6.考察
矢内氏の話では、マット添加に小麦粉は使わず専増産フスマのみ でも良く、それは細かいカンセイフスマでも構わないだろうと分析 している。そして飼育のポイントは高温で一気に太らせる事だと話す。

フスマの添加法は様々な業者やショップに問い合わせたがどこも試した 事が無く、この驚くべき矢内氏の結果を聞きつけたある関西の業者は 最近フスマを販売しているとのことだ。

この専増産フスマだが、食糧庁の補助により生産されており、 1袋25キロで菌糸瓶より安い。
残念ながらこのフスマは平成14年度にてうち切られる事となっている。
以下、食糧庁から

-----------
専増産ふすま制度の廃止及び関連対策の実施
   専増産ふすま制度については, 濃厚飼料に占める専増産
  ふすまの割合が減少傾向にある中にあって地域ごとの需給 
  のアンバランス, 生産に係る諸規制に伴う加工コストの増 
  大, 製粉工場の生産事情の制約に伴う生産の限界と供給の 
  不安定性といった問題が指摘されている。
   このため, 専増産ふすま制度については, 代替飼料の開 
  発・普及, 各種企業対策等の推進等を踏まえ, 平成14年度 
  末を目途として廃止する。
------------


さて、私はフスマ以外に少ない水加減にも大きくする秘訣があると 考えており、次の方法を「矢内スペシャル」と名付けこれを推奨する。

・マット
 市販の格安クヌギマットにナラ生オガコを10%以上混ぜたものを  篩をかけず、粗いまま使用する。
・添加剤
 小麦粉5%フスマ5%以下。又はフスマのみ10%以下
・水分
 少な目
・餌交換
 比較的頻繁
・飼育温度
 3齢初期まで高温で一気に太らし、冬場も比較的暖かな場所で飼育する。
・遮光
 飼育瓶は黒い紙で覆う。


7.最後に
大塚氏のお宅におじゃまし、いろいろ見させてもらい、気にいらないからと 言うことでとりわけ小さいオオクワを頂いてきた。
70ミリと言っていたが、71ミリあった。極太で大顎も材飼育のように 立派だ。

伊勢崎オオクワ



大塚氏も矢内氏も非常に幼虫に厳しく、幼虫の体重は1グラム引いて 考えているのだが、大塚氏は成虫にも厳しかった。


これにて、皆さんも今までに体験したことのない成果を得られるはず であり、大塚氏、矢内氏に感謝しながら飼育に励んでいただく事を 希望する。







10月号の目次へ