この世では、ミサイルというのが分かっていないようである。よく、誘導ミサイルなどと書いてあるが、これは間違いである。
ロケット（軍事用)は直進しかしないものであり、ミサイルはこれに誘導装置をつけたものである。誘導ロケットという言葉はあっても（昔は）、誘導ミサイルという言葉はないのである。ちなみに、ロシア軍ではロケットとミサイルを区別せず、ロケットとしているそうである。
ここでミサイルの種類を書いてみよう。
その１：空対空ミサイル
ＡＡＭ（Air-to-Air Missile）は航空機から発射して、航空機をたたき落とすミサイルである。代表的なものに、ＡＩＭー９サイドワインダー（がらがら蛇の意味）やＡＩＭー７スパローなどがある。ゲームボーイのＧＢウォーズで戦闘機Ａが装備しているＳワインダーとはこのサイドワインダーの事である。誘導方式は赤外線追尾とレーダー誘導の２種類が主である。
その２：空対地ミサイル
ＡＳＭ（Air-to-Surface Missile ）は航空機から発射して、地上の物をブッ壊すミサイルである。誘導方式は、赤外線誘導、ＴＶ誘導、などがある。湾岸戦争で使用された精密攻撃用のレーザー誘導爆弾は通常の爆弾に誘導装置を組み込んだだけなのでミサイルではないので注意すること。 アメリカ軍でのミサイルの型番ではＡＧＭと表記する。
その３：対レーダー用ミサイル
ＡＲＭ（Anti-Rader-Missile）これは、主に航空機から発射して地上のレーダー基地を攻撃したりするミサイルである。最近は地対空ミサイルを叩く為によく使用される。地対空ミサイルの大半は誘導用のレーダーが壊されると役に立たなくなるので、まず、ミサイルでレーダーを破壊してから対空ミサイル本体を破壊するのである。
誘導方式はレーダー電波をたどっていくのが大半である。
その４：空対艦ミサイル
ＡＳＭ（Anti-Ship Missile）これは、航空機から発射して、艦船を沈める為のミサイル。代表的なものに、フォークランド紛争で活躍したエグゾセ、米軍のハープーンなどがある。射程は２０km位から１００kmを越えるものまである。ロシアの爆撃機に搭載する、キッチンやキングフィッシュなどは物凄く射程が長い。（ちなみに、ミサイル本体もムチャでかい）
誘導方式は最初は慣性誘導（最近はＧＰＳも使う)そして、最後は赤外線やレーダー誘導で飛んでいく。
その５：対空ミサイル
ＳＡＭ（Surface-to-Air Missile , Ship-to-Air Missile）これは地上（後者は艦船）から発射して、憎い航空機をたたき落とす為のミサイル。代表的なものにはパトリオット、ローランド、スティンガーなどがある。これが十分にないと湾岸戦争のように一方的に飛行機により地上軍がやられてしまうこともある。スティンガーのように人の肩に担いで撃つ小型対空ミサイルでも、ヘリコプター位なら簡単に撃墜できる。メタルギアソリッドで敵の攻撃ヘリ「ハインド」が１発で落ちなかったのは異常だ。（まあ、ゲームだから仕方がないか）
その６：地対地ミサイル
ＳＳＭ（Surface-to-Surface Missile）これは地上から発射して地上を攻撃するミサイルです。有名なものとしては、スカッド、ノドンなどがあります。でも、あまり射程が長くなるとＩＣＢＭとよばれてしまいます。
その７：地対艦ミサイル
ＳＳＭ（Surface-to-Ship Missile ）これは地上から発射して、海上の艦船を沈める為のミサイルです。代表的なものといっても、そんなにありません。なぜなら、航空機から発射させた方が機動力があって便利だからです。日本には８８式地対艦誘導弾というのがあります。内陸から海上の艦船を撃破する為につくりました。陸自からすると、空自はさっさと全滅してしまうと考えているからでしょうか？
その８：対戦車ミサイル
ＡＴＭ（Anti-Tank Missile）は基本的に地上発射型かヘリからの発射がほとんどです。大きいのは射程８kmのヘルファイアから個人携行可能なドラゴンまで、多数あります。弾頭は成形炸薬弾（ＨＥＡＴ）を使用して、化学エネルギーの力により戦車の装甲を貫通します。
その９：巡航ミサイル
これは、正確に言うと、ミサイルの飛翔形態に応じて決まります。ＳＳＭの８８式地対艦ミサイルやトマホークなどがそうです。だいたい、低高度を亜音速で飛行して敵のレーダーに発見されないようにします。要するに、特攻（カミカゼ）の無人化版ですね。