初心者の為の軍事用語の解説(船編)


船の種類について

意外と多い質問ですが、非常に難しい質問です。
まず、良く聞く名前を以下にあげます。

  1. 空母
  2. 戦艦
  3. コルベット
  4. フリゲート艦
  5. 駆逐艦
  6. 巡洋艦
  7. 潜水艦
  8. 護衛艦
  9. 掃海艇

があります。しかし船の定義が厳密でないため、区別は非常に難しいです。


空母

航空機(固定翼機)を搭載して、その離発着をするもの。まあ、言われてみれば当たり前なんですが、例外もあります。それは、旧ソ連時代の空母です。航空機を20機近く搭載しているにもかかわらず、名前は「対空重巡洋艦」と言います。

ロシアの空母は固定翼機を運用する能力が少ないため、全体の傾向として、対艦ミサイルなどを重装備している特徴があります。すると、発射機や弾庫のスペースが必要となるので格納庫などに使用する艦の容積が更に減ってしまいます。その為、イギリスなどは後日、ミサイル等を撤去しています。


戦艦

名前からすると、戦う艦船となってしまい、すべての軍艦になってしまうんですけど、そんなことは有りません。定義はまたまた曖昧で、要するに30cm以上の口径を持つ砲を搭載していればだいたいが戦艦です。今現在は、戦艦は存在しません。湾岸戦争の時には戦艦「ミズーリ」などが参加していたんですけど...やはりミサイルの時代には勝てないのでしょうか? 少々悲しいです。


コルベット

フリゲートより安く、二流国等が使う。
1000-2000t位まで、武装は排水量の割には強力。
日本の地方艦(DE)に相当するような感じ。沿岸警備用かな?

例としては。新しい方のエイラート(イスラエル)とか


フリゲート&駆逐艦&巡洋艦

現在の艦船はおおむね、このあたりです。この3種の定義が一番やっかいです。
どういう風に分類しているかというと、ズバリ大きさ(排水量)で分けています。
でも、困ったことに国によって違いがあります。アメリカなどを例外としてだいたい、5000t位までを
駆逐艦、それ以上を巡洋艦としていいと思います。アメリカなどの超大国だと8000t位でも駆逐艦になってしまいますが(笑)
おおむね今の傾向として
フリゲート<駆逐艦<巡洋艦
の考えが主流みたいです

ここで面倒くさいのがフリゲート艦。
構造が簡単で量産向き。基本的に国の考え方によって異なり、艦隊護衛より、商船護衛型みたいなもの
基本的に駆逐艦の下(安物)というイメージで良いと思います。

例をあげると、
(カッコ内は満水排水量、同じクラスでも艦によって多少変わったりしますので、あくまで参考に

フリゲート
OHペリー級(アメリカなど 後期型4100t)
ノックス級(台湾とかトルコとかメキシコ 4260t)
22型バッチ3(イギリス 4900t)
ラファイエット(フランス 3800t)
クリヴァック1(ロシア 3600t)

駆逐艦
チャールズ・F・アダムス級(アメリカ退役済み 4825t)
スプル−アンス(アメリカ 8040t)
42型バッチ3(イギリス 4775t)
ウダロイ(ロシア 6700t)

巡洋艦
タイコンデロガ級(アメリカ 後期型9466t)
ヴィットリオ・ヴェネト (イタリア 9500t)
キエフ級(ロシア 4番艦 40400t)<-------常識的に、こいつは空母にするべきだと思う
クレタ級(ロシア 7850t)
スラヴァ級(ロシア 11200t)
キーロフ級(ロシア 19000t)

ここで面白いのが、イギリス
フリゲート>駆逐艦  になってます。この辺りは建造した時期も関係してますのでご注意を。

資料提供:タカ2等海佐


潜水艦

まあ、これは簡単ですね。水に潜ることができる船です。 見た目もまさに、って感じですから。まあ、某国には古すぎて潜れなくなった(要するに危険だから、潜らない)潜水艦もありますが...

潜水艦の事故というのもたまに聞きますが、潜水艦は水上艦に比べて余剰浮力が恐ろしく少ないので、浸水などをすると簡単に沈みます。
ただ、船体は水圧に勝るように頑丈に作られていますので、適当な艦なら、ぶつかっても勝ちます(笑)
「なだしお」、「えひめ丸」事件では、潜水艦が勝ちましたが、
昔、日本の漁船が潜水艦と衝突して、潜水艦を沈める事故も起こってます


護衛艦

はっきり言って、この単語は日本でしか使っていない。海上自衛隊には駆逐艦や巡洋艦という名前はなく、すべて護衛艦と言う名前で読んでいます。(英語にするとどっちも同じ)。やはり旧日本軍の名称を使うと、「軍国主義の復活」などと言われるからでしょうか?昔は警備艦などと読んでいた時もあります。ちなみに予算請求では今でも「甲型警備艦」などと読んでいます。なんか変ですね。

ただ、海上自衛隊では護衛艦をDE<DD<DDG and DDHてな感じで分けているのでそこで区別します。
DE  :地方艦と呼ばれ、沿岸防衛用みたいな感じです。
DD  :遠洋用(機動打撃用)の艦船。艦隊の主力となる艦です。基本的にヘリを1機搭載しています
DDG :長距離用の対空ミサイルを装備して、艦隊防空の任務に就きます。イージス艦もここに入ります。
DDH :ヘリを3機搭載しています。兵装はDDと似ています。ヘリを3機も搭載する関係で大きいです。
     16DDHではヘリを8機ほど搭載できる予定です。


掃海艇

PKOで話題になったのでほとんどの方が知っていると思います。英語でいうと「マインスイーパー」です。まあ、日本には掃海艦もあります。(要は掃海艇の大型のもの、だいたい500t位からこの名前になる)、掃海艇は磁気関知機雷にやられないために、木造orFRPなどで作ります。まあ、日本は伝統的に木造です。日本の掃海技術は世界でもトップレベルだそうです。

ただ最近では、技術的な面ではヨーロッパ勢が進んでいるようです。


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