11月に進む
月末
10/02/木
日本歴史時代作家協会の代表代行をつとめている。この会の準備会があった時、放射能の雨が降っていた。2011年の震災の直後だ。すると今年で14年になるのか。協会賞の新人賞、文庫新人賞、作品賞の選考も10年くらいやっている。当初は評論家の秋山駿さんが選考委員長だったが、お亡くなりになったのでぼくが引き受けることになった。毎年、十数篇の歴史時代小説を読むのは、楽しいし、勉強にもなる。この年齢で勉強しても仕方がないのだが、知らなかったことを知るというのは楽しい体験だ。今日はその協会の女子グループの発案で、江戸時代の菓子についてのレクチャーの会があり、その打ち上げの懇親会があるというので、その飲み会にだけ出席した。徒歩で10分のところなので参加することにしたのだが、楽しい会だった。酒3種とツマミ3種。それで終わりと思っていたら二次会があって、「濃いめハイボール」というのを3杯飲んでしまった。まあ、歩いて帰れるので問題はない。定年退職した老人が孤独になるという話をよく聞くけれども、ぼくの場合は、この協会と文藝家協会、それにSARTRASがあるので、けっこう多忙だ。小説家一筋だと孤独になりがちだが、大学の先生もやっていたので、さまざまな出会いがあった。ありがたいことだと思っている。ぼくはどちらかというと、引きこもりがちな人間で、高校時代に学校に行かなくなったこともあったのだが、友人たちに恵まれて孤独ではなかった。大学でも、就職した職場でも、人との関係は良好だった。それでもパソコンに向かっている時には、安堵感を覚える。孤独が好きなのだと思う。とはいえ妻に支えられて生きているし、孫にも楽しませてもらっている。
10/03/金
SARTRASの共通目的委員会。ガイドラインなど申請の条件や、その申請を委員会の会議にかけるまでのプロセスについての議論。ぼくは事前に説明を受けているのでとくに質問することもなく、意見の提示も他の委員の方々に任せたので発言せず。ただ鋭い疑問や意見を提出する人もいて、聞いているだけで疲れた。ぼくはこの委員会で最初から副委員長をつとめている。スタート以来、皆勤の委員はぼくだけだろう。まあ、少しでもSARTRASという組織が前進できるように見守っていたいと思っている。明日、滞在中の孫の母と妹が来日するのだが、上海で乗り得る。それもトランジットではなく、一度荷物を出してから離れたところにある別の空港に移動して搭乗手続きから始めないといけないという段取りらしい。いま中国は国慶節で道路は混雑し空港は長蛇の列、という映像がニュースで流れたりしているので、無事に乗り換えができるか心配している。
10/04/土
長男の嫁さんと次女が来日する。上海での乗り継ぎに4時間の余裕をとっていたのだが、バルセロナからの出発が1時間半遅れとなって最初からピンチだった。上海では別の飛行場に移動しなければならず、荷物を受け取ってから空港の外に出て、移動してチェックインというプロセスを、国慶節の混雑のなかでうまくいくか、心配したのだが、タクシーで移動してチェックインカウンターまで走ったとのことで、ギリギリでセーフだったらしい。しかし上海での移動中はWi-Fiが使えないので経過がわからなかったのだが、チェックインして飛行機に乗り込む直前に連絡があって、無事に乗れることがわかった。わが妻と孫が羽田まで迎えにいって、とにかく戻ってきた。よかった。あとはスペイン語の世界になったのでこちらは関与できない。二人は近くのホテルに入ったので、あとは孫に任せておけばいい。
10/05/日
何事もなし。のんびりと野球を見る。大谷くん勝利投手。佐々木くんセーブ。言うことなし。夜はスペインの皆さんが来たので住んでいる共同住宅の別館にある寿司屋で夕食。最近どの店もテーブルごとにQRコードがあって、スマホで注文するようになっている。スペイン語が飛び交っているので注文までのプロセスが大変だ。注文したあとで、自分の生ビールを忘れていたことに気づき、自分のスマホで注文した。できた。偉い。明日はまた孫は早起きして研修に行くのだが、明後日からは休みだそうだ。母国から家族が来ると休みがとれるシステムになっているらしい。よいことだ。
10/06/月
田園都市線がストップ。孫の研修先があざみのから横浜地下鉄で行くところなので、通常のコースでは行けない。幸い横浜のみなとみらいで学会があって、東海道線で横浜に行く方法を教えておいたし、横浜の地下鉄は横浜駅に通じていることも伝えてあったので、行けたと妻に連絡があったそうだ。孫も東京での暮らしが一箇月になるので、交通機関にも慣れたようだ。明日はチーフス対ジャガーズという大事な試合があるが、それ以外の試合は終わった。中継でペイトリオッツがビルズに勝つところをリアルに見た。QBのメイがすごい。追い出されたマック・ジョーンズも49ナーズでがんばっている。ジャイアンツを追い出されたダニエル・ジョーンズもコルツでがんばっている。そのジャイアンツは新人QBダートの2戦目だが、全敗のセインツに負けた。カーディナルスが全敗のタイタンズに負けた。ドラ1ウォードの初勝利。全勝のイーグルスはボー・ニックスのブロンコスに負けた。ということで、全勝チームがいなくなった。全敗チームはタイタンズとセインツが勝ったので、何と全勝チームがゼロ。全敗はジェッツだけになった。ジェッツの来週の相手はブロンコス。これは負けそう。その次がヤングのパンサーズなので、ここで勝っておかないと、連敗がどこまでも続いていくことになる。
10/07/火
今日は少し早起きをして野球を見る。ドジャースの相手のフィリーズはファンの熱気がすごい。フィラデルフィア・イーグルスのファンの声援もすごいけれど、野球のファンもすごい。しかし投手力も打力もすごい。劣勢だろうなと思っていたら、0対0の投手戦になった。ランナー三塁からショートゴロでホームのタッチプレイ。ショートの送球がわずかに逸れてセーフとなった。その後、大谷のタイムリーも出て、ややラッキーな4点が入った。ところが9回に1点差に迫られてなおノーアウト2塁というところで、フィリーズはバント。高校野球みたいだ。ドジャーズの守備もサードがダッシュして、カバーに入ったショートに送球。こんな練習、ふだんからやっているのだろうか。このアウトが大きかった。次にヒットが出たので、バントなどしなかったら同点になっていた。併殺崩れで2アウト1・3塁の局面で佐々木。相手は首位打者。とにかく速球をストライクゾーンに投げ込んだら、打ち損じのセカンドゴロ。ところが一塁への送球がショートバウンド。これをファーストが奇蹟的にちゃんと確保してゲームセット。チーフスがジャガーズに負けたので喜びも半分だが。Footballは5週が終わった。Aカンファ東はビルズの独走かと思っていたら、ペイトリオッツに負けて、2敗のペイトと1ゲーム差。同地区の対決はあと1試合あるので、これにペイトが勝つと首位に躍り出る。こんな接戦になるとは思わなかった。今シーズンのペイトリオッツは守備が際立っている。北はレイブンズがまさかの不調。ベンガルズもバローの負傷で連敗が続く。ブラウンズはもともとビリ候補だが、3チームがビリを争って、老雄ロジャースのスティーラーズが独走しそうな感じになっている。南は期待していなかったのだが、コルツとジャガーズがともに4勝1敗で首位争い。西はチャージャーズとブロンコスが3勝2敗。チーフスは2勝3敗で3位。この時点でのシード順は、1敗はビルズ、コルツ、ジャガーズ。バイウィークが入ったスティーラーズも1敗。2敗がペイト、チャージャーズ、ブロンコス。これで7チームになったので、チーフスは圏外。レイブンズ、ベンガルズはほぼ絶望。まったく予想外の事態となっている。Nカンファは東のイーグルスが1敗、コマンダーズが2敗で追う。北はライオンズが1敗で、パッカーズが1敗1分。他のに2チームも2敗と激戦。南は1敗のバッカニアーズが独走。西は49ナーズが1敗。シードは1敗がイーグルス、ライオンズ、バッカニアーズ、49ナーズ。きれいに4地区に分かれた。1敗1分のパッカーズが続き、2敗はコマンダーズねバイキング、ラムズ、シーホークス。これで9チームなので、残りは圏外。怪我人だらけの49ナーズは、マック・ジョーンズで快調。コルツのダニエル・ジョーンズも復活した。不振で首になった選手が移籍で復活するというのは喜ばしいことだ。バッカニアーズのメイフィールド、シーホークスのダーノルドも、移籍で復活した選手だ。チーフスの不振は長びいている。次週のライオンズには勝てない。2勝4敗の状態で、出場停止だったライスが復帰する。そこから連勝が続くと希望をもっている。
10/08/水
大リーグのプレーオフで大谷のいるドジャーズがフィリーズと対戦しているのだが、現地の土曜(日本では日曜朝)が第一戦で、一日置いて、月曜日に第二戦があった。佐々木投手はこれで二戦連続でセーブを挙げたわけだが、実際は中に一日休みがあったので、連投ではなかった。これは佐々木投手にとってはありがたいことだったが、なぜ一日休みがあるのかわからなかった。が、考えてみれば、現地の日曜日にはFootballの試合があるのだね。フィラデルフィアはイーグルの本拠地で、日曜日にはホームゲームがあった。ブロンコスにまさかの敗戦で開幕からの連勝が止まってしまったのだけど、イーグルスはスーパーボウルの覇者だから、野球よりも人気があるし、スケジュールはずっと前から決まっている。プレーオフの日程はプレーオフ出場が決まってから組まれるので、Footballを優先して一日空けるしかなかったのだ。もちろんFootballのスタジアムと野球場は別の施設だけれど、近くにあるので観客は車で出かける。だからFootballと野球の試合を同時になやれば道路がパンクしてしまう。で、野球は佐々木が連続セーブを挙げたのでフィリーズが2連敗、間に挟まったイーグルスも負けたので、フィラデルフィア市民はまさかの3連敗だったわけだ。
10/09/木
Aカンファ北はダントツのビリ候補のブラウンズを除いて3チームの地区優勝争いが激戦になると思われたのに、レイブンズはQBラマ―・ジャクソンの怪我、ベンガルズはQBバローの怪我で、連敗が続いている。老雄ロジャースのスティーラーズだけが何とか勝ち越しているという状態だったが、動きがあった。ブラウンズはスーパーボウルで勝ったこともある元レイブンズのフラッコを先発にしていたのだが、インターセプトが多くて先発から外され、新人のガブリエルを先発に起用した。ブラウンズにはもう一人、新人のサンダースも控えている。というわけで完全に余ってしまったフラッコが、電撃移籍でベンガルスの先発として起用されることになった。フラッコは昔気質のQBで、ひたすら投げまくるだけだ。オフェンスラインがしっかりしていないとインターセプトを連発することになる。しかしベンガルスはバローが健在だった開幕2試合では連勝した。フラッコで生き返るようなことがあるのかもしれない。注目すべきだろう。そういえばバローが入る前のベンガルズの先発はダルトンだった。ダルトンはいまどこにいるのかな。パンサーズでヤングの控えをやっているのか。どうせならダルトンを戻した方がよかったのではと思うのだが。だが現在1勝4敗のブラウンズのその1勝はパッカーズに勝ったものだ。次週のベンガルズの対戦相手がそのパッカーズ。パッカーズ相手ならフラッコで勝てるという、短絡的な電撃移籍ではないかという気もする。とにかくシーズンの真っ只中で、開幕から先発だったQBが移籍するのは、珍しいことだ。ブラウンズもドラフトで新人QBを2人もとってしまったので、ベテランを放出したがっていたのだろう。
10/10/金
大リーグは0対0の投手戦。フィリーズが1点先取したもののその裏にドジャーズも押し出しで同点。すると8回から佐々木を投入。1対1の均衡が続いて結局佐々木は3回投げて1人のランナーも出さなかったがドジャースもまったくチャンスがなかった。延長戦になってドジャースは2死満塁だが、9番バッターがピッチャーゴロ。チャンスがついえたかと思えたのだが、ピッチャーがボールを弾いて、慌ててホームに投げたら悪投。投手エラーでサヨナラ勝ちとなった。ドジャースの得点は押し出しと投手エラーで、何とも冴えない勝ち方だが、佐々木の3イニングのパーフェクトなリリーフが勝因だろう。チャンネルをFootballに切り替えると、何とジャイアンツの新人QBと新人ランニングバックの大活躍で、スーパー覇者のイーグルスに圧勝。フィラデルフィアのスポーツファンは先週末からの悪夢が連続していて、野球はもう敗退が決まった。イーグルスはまだ首位だが、コマンダーズに並ばれる可能性は大きい。名古屋に行っていた妻が本日帰ってくるか。SARTRASの役員会は一回発言しただけ。
10/11/土
孫とその母と妹は、中部地方に一泊旅行。われわれが住んでいる集合住宅のゲストルームに泊まってそこから出発したので感知していなかったのだが、6時発の新幹線に乗って、無事に白川郷に到着したようで、ラインで写真が送られてきた。こちらは歴史時代作家協会の打ち合わせ。まあ、楽しい飲み会だった。飲み会はどんな場合も歓迎する。
10/12/日
一泊の旅行に出かけていたスペインの人々が帰ってきたので、近くのカレー屋で夕食。孫の母と妹は明日、スペインに帰る。孫は残る。明後日からはまた毎日研修に出かける日々が戻ってくる。孫が来てから一ヵ月半になるが、日本語が急速にうまくなった。
10/13/月
孫の母と妹がスペインに帰る。成田まで送っていく。無事に搭乗口に向かう。スペイン人は家族と親戚を大事にする。情が篤い。昔の日本も家族を大事にしていたのだが、そうした風潮は急速に失われてしまった。大都市に人が集まり、郷土のコミュニティーから切り離されてしまうと、人は孤独に生きるしかない。夫婦と子どもという単位も、熟年離婚が増えていることからもわかるとおり、強い絆で結ばれているわけではない。で、別れ際にスペインの家族は愁嘆場になる。こちらは明るく手を振るだけだが、この一週間ほど、嫁さんと孫と密接に関わってきて、自分のスペインの家族のなかに組み込まれていることを感じた。やれやれ。孫1人は残って、まだ長い研修期間が続いていく。
10/14/火
昨日は成田空港にいる間にスマホでチーフス対ライオンズの経過を追っていた。チーフス快勝。開幕から6戦目まで、近距離のパスキャッチャーのライスが出場停止なので、この期間を3勝3敗できりぬければと思っていたのだが、何とか予定の範囲内だった。ただチャージャーズ、ジャガーズに負けたのは想定外。逆に強敵と思われたレイブンズが怪我人続出でボロボロになっている。本日の対戦相手のライオンズは開幕戦でパッカーズに負けたものの、その後は5連勝で調子を上げているので、接戦が予想されたのだが、ケルシーが調子を上げてきたのと、ワーシー、スミスシェスター、ブラウンと、レシーバーが揃っているので、マホームズのパスを投げ分けることができる。来週、ライスが加われば、連勝が続くことになるだろう。さて、本日はマンデーナイトが2試合あって、6週が終わった。ビルズとイーグルスがまさかの2連敗で、シード1位争いは渾沌としてきた。ざっと見ていくと、Aカンファ東はペイトとビルズが2敗で並んだものの直接対決でペイトが勝っているのでペイト首位という意外な状況になった。2年目QBのメイが急速に実力を上げている。南は1敗のスティーラーズが独走。ロジャースは怪我をしなければこのまま地区優勝するだろう。南はコルツが1敗。ジャイアンツをクビになったダニエル・ジョーンズが見事に復活した。2敗のジャガーズが追う。西はチャージャーズとブロンコスが2敗だが直接対決でシャージャーズが勝っている。チーフスは3勝3敗だがまだ3位と苦しい位置にいる。シードはコルツが1位、バイウィークのあるスティーが半ゲーム差で追う。2敗のペイトとチャージャーズ。ここまでが地区優勝候補。ワイルドカードは2敗のビルズ、ジャガーズ、ブロンコス。これで定員がきっちり埋まった。チーフスはまだ圏外にいる。Nカンファ東は2敗したもののイーグが首位、来たは1敗1分のパッカーズが首位だが、ライオンズが半ゲーム差で追う。さらにバイキングスとベアーズも3勝2敗と勝ち越している。南はバッカニアーズが1敗、ファルコンズが2敗。この地区は負け越しでも地区優勝というレベルの低いところだったがバッカニアーズが覚醒したようだ。西はラムズ、シーホ、49が4勝2敗で並んでいる。シード1位はバッカニアーズ。続いて1敗1分のパッカーズ。4勝2敗のイーグルスと西地区の3チーム。これで残り1枠となってしまった。これで7つの枠がきれいに埋まった。
10/15/水
どういうきっかけかわからないのだが、昔書いた『新釈白痴/書かれざる物語』という自嘲を読み始めたら止まらなくなって、一気に読み終えてしまった。何を書いたか完全に忘れていたので、とにかく面白かった。なぜこんなものを書いたのかもよく思い出せないのだが、ドストエフスキー四部作の二番目であることは確かで、何か書かねばならなかったことは確かだ。学生時代に米川正夫版のドストエフスキー全集をもっていて、そこには創作ノートが収録されていた。高校時代に小林秀雄の白痴論を読んでいて、そこには現行の作品とはまったく別のキャラクターを主人公として『白痴』というタイトルの作品の構想が書かれていることは知っていた。そのことがあって創作ノートを読み進むうちに、確かにこちらの方が面白そうだとは感じたが、それ以上のことは何もなかった。で、四部作の二番目を書くにあたって、この作者によってボツにされた創作ノートの構想を復元するということを思いついた。結果としては、創作ノートの主人公のキャラクターを活かしながら、原典の登場人物も出てくるハイブリットのような作品になったのだが、よくこんなものを書いたなという気がする。考えてみれば自分のこれまでの作品は、すべて、よくこんなものを書いたな、と思うようなものばかりだ。本が売れるとか、評判になる、といったことを考えずに、思いついたら書く、ということをやってきた。ぼくと共犯関係にある出版社と編集者がいたから出来たことだ。編集者に感謝するしかない。しかし結果としては本がまったく売れなかったので、大学の先生などをやって糊口を凌ぐことになった。まあ、それもいまから思えば楽しい体験だった。センター試験の総責任者、みたいなこともやった。よくやったな、と思う。いまから振り返ると自分の人生のすべては、よくやったなということばかりで、いまスペイン人の孫といっしょに暮らしていることも、大きな運命の流れに乗せられていると感じられる。で、今日はドジャースの試合を最後まで見てしまった。ひまなのだね。
10/16/木
SARTRAS理事会。やや意見が飛び交ったが、こちらも一回だけ長めの発言をして、無事に議案が通過した。これで役目を果たせた。涼しくなったが湿度が高く歩いていると汗ばんでくる。今年の夏は暑かった。孫が来た時は猛暑の最中だった。ようやく秋の気配。と思ったら、居住している集合住宅の周囲で電飾の明かりが点った。もうクリスマスムードだ。孫が驚いていた。
10/17/金
『新釈白痴』を読んだので、『新釈悪霊』も読みたくなった。90歳くらいになったら、自分の書いた作品を読み返したいと思っていたのだが、それまで生きているかわからないし、生きていてもボケているだろうから、もう少し早めに読み返してもいいかと思っていた。これらの作品は自分の60歳くらいの時のもので、いまよりも頭が回転していたのかもしれない。去年出した『デーヴァ』もなかなかの作品だと思っているのだが、『新釈悪霊』はまさに、よくこんなものを書いた、というような作品だ。冒頭の飲み屋のシーンで、ニコライ、シャートフ、ピョートルという幼なじみの三人と、まったく関係のないキリーロフが同席する。ここから話が始まっていくわけだが、このオープニングはなかなかいい。そこからどういうふうに展開していくのか、まったく記憶がない。後半はドストエフスキーの原典をなぞっているだけで、ストーリー展開はわかっている。前半は、原典では過去の回想として断片的に語られたエピソードをシーンとして復元してつなぎあわせているのだが、それを小説らしく展開させていくのが、こちらの狙いでもあった。うまくいっているかどうか、読んでいきたいとは思っているのだが、自分のいまの作業も進めないといけない。いまは歴史時代作家協会のホームページに「女が築いた日本国」という連載を週に1回送信している。それと『日本武尊』のプリントをチェックしている。赤字はほとんど入っていないので、チェックが終われば一両日で赤字の入力は終わり、完成ということになるのだが、出版社のオファーがあるわけではないので、ただちにデッドストックとなる。しかしデッドストックをいくつかもっているのは、ぼくのような老人作家にとっては必要なことで、ぽっくり死ねば遺作ということになるし、何かの拍子で奇特な出版社が現れることもあるだろう。ただ紙の本にしたいという思いはある。孫娘が友だちと新宿へ出かけていって帰りが少し心配。ぼくの子どもは男二人なのでこういう心配はしたことがなかった。夜中近くに元気よく帰ってきた。
10/18/土
孫を連れて銀座を散歩。日比谷公園のガーデニングフェアーを見て、ミッドタウンのテラスから皇居方面を眺める。孫は来週から豊洲の病院に通うので、日比谷駅で乗り換えの経路を説明する。以前に一度、実際に豊洲まで行って、そのあとぼくが勤めていた武蔵野大学の本部のあたりを散歩したことがあるので、大丈夫だと思う。昨夜はビデオに録ってあったスティーラーズ対ベンガルズ戦を見た。41歳のロジャースと40歳のフラッコ。老齢QBの対決は見応えがあった。ブレイディーやロスリスバーガー、昔のマニングやもっと昔のモンタナもそうだったのだが、ラインに守られてただパスを投げるだけの仕事だった。いまのQBはやたらと走り回る。たまに走るのはいいのだけれど、とりあえず走って、たまに投げるというQBは、見ていておもしろくない。ロジャースとフラッコ。どちらもスーパーボウルを制覇したことのあるQBだ。野球も見た。大谷の10奪三振と3ホームランもしっかり見ていた。この1試合だけの活躍でMVPをとってしまうのだからすごい。
10/19/日
『新釈悪霊』を読んでいると学生たちが議論をしている。その議論を聞いていると、ぼく自身の学生時代を思い出す。というか、書いているのはぼくだから、ドストエフスキーの時代にかこつけて、自分の学生時代を振り返っているのだろう。ドストエフスキーの時代というのは、農奴解放の直後だ。19世紀の後半に入ったこの時代は、日本では明治維新、アメリカでは南北戦争、そしてロシアでは農奴解放があった。いずれも土地に縛りつけられていた農民に自由が与えられた。農民が土地に縛りつけられていたのでは、新たな産業は起こらない。工場を建てても労働者がいなければ作動しない。労働力の流動性というのが、産業革命の必須の条件なのだ。アメリカではすでに産業を起こそうという資本家がいて、リンカーンに政治献金していた。その資金で武装を強化したリンカーンは奴隷を解放し、綿花の輸出を制限した。奴隷を解放すると労働力は工業地帯に移動するしかなく、労働賃金が暴落する。輸出制限で綿花の価格も暴落する。ただ同然の労働力と原材料を得たアメリカの産業は急成長して、今日のような隆盛を築くことになる。日本はアメリカほどではないが、八幡製鉄や富岡製糸場を造って、産業を起こした。ところがロシアでは、贅沢をする貴族はまだ存続していた。資本をもつものが積極的に投資をしないと産業は成長しない。革命を起こして資本を国家管理にして経済成長を目指すというマルクスの理論は、学生たちに夢を与えた。ロシア革命が実際に起こるのは20世紀になってからだが、皇帝暗殺という事件はドストエフスキーが生きているうちに起こる。だがすでに作家の命は尽きようとしていた。ぼくの『続カラマーゾフの兄弟』はその皇帝暗殺という史実を作品の終幕に採り入れている。『新釈悪霊』はその前段階の時代の学生たちの苦闘を描いたものだが、皇帝暗殺に加担した女性革命家のヴェーラ・フィグネルがまだ少女として、無政府主義の英雄バクーニンと言葉を交わすシーンがある。そこだけは書いた記憶がある。ところでぼくの学生時代というのは、すでに高度経済成長が始まっていた。革命を起こしたわけでもないのになぜ経済が成長したのか。敗戦という出来事のために、金持階級がいなくなり、資本を国家管理にして産業基盤に投資することができたからだ。そこにはアメリカの占領政策もある。財閥解体と農地解放というのは、まさにアメリカによって日本に革命がもたらされたことになる。これに新円の切り替え、預金の引き出し制限によって、資本のすべては国家管理になったのだ。郵便局という最大の金融機関を国家が統括していた。小泉首相の郵政民営化までは、日本はロシアや中国にも負けないプロレタリア独裁国家だったといってもいい。知らないうちに、マルクスの夢が実現していた。しかし70年前後の学生たちはそのことに気づいていなかった。ぼくは当時、すでに疑問を感じていた。衛星放送が始まって、革命の起こったロシアや中国よりも、日本の生活の方が豊かだということが画像で見えてきたからだ。大貧民がいないと、革命は起きない。ぼくの学生時代というのは、何か皆がトンチンカンなことをやっていた気がする。『新釈革命』に出てくるロシアの学生たちも大貧民ではない。大学に入っていること自体が大貧民ではない証拠だからだ。いまの日本は大学進学率が50%くらいで、貧民といっていい親をもった子どもでも、奨学金を貰って大学に入ることができる。しかし卒業後、正社員になれないと、一生かかっても返せないほどの借財を負って苦しむことになる。いまの学生の多くは「大貧民」の予備軍なのだ。70年前後の日本の学生も、大貧民ではなかった。とくに早稲田は私立だから、親は少なくとも中流だった。その点では、19世紀のロシアの学生とも通じるところはある。で、『新釈悪霊』の学生たちは議論をするのだが、けっこう正論を口にしている。皇帝暗殺からロシア革命まで、前向きに歴史が進んでいく。それに対して日本の学生運動は衰退の一途をたどることになった。ぼくがドストエフスキーの世界を再編しようとしたのは、一種の現実逃避かもしれないのだが、このドストエフスキー4部作では、大切なことが語られていると思っている。具体的に何が語られているかは忘れてしまっていたのだが、読み返してみるといいことが語られている。いいものを書いたと自画自賛したくなるが、書いたのはいまのぼくではなく、昔の自分だ。いま自分が書いている『日本武尊』もなかなかのものだとは思っているのだが。
10/20/月
孫はこれまで横浜の地下鉄のセンター南という駅にある病院で研修を受けていた。御茶ノ水から1時間半ほどかかっていた。今日からは豊洲の病院なので30分くらいで行けるはずだが、千代田線の日比谷で下りて有楽町線の有楽町駅まで歩く乗り換えのコースが心配だった。一度、いっしょに行って体験させたのだが、昨夜も念押しで地図を描いて説明した。わかってる、と軽く聞いていたが、その父親によく似て能天気なところのある娘なので、大丈夫かなと心配していたのだが、無事に病院に到着したようだ。これで明日からは安心できる。豊洲にはショッピングモールもあるのでそのことも教えておいた。さてチーフスは今日から出場停止だったライスが復帰してレイダーズ戦に臨んだ。早速2タッチダウン。めずらしい完封勝利だった。
10/21/火
第7週が終わった。地区優勝およびシード順の見透し。Aカンファ東。ペイトリオッツが勝って首位を守った。ビルズはバイウィークで試合がなかったので半ゲーム差がついた。2年目QBメイが長足の進歩を遂げている。ようやくペイトはチーム力が調ってきた。北はスティーラーズがベンガルズに負けたもののまだ首位を保っている。ロジャースも調子が悪いわけではない。ベンガルズは3勝4敗だが、移籍した老QBフラッコが2試合目にしてチームになじんだので、これからは勝ち星を列ねるかもしれない。南はコルツがジャガーズに2ゲーム差をつけている。ジャイアンツから移籍のQBダニエル・ジョーンズが別人のように活躍しているし、ランニングバックも好調で、1敗を守っている。つまりシード1位だ。西は2年目QBボー・ニックスのブロンコスが2敗、チーフスとチャージャーズが2敗。このまま混戦が続くだろうが、チーフスはレイダーズ相手に31対0で勝った。攻撃も守備も、突然、絶好調になった。まあ、ここはやがてチーフスの独走になるだろう。シード順は1敗がコルツ、2敗がペイトとビルズ、スティーラーズ、ブロンコス。残り2枠に3敗のジャガーズチーフス、チャージャーズ。チーフスは抜け出すだろうから、ジャガーズとチャージャーズのどちらかが脱落するだろう。Nカンファ東はイーグルス、北はパッカーズ、僅差でライオンズが追う。ただ直接対決ではパッカーズが勝っている。南は2敗のバッカニアーズを3敗のファルコンズとパンサーズが追う。西は激戦。2敗でラムズ、シーホークス、49ナーズが並んでいる。これでシード1位は1敗1分のパンサーズだがバイウィークも1つあるので、ほぼ2敗に等しい。イーグルス、ライオンズ、バッカニアーズ、ラムズ、シーホークス、49ナーズが横一線に並んでいる。すごい激戦だ。これでシードの7枠がきっちり埋まっている。4勝3敗のパンサーズ、引分やバイウィークで3勝3敗のカウボーイズ、バイキングス、ファルコンズは届かない。Nカンファは稀に見るドングリ背くらべになっている。
10/22/水
『新釈悪霊』には実に多くの実在の人物が出てくる。ドストエフスキーの原典を遡るという構想で書き始めたことは確かだが、ドストエフスキーが書いていない時代背景を描かないと、当時のロシアの読者ならわかることでも、日本の読者にはわからないし、何よりもぼく自身がわからなくなる。しかしぼくも当時の読者ではないので、そのころのロシアの現状は何も知らない。この本の発売は2012年だから、その前年、といえば武蔵野大学の専任になった年だ。大学の教員という激務をこなしながら、ロシアの歴史、ロシア文学の歴史、それからジュネーブで開かれたインターナショナルの第一回大会のようすなどが、登場人物の議論を通じて克明に語られることになる。ドストエフスキーはそんなことは書いていないので、書いているのは14年前のぼくということになるのだが、よく調べて書いてあるなと感心する。無政府主義者のバクーニンが、マルクスを批判している。これは調べて書いたことではない。ぼく自身のマルクス批判を登場人物に語らせているのだ。それにしても、いまの後期高齢者になったぼくの頭からは、政治思想といったものが完全に欠落している。もうすぐ死ぬのだから、どうでもいいよ、というような気分になって、思考停止に陥っている。というか、いまの世界そのものが、思考停止に陥っているように感じられる。理論とか、理念などというものは、どうでもいい。金儲けがあるだけ。そんな世界になってしまった。AIというものも、結局は金儲けのために用いられるだけのことだろう。そんなものを学校で教えてどうするんだという気もするが、IT産業に乗せられて、小学1年生がiPadを使っているという、とてもヘンな状態になっている。給食のおかずが小さなカラアゲ1個、という報道が最近あった。子どもたちを飢えさせておいて、全員にiPadをもたせる。それって何かの陰謀ではないのか。文藝家協会には、大学の先生が多い。大学の先生は危機感を感じている。AIが何でもできるようになると、事務関係のサラリーマンは必要なくなる。大学を出ても就職できず、若者たちはフリーターになるしかない。すると大学に行く必要もなくなってしまう。マルクスの経済学はいまでも基本原理として使えるところはある。しかしプロレタリアート独裁はまずいよね。しかし自由主義の国にもトランプみたいな独裁者が現れるのだから、これは平安時代後半の末法思想の状況に似ていると思われる。自由、平等、博愛、という理念が、トランプには欠落している。金のない大貧民には自由はない。平等もない。博愛もない。そんなものは要らないとトランプは言っているのだ。
10/23/木
昨日、妻は孫娘を連れて千代田区役所と有楽町のパスポートセンターを回って、孫娘のマイナカードの取得と、パスポートの申請を済ませた。孫娘は臨時の入国専用のパスポートで入国したので、パスポートを新たに取得しないとスペインに帰れない状態だったが、これで無事に出国できることになった。パスポートが受け取れるのは少し先だが、申請を受理されたので問題はないだろう。孫娘はスペインで生まれ母親がスペイン人なのでスペイン国籍はあるが、父親(ぼくの長男)が日本人なので生まれたと同時に日本国籍をもっている。これが逆に日本で生まれると二重国籍が認められないことになる。日本が世界標準に大きく遅れた後進国だというのは、こういうところにも顕わになっている。とにかく日本のパスポートが貰えそうなのでほっとしている。その孫娘は何かの手術に立ち合ったとかで疲れて帰ってきた。日本での研修は充実していてよい経験になっているようだ。
10/24/金
日本歴史時代作家協会の文学賞の授章式。神保町の出版クラブが会場なので、歩いていけると思っていたら、雨が降ってきたので都営新宿線小川町から1駅だけ乗って会場へ。選評を述べて、賞状を渡し、受賞者とともに写真に写る。それだけの仕事を無事に果たした。あとはひたすら飲み会。二次会までつきあって、まだ雨が降っていたので地下鉄で1駅乗って帰宅。少し飲みすぎた。ぼくが強く推した『世尊寺殿の猫』のアグニュー恭子さんと話ができたのが何より。
10/25/土
妻と孫娘は定期券を買いに出かけて行った。最初の一箇月は横浜のセンター南というところで、えらい時間がかかっていたのだが、今週から豊洲になった。30分くらいで行ける。ただかなりの激務になったようだ。疲れて帰ってくる。まあ、これも研修なのだから、この体験が身についていくのだろう。
10/26/日
妻が名古屋の次男のところに行ったので、孫娘と二人になった。とりあえず集合住宅の別館にある中華料理の店で夕食。あとは彼女は自分の部屋で勉強したり、スペインの家族と電話で話したりしているので、こちらは自分の作業に集中できる。自作『新釈悪霊』を読み終えた。十三年前の作品で、それ以来、読み返していなかった。90歳くらいになったら読もうと思っていたのだが、それまで生きているかはわからないので、思いついた時に読み返してよかった。おもしろい作品だった。いま「自作」と書いたが、ドストエフスキーの原典を書き直したものにすぎない。ただドストエフスキーは試行錯誤しながら書いているので、展開としてわかりにくいところがある。また過去のエピソードは断片で紹介されるだけで、イメージが見えてこないところもある。ぼくはすべてのエピソードを解体してから、最良の形でつなぎあわせ、イメージを補強し、さらにぼく自身が少しおもしろく改良したりして、読みやすくダイナミックな作品にしたつもりだ。ただテーマは古い。19世紀後半のロシアの一部の人にしかウケないテーマだ。これを高校時代のぼくだけでなく、友人たちも熱心に読んでいて、議論をしたりもした。ただいまの若者には、何のことかわからない話だろうなとは思う。革命思想とキリスト教。それに恋愛。これ、いまの若者たちにとっては、何のこと、というしかないテーマだ。恋愛というものが、よくわからなくなっている。まして、革命と、宗教。それがどう関わるのか。まあ、いいだろう。自分が読んで、おもしろいと感じたのだから、書いてよかった。ぼくがこれまで読んだすべての本のなかでも、一番におもしろかった。それでいいのだ。
10/27/月
月曜日の朝は、アメリカの日曜日の夜だ。野球のワールドシリーズの日程は、ポストシーズンの最初から、日曜日には試合が組まれない。日曜日はFootballの日だからだ。テレビ中継の時間もとれないし、多くの都市ではスポーツパークのようなところにFootballスタジアムと野球場があって、駐車場を共有しているので、同時には開催できないのだ。で、今日の朝はFootballの日。ただしチーフスの試合はマンデーナイトに組まれているので明日の朝になる。大きな番狂わせはなかった。開幕直後と違って、各チームの調子が出ているので、総合力で優位のチームが星を落とさなくなった。注目はレイブンズがハントリーで勝ったことだ。ラマ―・ジャクソンの負傷で、カウボーイズで控えをしていたラッシュを起用したのだが、まったく役に立たなかった。それでハントリーを起用したら、ケイレブ・ウィリアムスのベアーズに完勝した。ラッシュはパサーなので、走るラマ―・ジャクソンのオフェンスシステムには合わない。その点、ハントリーはパスは下手だがとにかく走ることはできるので、ラマ―・ジャクソンのシステムの代役ができる。この勝利は大きい。ラマ―・ジャクソン不在の期間が長びいている。現在5勝3敗のチームが多く、5敗もしているレイブンズは大きく出遅れている。11勝6敗というのが目安で、10勝7敗では苦しいというのがぼくの予想。今日負けていたら6敗になって、あと一つも負けられない状態になっていた。ラマ―・ジャクソンが出てきても全勝は難しいだろうから、今日の1勝は大きな成果で、ラマーが復帰するまではハントリーで行ける目途も立った。Aカンファは、ペイト、スティ、コルツ、ブロンが地区優勝トップ、残り3枠は2敗のビルズ、3敗のジャガ、チーフ、チャー。これできっちり埋まっている。Nカンファはイーグ、パッカ、バッカ、ラムズまたはシーホークス。残り2枠は2敗のライオ、3敗のベアー、49。1チームがはみだす。残りのチームは苦しくなっている。今日も孫娘と二人きり。昨日は中華だったので今日はイタメシ。何度もおいしいと言って食べる元気な娘。若い女性と食事しているとこちらも元気になる。散歩したいというので夜の秋葉原を散歩。涼しくなったので散歩も楽しい。
10/28/火
本日はチーフス対コマンダーズの試合がある。ネットで経過の数字だけを見ていたのだが、検索してみるとYouTubeで途中経過を画像で見せてくれた。前半、インターセプトが2つあって得点が伸びなかったのだが、終わってみれば完勝だった。あとはドジャース戦の長い延長の試合を見ながら、時々囲碁将棋チャンネルで藤井くんの試合。残念ながら負けてしまった。ドジャースは勝ったが大谷くんは9度も出塁して足がつっていたようで明日の先発は大丈夫か。孫娘が10時ごろに帰ってきたのには驚いた。そういうこともあるらしい。昼は二人でカップラーメンを食べる。たまにはこういうのもいいだろう。夜は友だちのところに出かけていった。
10/29/水
日本点字図書館の理事会。ここではいつも議長をつとめる。議題が少なかったので早く終わった。孫娘は昼過ぎにいったん帰ってきて、それから旗の台の大学で、何か留学生の発表の会があるとのこと。夜、元気に帰ってきた。『角王』という作品を読み返している。このノートのタイトルを「崇神天皇」としているのは、今年の正月から、20年以上前に出した『角王』のリライトを始めたからだ。「角王」「活目王」「倭建」という三部作で、自分にとっては大事な作品だが、うまく書けなかったところもあるので、遺作として保存しておきたいと思った。データがあれば修正できると思ったのだが、空き巣にパソコンを盗られたことがあってデータはない。活字になった本を見ながら修正していった。プリントして読み返し、赤字を入れてあるのだが、『日本武尊』が完成したので、改めて読み返してみると、矛盾点が出てきたので再度修正している。必要な修正は冒頭部分だけなので、いまはいい感じで読み進んでいる。
10/30/木
孫娘と焼き魚の店に行く。住んでいる集合住宅の別館にいろいろな店が入っているのだが、ほぼ行き尽くした感じがする。ようやく妻が帰ってきた。疲れているようだが、孫の顔を見れば元気が出る。『角王』は第4章までのチェックが終わる。赤字がびっしりで入力がたいへんだが、一つの作品を仕上げて複数のストックをもっていれば心強い。
10/31/金 日大文芸賞授賞式。この選考に10年以上たずさわっている。毎年この時期に授章式がある。いまは林真理子理事長なので、数日後の文藝家協会理事会でまた会うことになるのだが、とりあえず講評を短く述べるだけでいい。歴時賞の場合は賞状を渡すのがたいへんなのだが、日大賞は学長が渡すことになっているので、こちらは楽だ。その後、受賞者と会食。これも楽しい集いだ。妻は疲れが出て寝込んでいる。孫娘は友だちとハロウィンを見にいくとかで不在。妻には白粥、こちらはカップ麺の夕食。これで今月も終わりだ。
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