいま出版社に預けてある。これ以上、書き直しようがないくらいの完成度にはなっているのだが、ゲラなったものが出版できなくなる不況下にあるので、どうなるかわからない。景気というものは上下するものだから、やがては活況になるかというと、いまの出版不況は底が見えない。紙の本はもはや絶滅するのかというくらいに、業界全体が不振に落ち込んでいる。それでもこちらは書き続けるしかない。

12/02/月
本日東京に戻る予定だったが、明け方から風雨が強くなった。妻の体調もよくないので、明日帰ることにした。明日は午後から所用があるので早朝に出発することになる。それでのんびりDOZNでFootballを見る。ペイトリオッツが負けた。ペイトリオッツが負けるところはなかなかに麗しい。ついにブレイディーにも限界が来たのか。ペイトリオッツに控えQBなんていただろうか。2年前に控えのガロポロを49ナーズに放出した。そのガロポロがいまは大活躍している。ただペイトリオッツは守備がいいのでプレーオフではいいところまで行くだろう。レイブンズに負けたのは仕方がないとして、テキサンズに負けるというのは、ブレイディーの肩の調子がよほどよくないのだろう。49ナーズがレイブンズに負けたので、Nカンファ西地区の優勝争いが過熱することになる。Aカンファの第1シード争いも厳しくなってきた。

12/03/火
朝6時に起きて、7時に浜松三ヶ日を出発。いつもは3回くらい休憩するのだが、本日は午後の予定があるので1回休んだだけ。東名の料金所までは渋滞なし。そこから池尻の中央環状とのジャンクションまで長い渋滞があった。それでも正午すぎに御茶ノ水に到着。午後2時スタートの仕事があった。場所は自宅から徒歩10分の神保町なので、1時半には着きたいと思っていたので、まだまだゆとりがあったが、7時出発にしてよかった。8時出発だと余裕がなかった。出版クラブで旺文社のコンクール。毎年の行事なので慣れている。阿刀田高さん、黒井千次さんに挨拶してから、展示されている美術、写真、書道、ポスターデザインなどの作品を見る。ビジュアルな作品は一目でわかるので楽だ。2時から4時半まで、各種の賞を選定する。必要に応じてコメントを述べた。まあ、楽しい選考会だった。場所が神保町なのはほんとうにありがたい。歩いて自宅に帰れる。早朝の浜松はかなり寒かった。休憩した足柄もまだ寒かったのだが、東京はまったく寒さを感じない。寒気と暖気の境目を抜けたみたいだ。今日は風が強かったが快晴でドライブは気持ちがよかった。まだ体調が充分に回復していない妻はつらそうに運転していたので申し訳ない気がしたが、ぼくの運転を禁じているのは妻なので仕方がない。とにかく選考会に出席できてよかった。思いの他早く東京に着いたので、DOZNでシーホークス対バイキングスの後半を見ることができた。シーホークス辛勝。Nカンファ西地区は2敗でシーホークスと49ナーズが並んだ。バイキングスが負けて4敗となったので、5敗のラムズにもプレーオフ進出の可能性が出てきた。ただバイキングスの今後の対戦相手は、地区首位のパッカーズ以外は弱小チームなので、ラムズは全勝しないといけない。

12/04/水
内閣府で障がい者週間の作文とポスターの絵の表彰式。選考委員長として選評を述べる役目だが、聴覚障害者のために文字情報を表示するため、あらかじめ原稿を届けておかなければならない。講演も講座はすべてアドリブとしているぼくにとっては、原稿をただ読むだけというのは、何ともめんどうな作業だ。が、仕方がない。すでに届けてある原稿を、老眼鏡をかけなくてよいように大きな文字でプリントしたものを持参する。まあ、それだけの仕事だ。それでも受賞者は内閣府の中に入るだけでも貴重な体験となるだろう。ぼくはこの仕事がなければ内閣府に入ることはない。著作権の仕事をしているのでいろんな省庁を回った経験はあるが、内閣府というのは特別のところだ。首相官邸の向かいで、道路にお巡りさんがいっぱい立っている。お天気でよかった。

12/05/木
本日は休み。秋葉原を散歩したのち神田の喫茶店で読書。これから書き始める作品のタイトルをとりあえず『光と陰の紫式部』ということにした。冒頭に安倍晴明が出てきて、童女の紫式部に陰陽道を教える、というようなところから話が始まる。平安時代の話なので戦争とか戦闘シーンがまったくない。『人麻呂しのびうた』では人麻呂が甲賀の忍び武者という設定になっているし、壬申の乱があるので、戦闘シーンが出てくる。兄の猿丸と対決する場面があり、最後には鎖鎌を操る藤原不比等との対決シーンもある。少しあざとすぎるかとも思うのだが、動きでストーリーをひっぱっていけた。平安時代にも政争はあるのだが、どこまで紫式部がかかわっていけるか。視点を紫式部に限定していたのでは、政争の全体を描けないかもしれない。『権記』の筆者、藤原行成をもう一つの視点とすべきかとも考えている。『権記』は口語訳を全巻もっているので読み直す必要があるかもしれない。

12/06/金
ペンクラブで岳真也さん主催の会があるはずだったが、午前中に岳さん本人から電話があって延期されたとのこと。メールで連絡したはずだというのだが、届いていない。ソフトが勝手に削除したのかもしれない。怪しいメールはどんどん削除されてしまう。まあ、無駄足にならなくてよかった。で、妻が科学技術館のバザーに行くというので、ついていった。妻は都営交通をただで乗れるので九段下まで都営新宿線に乗り、科学技術館へ。子どもたちの団体がドッと押しかけている。そちらは本物の科学技術館を見に来たのだが、われわれは一階の催し物場へ。コートやスーツなどのバザール。年に何回か催しがあって、時々そこでジャケットなどを買う。本日はジャケット1着とネクタイ1本を買う。先週、浜松のワークマンプラスで作業用ベストを買った。衣料品を買うことはめったにないのだが、大学へ行かなくなったせいで、着るものの傾向が少し変わったような気もする。まあ、もはや老人なのでファッションについて考えることはまったくない。わりとボロいものが好きなので、いつも同じような冴えない格好をしていて妻に批判される。今日買ったジャケットは妻の諒承を得たものなので安心。本日はFootballが1試合ある日だが、どうでもいい試合なのでDOZNで開始のところを少し見ただけ。カウボーイズが先制したので勝つかと思ったのだが、自宅に帰ってネットをつなぐとベアーズに逆転されていた。これでカウボーイズは6勝7敗と負け越し。それでもNカンファ東地区の首位を保っている。この地区は2年前のSUPERBOWL覇者イーグルス、かつてイーライ・マニングが2度にわたってペイトリオッツを破って制覇したジャイアンツ、それにレッドスキンズという強豪4チームが揃っていて、高いレベルの優勝争いとなるゾーンだったのだが、今年はジャイアンツもレッドスキンズも新人QBを起用して苦戦している。そしてカウボーイズとイーグルスが、互いに負け越し状態でデッドヒートとなっている。北地区はバッカーズが3敗、南地区はセインツが2敗、西地区はシーホークスと49ナーズが2敗と、レベルの高い優勝争いを展開しているのに、伝統の東地区だけが負け越し同士の優勝争いになっている。

12/07/土
週末は休み。来週はけっこう会議などがあるので貴重な休みだ。去年までは大学の教員をやっていて、学部長も務めていたから、このシーズンになると日曜はほぼ入試の待機で朝9時集合だった。ということは8時前に出発、7時前に起床という、夜型の作家にとっては厳しいスケジュールだった。週末がほぼ休みになるいまの生活はありがたい。しかし文藝家協会の仕事をやっていなければ、作家はほぼ何もない状態になるのだが、締切などもあってたいへんなのだろう。いまのぼくは締切ゼロだ。本日、もう長く使っていたマウスがご臨終となった。この二ヵ月くらい、反応が鈍かったり敏感だったり、調子が一定でなかったのだが、ついに動かなくなった。たぶんヨドバシカメラで買ったのだろうが、いつから使っているのかよくわからないくらいに、自分の生活に密着したマウスだった。USBに子機を差し込む無線のマウスで、横のボタンにはユーザーが適宜に機能を割り当てることができる。ぼくはページアップとダウンを割り当てていた。雨が降っているので買いに行くのも面倒だ。とりあえず予備として、浜松の仕事場にもっていく鞄の中にある有線のマウスを差し込んでみたが、タッチが軽すぎると動かした時のスピードが早過ぎる。慣れるのに時間がかかりそうだ。明日、買いにいくか。その前にネットで、どんな機種があるか見ておかないといけない。

12/08/日
日曜日。文京区のシビックセンターへ行っていた妻から電話がかかってきたので、こちらも後楽園に出かける。スマホのケースを買う。ジャイアンツのマーク入り。Footballが盛り上がっている季節なので日本の野球への興味は失せているのだが、スマホの裏表がよくわからないのと、つるつるしていて落としそうなのでケースがほしいとは思っていた。昼食にソバを食べたあと小石川後楽園の塀に沿った遊歩道から入口まで行き、後楽園の中に入る。紅葉が見頃だった。快晴で温かく、気持がよかった。

12/09/月
今週はいくつか会議がある。本日は本の未来研究会。いつもは文藝家協会の会議室なのだが、他の会議と重なったようで、近くのホテルに部屋をとった。日大文理学部の紅野謙介の国語教育についての講演。紅野さんは日大文芸賞の選考で毎年顔を合わせている。非常に充実した内容でこれは勉強になった。文部科学省が高校の国語教育から文学を排除し、契約書が組織の約定などの文章理解を促進する方向に舵を切ろうとしているのだが、これは文化国家としての日本を発展途上国に戻してしまうことになると、ぼくも危惧している。文学者がもっと発言すべきだろう。

12/10/火
マウスが壊れたのでヨドバシへ行くつもりでいたが、月曜は雨だったので、妻がビールを注文していたついでにマウスも注文してもらった。いちおうネットでどれがいいか確認はしていた。マウスはゲーム用の高価なものでなければどれも千円前後で、機能も似たようなものだ。これまで使っていたのは青い光を発するものだったが電池が二本必要だった。いまは赤い光で電池は一本のものが多いようだ。ネットの評価を調べると買った直後に動かなくなったり、最初から動かなかったというものもある。一年で壊れたという書き込みはかなりある。ぼくの使っていたマウスは5年以上も作動していたのでラッキーだった。今回のものが長持ちしてくれることを期待する。ただネットで調べた時、メーカーのイニシャルのアルファベットが大きく表示されているのは何となく敬遠した。それで太陽からフレアが出ているようなマークがついているのを選んだのだが、届いたマウスをよく見ると、それは亀のマークだった。失敗したなと思ったが仕方がない。マウスは手の中にいつもあるのでしみじみと眺めることもないだろう。さて本日は文藝家協会の常務理事会。必要な報告はした。Footballはマンデーナイト。イーグルス対ジャイアンツという優勝争いには関係のない試合だが、イーライ・マニングの引退試合みたいな感じで、観客席には兄のペイトン・マニングの姿もあった。勝ってほしかったし、終了直前までリードしていたのだが、ディフェンスが守り切れずに同点となり延長戦となった。コイントスでイーグルスが勝ってしまって、そのままタッチダウンで、マニングは闘わずして負けてしまったが、引退試合に相応しい好勝負だった。ジャイアンツはもはや連敗してドラフト会議で一番の指名順位を獲得して、新たなQBを指名すべきだろう。今年の新人ジョーンズは結局2勝しかできなかった。イーグルスは勝ってカウボーイズと並んだ。6勝7敗同士の優勝争いは寂しいが、地区優勝すればプレーオフ初戦をホームで闘える。ただし初戦の相手は49ナーズかシーホークスのどちらかなので、ホームでも敗退するだろう。

12/11/水
本日は休み。すぐ近くの郵便局に行き年賀状を買う。この古い風習をまだ踏襲している。年賀状でしか付き合いのない人がかなりいるので、いきなり断ち切ってしまうわけにもいかない。せっかく外出したので神田の喫茶店でコーヒーを飲む。レシートを3枚集めるとフチネコというものをくれる。今回で3匹目をゲット。フチネコは5種類あるらしい。3回目なのでカブルのではないかと懸念されたのだが、3匹とも別のキャラクターだった。5種とも集めたい気もするが、同じものがカブルにはいやなので、もう集めるのはやめようと思う。これまで使っていたなじみの喫茶店に、このフチネコのせいで行かなくなってしまった。プリントを読むという作業がなくなったせいもある。もう次の作品に取りかかっているので、早くプリントを読み返すくらいのところまで進んでいきたいと思う。

12/12/木
SARTRAS分配委員会。必要な発言はした。言うべきことを言っておかないと、全体の方向が制御できなくなる。本日はそのあと、渋谷で早稲田の教養課程のクラスの同窓会があった。会議が終わったのが5時。宴会は6時からで、まあ、ちょうどいい時間だった。SARTRASの会議はいつもの青山。表参道と外苑前の中間で、やや外苑前寄り。いつもは千代田線で表参道まで行く。だが渋谷へ行くのだか外苑前の方が近い。銀座線で渋谷に行くのは久し振り。新しい駅の工事は進んでいるようだが、電車が到着するのはまだ旧い駅のまま。12人が集合。50人くらい在籍したクラスだから、12人も集まるのはなかなかのものだ。男子は1浪、女子はストレートが多いのだが、ほぼ同世代。老人の飲み会なので病気の話が多い。まだ現役で働いている人もいる。飲み放題の設定なのでハイボールをひたすら飲み続けた。いつも自宅では水割りを飲む。自分で作るとどんどん濃い目になる。店でハイボールを飲んでも水を飲んでいるみたいだ。12人のうち6人が二次会に行く。カラオケに入って1時間のつもりが1時間半。1人4曲ずつ歌った。ぼくが歌った曲、ヤマトより愛をこめて、冬のリビエラ、無縁坂、踊子。カラオケ屋でも水割りを飲んだ。かなり酔っていて、どうやって帰るか迷っているうちに、半蔵門線に乗っていた。6年前に引っ越す前は27年間、池尻大橋に住んでいたので、足がひとりでに半蔵門線に向かうのか。神保町で降りて歩いて帰る。冷たい風が吹いていたが体はあったまっていていい気分だった。

12/13/金
本日は休み。近所のかかりつけの医者に行く。Footballはレイブンズ対ジェッツ。レイブンズ圧勝。このままSUPERBOWLに行ってしまいそうな勢いだ。どのチームがその勢いを止めるのか。チーフスか9ナーズか。調子が出てきたラムズも期待できるが、前半戦の不調がたたって、あと3試合全勝してもバイキングスが自滅しないとプレーオフ進出が難しい。来週火曜日のホームコンサートのあとの食事の場所を探しに妻と上野あたりを散歩。そのあと御徒町の吉池食堂で軽く飲んだ。

12/14/土
穏やかな土曜日。嵐の前の静けさか。とりあえずひまなので自分の仕事をする。明日の午後、スペインの長男一家が到着するはずだ。こちらは武蔵野大学で募集している文学賞の高校生部門の授賞式があるので迎えには行けない。妻が上野まで迎えに行くことになっている。そこから先、どういうことになっているのかこちらは感知していない。来週も会議などのスケジュールが入っているのでそれに従うばかりだ。嫁さんはスペイン人なので話が通じない。四人の孫のうち長女だけはかなり日本語が話せるのだが、とくに話すこともない。長男と話すこともない。彼らのようすは家族だけのラインで随時報告されているので、久々に会うという感じもしない。彼らは健全に愉しく生きている。こちらはただ情報を受け取るだけだ。スペインは豊かではないが生きやすい国だ。それに比べて日本にいる次男のところの二人の小学生は、ずいぶん生きづらい人生を送ることになるだろうと懸念している。長男のところの4人の孫は、上3人が女の子で、末っ子だけが男の子だ。彼の将来については、ちゃんと仕事ができるか心配ではあるが、家族や親族に守られているので健やかに生きていくだろうと思っている。日本は経済的には豊かになってはずだが、基本的な生きていくための生活基盤が発達していない。スペインへは何度か出向いたことがある。保育園や小学校などの教育機関が充実していて、国民が明るく楽しく暮らしている。日本の社会は歪んでいて問題が山積している感じがする。しかし長男と嫁さんは、日本の文化や見かけの生活の派手さに魅了されているところはあるだろう。回転寿司とか百円ショップとか浅草みたいな街並は、日本の一つの文化だといえるだろう。スペインも十数年前にバブルみたいなものがあった。いまはその波が一度衰退して、落ち着いた状態になっている。高校3年の長女と会えるのは楽しみだ。3人娘はあたりまえだが全員がハーフなので日本人離れした雰囲気をもっている。自分には娘がいないので、孫たちを見るのは楽しみだ。さて、本日は何もすることがないので、スーパーに酒を買いに行く。おやつなども買う。来週はファミリーコンサートが山場で、そのあと会議が2つ。週末にコーラスの忘年会があって、それで今年の打ち上げになる。あとは静かな正月になるはずだ。毎年年末年始は浜松の仕事場で過ごすのだが今年はスペイン組がいるので東京ですごす。いつもいっしょに正月を迎える次男のところは、長男が受験勉強をしているので、今年はファミリーコンサートの時に次男の次男と嫁さんが来ることになっている。

12/15/日
今年の三月まで勤務していた武蔵野大学で、文学賞高校生部門の授賞式。ぼくが勤務するようになってできたコンクールで、AO入試の一つの窓口でもあるし、当大学に創作の講座があることのPRの一貫として設置したもの。実際にこのコンクールが知られることで、各地の高校の国語の先生方に認知され、文学部の受験者が増えることにつながったし、受賞者がAO入試を受験してくれるようになった。今年の卒業生の中にも受賞者がいる。各学年、2人くらい在籍している。ということで、定年退職した身ではあるが、この審査にも加わっていて、授賞式でも賞状を渡す役目を任されている。今年もいい作品が集まった。受賞者と懇談し、2年生と1年生には、AO入試というものがあることを告知しておいた。さて、その間に、スペインの長男一家が日本に到着していた。成田からバスで八重洲に着いたとのことで、妻が車で迎えに行った。場所がわかりにくくて苦労したようだが、どうにか宿舎となるマンスリーマンションに移動できたようだ。

12/16/月
月曜日はFootballの日。朝6時くらいから中継を見ることもあるのだが、今日は早起きはつらい気がして10時まで寝ていた。iPadで結果を見る。49ナーズが死に馬のファルコンズに負けていた。ジャイアンツのイーライ・マニングが引退の花道ともいえる先発勝利を飾った。10時からの中継はスティーラーズ対ビルズ。スティーラーズはワイドレシーバーのアントニオ・ブラウンとランニングバックのベルを放出し、QBのロスリスバーガーを怪我で欠いたシーズンだったが、ここまで8勝5敗とよくもちこたえている。ドラフト外の新人QBのホッジスが何とかもたせているのだが、守備力でここまで勝ってきた。今日も熱戦だったが、惜しくも負けた。ワイルドカード争いで並走しているタイタンズも負けたのでまだチャンスはある。物置として借りている部屋に不要な本を運んだ。代わりに「御堂関白記」「権記」「小右記」を自宅に運ぶ。1000年前の日記が残っていて口語訳で読める。すごい時代だ。これに「紫式部日記」があればその時代のようすが明確に見えてくる。さて、昨日、成田に到着したスペイン組は、本日は池袋に行って立教大学のツリーを見たり、レンタルのチェロを借りたりしたようだ。で、夕食はこちらでと連絡があった。妻はあらかじめ準備をしていたようだ。こちらは昨日は会えなかったので、心の準備が必要だ。孫娘3人は年ごとに成長していくので、会うとドキドキする。女に子の扱いに慣れていない。長男はりっぱな中年になっている。よくがんばって4人の子どもを支えている。ぼくが長男くらいの年齢のころは、やや人生に行き詰まっていたような感じだった。青春小説から歴史小説に切り替える狭間みたいな時で、いろいろと大変だったように思う。長男はピアニストだが、サラゴサの高等音楽院で仕事をさせてもらっている。こちらも大学の教員の経験があるので、若者を指導することの難しさもあるだろうし、教員仲間との関係や、仕事を持続させることの苦労もあるだろうと思う。日本でも40歳代の団塊ジュニアはこれからリストラなどの苦難にさらされることになるだろう。生きづらい世の中になりつつある感じがする。ぼく自身ももうリタイアしてもいい時期で、愉しみで小説を書いているだけだ。明日はファミリーコンサートだが、雨が降るようで、会場への移動がどうなるか。

12/17/火
ファミリーコンサート。スペインでピアニストをやっている長男のプランで、ファミリーコンサートを開くことになった。かつて世田谷区三宿の大邸宅に住んでいたころは、自宅に客を招いてコンサートをやったこともあったのだが、御茶ノ水に老夫婦で引っ越してからは、隠居所としている場所なので、客は招かないことにしている。そもそもピアノもない。ということで、上野の近くに会場を借りて、コンサートをすることになった。定員が30人のスタジオなのだが、長男一家だけで6人。われわれ夫婦。妻の妹の夫婦、次男の嫁さんとその次男(次男そのものは仕事がありその長男は受験勉強中)、妻の従妹など、家族親族だけで半分は埋まる。長男の子どものころをよく知っている限られた人々が集まって、長男の成長ぶりと三姉妹の演奏ぶりを見てもらった。最初に長男が嫁さんと連弾、次に次女がチェロ、さらに三女がヴァイオリン。後半は長男がショパンの12のエチュードを弾く。最後に、連弾の譜めくりを担当していた長女がピアノを担当して、ピアノ三重奏でエルガーの『朝の挨拶』。充実したプログラムで音楽一家の家族コンサートが無事に終わった。長男はプロだから安心して聞いていられたが、孫の演奏は緊張で体がカチカチになった。終わってから家族12人を引き連れて上野駅の近くの料理店に移動。長男とも久し振りで言葉を交わせた。設営にあたった妻はかなり疲れていた。ぼくは義妹夫婦と次男の嫁さんプラス孫1名を会場に案内しただけ。天気予報は雨だったのだが、朝方降っていただけで、移動中は止んでいた。チェロをかかえている人がいるので、雨は心配だったが、止んでいてラッキーだった。ともあれ無事に家族の行事が終わった。

12/18/水
孫たちはどこかに遊びに行った。こちらはふだんの日常。マッサージのために新宿に行っただけ。自分の仕事に集中した。まだ冒頭部分が続いているが、七歳の紫式部と十四歳の道長が出会う場面はうまくかけた。女であることを嘆いている頭のいい女と、権力の座を目指す右大臣の三男坊という設定で、いらだつほどに能天気な若様という感じが出ていると思う。次に出会うのは道長二十二歳、紫式部十五歳ということになる。このオープニングは安倍晴明の存在が引っぱっていく。天后媽祖という式神が出てくる。姿は見えないが、声は聞こえる。この式神をどこまで登場させるか。オープニングだけにとどめた方が良さそうだ。

12/19/木
孫たちはディズニーランド。その中に孫1名を混ぜておいて、次男の嫁さんが一人で四日市に帰っていった。こちらはSARTRASの理事会。明日のオーファン委員会で、今年の会議の日程が終わる。あとは土曜日のコーラスの忘年会ですべての行事が終わる。今年は年末年始の浜松滞在はしない。東京で新年を迎えるのは記憶にもないくらいの久々で、今世紀に入って初めてかもしれない。少なくともこの御茶ノ水に引っ越してからは初めてだ。御茶ノ水ではどんな正月になるのか。歩いて神田明神に行けるなとは思う。

12/20/金
オーファン委員会。これで今年の会議は終わり。昨日スペイン組とともにディズニーランドに参加した四日市の次男の次男は、スペイン組の宿に泊まって、本日、一人で新幹線に乗って四日市に帰っていった。明日はスペイン組が四日市に行く。そのスペイン組は夕食に来訪。妻が用意した料理を食べたあと、十時過ぎまで自宅にいた。孫の姿を見るのは嬉しいようではあるがとても疲れる。

12/21/土
スペイン組は四日市に移動。こちらはコーラスの忘年会。八人で楽しい宴会。かなり酔ったが無事に自宅に帰還。これで今年の行事はすべて終わった。

12/22/日
どこへも出かけず。資料を少し読む程度でのんびりすごす。スペイン組は四日市組とともに奈良に行ったようだ。次男の車は8人乗りのワゴン車で、これを次男の嫁さんが運転し、長男の嫁さんと孫6人。きっちり定員で奈良へ。長男と次男は近鉄で奈良へ。鹿と楽しく戯れたようだ。それから大阪へ。スペイン組は天保山からフェリーで別府へ。地獄を見てその日にフェリーに戻るという弾丸ツアー。無事に船に乗り込んでレストランでのんびり食事をしているようすがラインで届いた。次男たちは車で四日市に戻ったようだ。

12/23/月
もはや公用は何もない。いつもより早めに起きてFootballの結果と途中経過。iPadをもってベッドに戻り、蒲団の中でシーホークスが負ける試合を見る。イーグルスとカウボーイズの地区優勝決戦はイーグルスの勝ち。今シーズンはニック・フォールズがいないのでイーグルスを応援してはいない。どちらにしろこの地区のレベルは低くプレーオフに進んでも初戦で負けるだろう。夕方、秋葉原と神保町を散歩。スペイン組は別府の1日を楽しんでいるようだ。

12/24/火
クリスマスイブだ。スペイン組は別府航路から帰って大阪で妻の両親の老人施設に寄ってから東京に戻る。イブはスペイン組の宿舎にこちらが招待された。湯島天神の近くのマンスリーマンション。散歩で行ける距離だが荷物があったので御茶ノ水駅前からタクシーに乗る。500円。宿舎に行くのはぼくは初めて。リビングは広く応接セットと大きなダイニングテーブルがある。寝室もかなり広くダブルベッド2台とエキストラベッドが入っている。6人家族で小学生2人がいるからこれで充分だ。上野の駅で買ったというお総菜が中心だが、和やかなイブの食事。帰途は歩いて帰ったが真冬らしい寒さになってきた。

12/25/水
クリスマス。スペイン組は上智大学のイグナチオ教会のミサに参加。次男が上智大学に在籍していた時に一度だけ教会の中に入ったことがある。だが教会はその後、建て替えられたようで、新しい教会には行ったことがない。あとで長男が撮った写真を見せてもらったが、なかなかの規模の教会だ。スペイン組は全員がカトリック教徒だ。嫁さんと四人の孫たちは赤ん坊の時に洗礼を受けた。長男はスペインの教会で結婚式を挙げることになったのでにわかに入信しただけ。昼のミサから彼らが自宅に来たのが2時くらいで、それから昼と夜兼用のディナー。いつも年末は浜松の仕事場ですごすので、東京で年末を迎えるのはいまの住居に引っ越して初めてのことだ。引っ越し荷物のままでしまってあったグッズで食卓を飾る。妻の手作りの料理と、本日午前中に伊勢丹で買ったものなど、ケーキは手作り。妻がホールケーキを作るのも引っ越して初めてのこと。この集合住宅はオール電化なのでガスオーブンがない。それでも何とかケーキができていた。長男夫婦と4人の孫。日本語が通じない孫たちだが、それでも空気は伝わるので和やかなクリスマスの食事会になった。彼らが帰る時に別れがたく感じたので一緒に外に出た。結局、神田明神と湯島天神に出向いて、彼らの宿舎まで送っていくことになった。8000歩。少し疲れた。

12/26/木
スペイン組は妻とともに美容院。妻が通っているのは池上線の先の方の美容院。なぜそんなところに通っているのかぼくは知らない。スペインの3人娘と嫁さん、長男はカットをしたのか。とにかく一日中外出していたので、こちらはひたすら仕事。仕事といっても出版のあてのない大作だが、死ぬまでに大作を何本か書いておきたい。死にそうになった時に競売にかければと思うが、ダメでも電子書籍にはなるだろう。ネットにファイルをアップしておくだけでもいい。いま書き始めたのは紫式部が政界の黒幕になっていく物語で、その構想は去年出した集英社新書『源氏物語を反体制文学として読んでみる』に書いてあるのだが、もう少し小説としての色をつけたものにしたい。そのため安倍晴明を登場させる。陰陽道に関する資料などを読んでいる。道教には昔から興味があってある程度の資料はある。完成までに一年以上かかるので、とにかく完成させてから出版の方法を考えたい。

12/27/金
スペイン組は長男がブリュッセル留学していたころの知人のところに一家を連れていった。嫁さんもブリュッセルにしたので交流はあったようだ。その人が海老名にいるということだが、海老名は遠い。1日がかりの遠出になる。ということで、こちらは静かな1日。年末年始は浜松の仕事場で過ごすのがここ何十年かの慣例になっている。とくに次男が四日市に赴任してからは、もう浜松の年末年始は動かしがたい慣例になっていた。今年はいつも夏に来るスペイン組は年末に来たこともあり、次男のところは長男が入試なので浜松に来ないと言われていたので、われわれも東京で過ごすことになった。で、年越しはどうするのかということになるのだが、クリスマスディナーのあとで長男の長女が何気なく、ママの誕生日はどうする? とつぶやいた。そうだった。長男の嫁さんは大晦日が誕生日なのだった。スペインでは1月6日が最大のお祭で、サンタクロースの代わりに1月5日の夜に東方三博士がプレゼントを届けてくれる。われわれも1度だけスペインで年末を迎えたことがあるのだが、紅白歌合戦もなければ初詣もない。ただ年越しの時に教会の鐘が12時の時間を告げるので、その12回の鐘の音に合わせてブドウを12粒食べる慣習がある。そのため袋に12粒ブドウが入ったものが売られている。ぼくもその12粒のブドウを与えられたのだけれど、鐘の音とともに食べるのは無理だった。スペイン人はブドウを食べる時、皮も種も吐き出さない。ほぼ丸呑みでブドウを食べるので、鐘の音に合わせることができるのだ。しかしここは日本だから、スペイン組が来ても年越しソバを食べるだけでいいだろうと思っていたのだが、嫁さんの誕生日なので、ケーキが必要だ。クリスマスのケーキは妻が作ったのだが、もうめんどうだというので、御徒町のマツサカヤに出向いてケーキの予約。ついでに中華のオードブルを予約した。お節はすでに予約してあるので、これで年末年始を乗り切れるだろう。

12/28/土
妻とスペイン組は新宿タカシマヤで買い物。こちらは1日中自宅にいた。まあ、資料を読んだり、パソコンの前に座っていた。『光と陰の紫式部』という作品を書き始めている。出だしのところを何回も何回も書き直している。こうやって、これだ、という文体をつかむ。長篇小説を書き始める時は、いつもこんな感じだ。この作品は紫式部の一生を描くことになるので、500枚くらいの長篇になるだろう。来年1年では完成しないかもしれないが、できれば半年くらいで目途をつけて、次の作品にとりかかりたいと思っている。今年書いた柿本人麻呂や紫式部といったテーマでは、本は売れないだろう。売れない本は出すこともできない。これまでもぼくの本は売れなかった。作品社と河出書房新社のご好意で本を出してもらってきたが、いまの出版事情ではそれも難しくなってきた。どこかで1つ、売れるテーマで歴史小説を書かねばならぬと考えている。が、それは少し先のことでいい。とりあえずはいま書きたいものを書いて、作品をいつくつ取り揃えておきたい。もはや老人なので流行作家のような仕事はできないのだが、とにかく書き続けていないと腕が落ちるので、来年もひたすら書き続けていきたいと考えている。

12/29/日
今日はどういうわけか長男が一人でやってきた。長女の大学受験のことなどを話し合った。長男はピアニストだが、アラゴン高等音楽院というところで教授の職に就いているので収入は保証されている。嫁さんも地方の音楽院で公務員をしている。ダブルインカムだが、子どもが4人いるので生活は厳しい。そうした生活の状況を話し合った。ぼくには孫が6人いる。スペイン組が4人、四日市組が2人。彼らの将来のことを気にかけているし、少しは援助したいと思っているが、こちらはすでに定年退職した身だし、今年は文庫本が1冊出ただけなので、大きな援助はできないのだが、それでもできるだけのことはしたいと考えている。まあ、具体的なことは少し先になる。スペインは9月から新学年なので、受験はこれからということになる。さて、そういう子どもや孫のことも気にかかるのだが、そしてもちろん、自分の仕事のことも考えなければならないのだが、いまのぼくの最大の関心は、Footballだ。アメリカの日曜日、日本時間で明日の明け方、シーズンの最終戦がある。それからSUPERBOWLに向けてのプレーオフと呼ばれるトーナメントが始まるのだが、出場できるのはAカンファとNカンファそれぞれ6チームずつ。6チームでカンファの優勝チームを決め、そのカンファ優勝チームが対決するのがSUPERBOWLだ。6チームのトーナメントだから、2チームが不戦勝となる。さらに予選から決勝までどの球場でやるかを決めるのがシード順位というものだ。シード1位となると1回戦は不戦勝。準決勝と決勝もホームゲームになるのでかなりのアドバンテージがある。東西南北の4地区の地区優勝チームを勝率順に並べて第1シードから第4シードまでが決まり、残りチームの勝率上位2チームが第5、第6シードとなる。初戦は3位対6位、4位対5位が戦い、勝ったチームのうちシードの低い方がシード1位と当たる。ところが今シーズンのNカンファはワイルドカードと呼ばれる5位または6位のチームの方が、東地区の優勝チームより遙かに勝率が上なので、シード1位になる準決勝でワイルドカードのチームに当たってしまう。まあ、そういった微妙なところもあって、どんなシード順になるかが気にかかるところなのだが、その微妙なシード順が明日の朝、決まることになる。Aカンファーはシード6位となるワイルドカードのチームが決まっていない。最終戦の前の順位はタイタンズ、スティーラーズ、レイダーズということで、上位チームが勝てば問題は生じないのだが、両チームが負けてレイダーズが勝った場合には3チームが勝率で並んでしまい、その場合はそれまでの対戦チームの成績が絡んでいるのでとても複雑な計算が必要になる。すでにあらゆる勝ち負けを想定した表ができていて、明日の戦績によって自動的にプレーオフ出場チームが決まるのだが、ぼくはいちおうスティーラーズのファンなので、応援したいと思っている。ところが明日のスティーラーズの対戦相手がシード1位のレイブンズなので、勝てそうにはないのだが、すでにシード1位を決めているので、明日は主力を温存することになるのだろう。その2軍を相手に勝てる。2軍相手に負けるというのはとても恥ずかしいことだ。Nカンファの方は、シード1位から3位が並んでいる。49ナーズ、パッカーズ、セインツの順だ。いまシード1位につけている49ナーズは、最終戦でシーホークスに負けると地区優勝も逃してシード5位になってしまう。49ナーズも応援しているので、微妙なところだ。とにかくどんなシード順になるか、明日の朝の結果を見るまではドキドキが続くことになる。夕刻、スペイン組が自宅に集合。嫁さんと孫たちは原宿に行ったそうだ。3人娘がモデルにならないかとスカウトらしい人につきまとわれたそうだ。確かに3人ともハーフであり、とてもかわいい。日本にいるなら売り出してもいいのではないかと思われる。しかしスペインに帰れば十人並みと器量というべきだろう。ただスペイン人はマンガやアニメの影響で東洋的な顔立ちに憧れているので、彼女たちはスペインでも可愛いと思われるかもしれない。末の男子はキャプテン翼みたいな風貌だ。

12/30/月
いよいよFootballのシーズン最終戦。これでトーナメントのシード順が決まった。Aカンファの最後の1枠はタイタンズが勝ってすんなり決まった。ペイトリオッツが負けたのでチーフスが第2シードに上がった。ペイトリオッツは初戦から出場することになる。Nカンファの西地区の直接対決は49ナーズが接戦に勝利して第1シードになった。シーホークスは残り数秒、あと1インチというところで届かなかった。しかしシーホークスは第5シードでトーナメントに出場するので、カンファ準決勝でまた49ナーズと当たることになる。ぼくが応援しているセインツは第3シードとなり、初戦から戦うことになったが、バイキングスが相手で、準決勝はパッカーズと、楽な対戦相手になった。決勝で49ナーズとシーホークスの勝者と戦うことになる。Aカンファは第1シードのレイブンスは楽に決勝まで勝ち上がる。チーフスはペイトリオッツと当たることになる。順当ならばレイブンス対チーフスの決勝。SUPERBOWLは第1シード同士ならレイブンス対49ナーズということになるが、ぼくはチーフスとセインツを応援しているので、どちらかが勝ってSUPERBOWLに出場してほしい。SUPERBOWLは品川の水族館に行き、それから回転寿司ということで、われわれとは別行動。つかのまの静けさ。明日の大晦日はスペイン組と紅白歌合戦を見て、真夜中に神田明神に出向くことになるだろう。

12/31/火
大晦日。妻は御徒町のマツサカヤで買い物。妻は長男を呼び出して荷物をもたせて帰ってきた。こちらは自宅待機。頼んだお節がいつ届くかわからないため。昼食のあと、今度はぼくだけがマツサカヤへ。頼んだバースデーケーキをとりにいく。大晦日が誕生日だという嫁さんのため。嫁さんはスペイン人だからスペインの名前。スペルはこれでよかったかとやや心配。年齢はと訊かれた。嫁さんは長男と同い年。子どもではないので歳の数だけロウソクを立てるということもない。外に出るとすごい風。もっているケーキがあおられそうなので、往路は徒歩だったが、帰りは千代田線に乗る。電車はすいている。夕刻、スペイン組が到着。本日はマツサカヤで買ったものを並べる。寿司と中華オードブル。紅白歌合戦を最初から見る。最初の歌が「パプリカ」。スペインの子どもたちも滞在中、夕方の子ども番組を見ていたようで歌を憶えている。夕食のあとはケーキ。それから年越し蕎麦。日本の年末。除夜の鐘をテレビで見てから神田明神に向かう。考えが甘かった。周囲の道路は交通規制が敷かれ、道路にディズニーランドのアトラクションみたいな、迷路のごとき縄張りが用意してある。そこに大群衆。迷路から外れて歩道を進み、鳥居の前まできて、鳥居から本堂にかけての大群衆の人並みを見物。参拝はその場からの遙拝とする。スペイン組の宿舎は湯島天神の近くなのでそちらに向かう。天神前の道路も規制されていたが、人並みは神田明神ほどではない。行けそうだと判断して境内へ。人は多かったがわりとスムーズに参拝できた。子どもたちはお守りなども買って、無事に宿舎に帰り着く。こちらはまた自宅まで徒歩で帰る。これで今年も終わりだ。今年は3月に定年退職というイベントがあった。諸手続や研究室の資料の引っ越しなど、実務上の困難があったが、すべてクリアーして退職できた。まずそのことを喜びたい。自分の仕事としては『夏目漱石の青春小説』と『人麻呂しのびうた』を書き上げたが、いまだ出版の見通しが立っていない。自分の書き手としての人気が衰えたのか、出版事情が悪化したのか。たぶんその両方だろう。書いた文章には自信があるのだが、商品価値がないと言われれば、そんなものかなとは思う。とりあえず書く喜びはあったのでそれでよしとする。書いたものは腐るわけではないし、長い目で見れば価値のあるものだという確信があるので、世の中の趨勢に変化が生じるまで手元に置いておきたい。すでに次の作品に取りかかっているので、書いてしまった作品からは自分の気持が離れてしまっている。筆一本の専業作家だと、書いたものがお金にならないと行き詰まってしまうところだが、幸いこちらは定年退職した身なので、生活に困窮するわけではない。まあ、来年も自分のペースを守ってのんびりと仕事を進めていきたい。


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