あさのエボ2-ヴァージョン5!!

マスターズチャレンジ!?
 2001年9月、僕は名阪SLで行われた「モトちゃんぷスクーターミーテイング」で行われたSS1/32milesドラッグに出場してきました。ここで非常に良いタイムを記録し、年間を通じてクラス10位以内を記録した人に参加資格が与えられるという、マスターズチャレンジに出場できることになりました!
 このイベントが行われるのは12月22日です。これに向けて、エボ2号によりいっそうの改良を施すことにしました!

(名阪SLでのスクーターミーテイング)

まずは、ポート加工してみよう!
 実はエボ2、7月ごろ現在のシリンダーにして以来ポートは一切無加工だったのです。高回転までまわらなーい!という悩みを解消するため、ポート加工に手を出すことにしました。


これは、ポート加工する前のピストンヘッドの状態です。
向かって下側が排気ポートです。両サイド及び上側の吸気からの混合気の流れがわかる・・・のかな?
この感じは、キャブセッテイングが濃い状態のようでです。あと、左右が均等にならないのは、エンジンの構造に原因があるみたいです。
 今回は、知り合いに加工をお願いすることにしました。僕が手に怪我をしてしまっていた事と、「リードのポートをチョット削ってみたい」という知り合いがたまたまいたためです。
 
各ポート付近は基本的に小加工に留めてあります。具体的には、出口付近にあったバリを削り取った程度です。
また、中央の吸気ポート(ジェットポートとか第3ポートとか呼ばれています)は少し上に広げてあります。

 

排気ポート出口付近は、ガスケット内径ギリギリの大きさまで広げています。
吸気ポート入り口付近は少し大きめに削ってあります。
そのほか、今回はピストンが上死点にきたときに中央の吸気ポートにあたる位置に穴を開けてみました。
ヤマハ車ではもともとやってあったりするんですが、ホンダでも効果があるらしいと聞いたんです。
実際にはコンロッド小端の冷却効果を得られるらしいのですが・・・どうなんでしょ?
あと、センタースプリングはリード80ss用からリード90ノーマル新品に。これはリード100用のトルクカムとの相性を狙っての選択で、実はリード100と同じ型番なんですよ(^^;

うーんこれはどういうことなのか・・・
ミソは写真でもわかるように、自由長(組み込まない状態での長さ)なんですが、とっても長いんですよね。こういう長いスプリングは、変速が進んでもばねレートの変化量が小さいと考えています。
と、すると、リード100のカムと相性が良くても90のカムを使うと・・・変速後半で開きすぎにならない!?
もしかしたら、燃費を向上させるためなのかなー???

 この状態で、まずは11月の「ファルコンカップ」にエントリーしました。が、タイムは4秒台後半と低迷しました。
基本的にキャブ全般の調整が不十分のようで、t-wayの武田さんのアドバイスによりメイン・スローとも少し番手を下げることでフィーリングが格段に良くなりました。

 右の写真は、会場であるデイトナ本社テストコースにて到着早々に撮影したものです。一緒に写っているオニギリさんもこころなしか眠そうな表情ですね〜(^^;

更に加工を!
 さてさて、これでも回転は思うように上がらない。まだまだ加工が甘いのか!?
ということで、t-wayの武田さんにいろいろ聞きながら更にポートを加工することにしました。

 排気ポートは、ピストン上死点からストロークの50%くらい下がった位置くらいまでが限界、横幅はボアの75%くらいまでの幅が限界と聞きました。また、角を立てず全体的にまるみをもたせることでピストンリングの余計な動きを抑えて発熱を減らせるそうです。
 また、排気ポートを上げる際、上側はポート入口〜出口を直線にはせず、真ん中が膨らむようにするといいそうです。排気の流れや勢いに関係があるのかな?

 あと、今回はスリーブにある横のポート入口部分を短くしてみました。左側面にしか吸気が入ってこないので、それを左右に行き渡らせる狙いがありました。グッピさんによると、Dio系エンジンでも年式によってこの部分の長さに違いがあるそうですよ。
そうそう、中央のポートの入口のスリーブもちょこっと削り込んでます。
 右の写真は見にくいんですけど、腰下の吸気ポートを削っているんですよ。上下に若干の段差やバリがあるので、これらを削り取るような感じです。あ、上側は特にまるく削ったかな。すぐ上が直接シリンダー左側のポートになっているので、ここへのスムーズな流れを意識したつもりです。

 hakurinさんのお話によると、ここにある柱を削ってしまうと変形して混合気が漏れることがあるそうです。だから残しておかないといけませんね〜

 ついでですが、これが今回使ったリューターです。今回新たに上のエアリューターを使ったのですが、これがとても使えるんです!大掛かりな削り作業も、パワーにものを言わせガンガンいけちゃうんですよお〜
 ただ軸が太いタイプ(6mm)なので、そのままでは小さなビットを使うことができません。どうしてもそういうところを削るときは、下の電動リューターを使います。こっちはかれこれ10年モノです。最近、たまーに煙が出ます(爆 ブラシが減ったか、金属粉が電動機に入り込んだか・・・

うぬ、圧縮が低すぎ〜!? どうやらポートを上げた影響で、かなり圧縮が下がっているようです。これをカバーするため、シリンダーヘッドで圧縮を上げることにしました。

 とっておきのEZ9ヘッドを使い、これを面研加工して使おうと企みましたが、ある程度面研加工して使ってみると・・・これでも圧縮が低すぎなんですよお〜、もっともっと過激に研磨することも考えましたが、これ以上手で削るのはヒジョーに大変そうなので、フライス加工を依頼しようかとも考えました。

しかし、加工の費用は安くないし。どうしたものか考えていたとき、たまたまガレーヂに転がっていたライブDioのエンジンからヘッドをはぎとってシャレみたいな感覚で使ってみました。で、まあ、これがいい圧縮!?
結局、これをボアにあわせて燃焼室を広げる加工をして使いました。燃焼室もそう悪くない形状らしいです。
ただし、本当はプラグ電極が燃焼室とツライチくらいが理想だそうです。それを考えるとこのヘッドは、プラグが少々奥にへこんだようになっているのですけどね。
これはノーマルを面研したシリンダーヘッドです。ただし、現在は使っていないものです。
以前、ピストンサークリップの不具合で内部がガタガタになってしまったんです(汗
こちらは、EZ9のヘッドです。リードエンジンに流用可能な純正チューニングヘッドとして知られています。
きれいなドーム型燃焼室と中央に配置されたプラグが特徴です。また、放熱フィンがリードヘッドより大きく放熱性能が優れています・・・が、普通はシュラウドの中に収めるためフィンは削るのですけどね。この写真の状態は面研をしてあります。
理想的とされていたドーム型燃焼室や、メーカーがしっかり考えたスキッシュエリアは良いのですが、圧縮が上がらずボツに(^^;
これは、たまたま手元にあったいらないエンジンから取ったライブDio用ヘッドです。ボアをあわせるための加工をしています。
薄型の燃焼室とセンタープラグが特徴です。スタッド間隔がリードとまったく同じなので、ボルトオンに近い感覚で使用可能なんですよ。

なにも加工しないままリードエンジンに組んだ状態でも圧縮がすごく上がり、今回はこれを使うことにしました。

お次はキャブだ!
 これまではPE24を使っていたのですが、今回特にケイヒンPWK28のキタコワークスレプリカを導入したのです!!!
 新品を購入したのですが、なかなかに高価なものでした。しかしまあ、ゆくゆくは必要と思っていたし、やっぱりマスターズチャレンジに出られるということで大奮発ですよおおお!

 このキット、リードバルブがノーマルと別の位置・形状で大きくなっています。聞いた話しでは、どうやら昔のRZと同じようなバルブだそうですが・・・よくわかりません(汗

(このキャッチタンクは位置が悪いということで、あとで位置を変更しました)

マフラー折れた!(爆
 キャブを組み込んで、とりあえずテスト走行がてら市内のショップまで行ってみたんですが、なんとマフラーが折れてしまいました!まったく参ってしまったのですが、とおりすがりに自動車のカスタムショップにとびこみでなおしてもらうことができました!
 中川区の美技というショップだったと思います。ありがとうございます〜

だきついた〜
 マフラーがなおって走り出したのですが、今度は燃料の残りが少なくなっていました。ガソリンスタンドで給油したのですが、なんとオイルを忘れていたのです。
 しかたなく、スタンドでオイルを購入してガソリンに混ぜたんですが、その後だきつきが発生してしまいました。

 どうやら、燃料調整が薄かったこととオイルのグレードが低かったこと、両方が原因だったと思います。

 この状態で、12月9日の鉄馬祭に出場しました。今回のベストタイムは4秒137、なかなかに良い感触です!
 このときは久しぶりにやすゆきさんにもお会いできたし、SBクラスで目下プライベータートップの白島さんの走りを拝むこともできました!
 

しょぼ〜い秘策!
 さて、次のイベントはいよいよマスターズチャレンジです。しかしよりいっそうのタイムアップに至るためにどうしたものか・・・
 いろいろ考えたのですが、とにかく高回転がまわらない症状に有効な打開策が見つかりません。
 ここはもう、大掛かりなことは避けて駆動系に確実そうな改良を施してみることにしました。

 クラッチはガレージに転がっていたジャンクやもらいものを集めてみました。
 クラッチアウターはDio用をクラインダーで加工してあります。
 プーリーはノーマルの新品がひとつと、ドライブフェイスはやはりグラインダーでフィンを削り落としてあります。
 特製のクラッチアウターでーす!Dio用をベースに、外側の補強プレートを点溶接部分を削り取って約50gの軽量化、更にクラインダーを使って切り込みを入れたり部分的に削り込んだりで更に50gほど軽くできました。
 この部分は、できるだけ強度を落とさず回転マスを軽減するのが肝心そうです。そこで、外側に近い部分を特に意識して削ってみました。

いよいよマスターズチャレンジ!
 さて、そうこうするうちにマスターズチャレンジ当日になりました。この日はやっぱりというかなんと言うか非常に寒く、会場は朝露が一面に凍り付いているという、超バッドコンデイション!?まるでスケートリンクです(笑。 なんたって会場は富士スピードウエイ奥のテストコースですから・・・僕の住んでいる濃尾平野に比べたら冗談みたいな寒さ!!

 そんな所ですから、 スタッフの方が朝からバーナーで路面の解凍です。おかげで計測開始が2時間ほど遅れましたが、今回はss1/32専門のイベントということでタップリと時間がとられていますから大丈夫。

 が、問題はそれよりも気候です!みんな回転が伸びないとセッテイングに苦労します。特にエボ2号は症状が酷いようで、マトモに加速できないほどの極悪さです。これをどうにかしようと、計測そっちのけでテスト&部品交換を繰り返していました。
うを!フライホイールがっ
 いっこうに症状が良くならないのでキャブを何度も開けたので、下には混合燃料がダバダバになってしまいました。うーん、ホントはちょっとまずいのかな・・・

 そうこうするうちに、どんどん症状が悪くなっていきました。注意してみると、フライホイールまわりから異音がしています。ううむ、なんで今まで気づかなかったんだろう(汗

 問題のフライホイルを外そうとすると、ガタガタになってます。はずしてみたら半月キーが変形してます。つーことはなに、点火時期が馬鹿になってたってことお!?!? あたあ、もしかしてこれまで散々困ってた回転が上がらない原因て、これだったのか。

 半月キーをヤスリで削ってみたりしましたが、症状は良くならず。しまいにはエンジンがかからなくなってしまいました。フライホイルを外してみると、中から半月キーのカスが出てきましたっ。まいったなこりゃー

 しかも、フライホイル軸のネジ山がちょっと痛んでしまい、ナットがまともに回ろうとしません。肝心のテーパー部分もなんかのカスが付着して圧着力も得られないし・・・こうなったら〜と思い、しまいには拾ったつまようじなんかを入れてみたりのやけくそです。が、結局それもうまくいかず、今回の結果は「出走できず」でした。(泣

 なお、マスターズではみなセッテイングに手間取ったらしく、大幅なタイム更新は見られなかったようです。うーん、やっぱ想像を絶するコンデイションだったということでしょうか・・・
 おのれええええ!とまあ、2001年シーズン後半はマスターズチャレンジを軸にいろんなことをしましたが、しめくくりでリタイヤは悔しいです! もちろん可能な限りエントリーを続けるつもりですが、どうやら2002年シーズンからss1/32はシリーズ戦になるとのことです。・・・といっても、これまでも一発タイムで良い記録が出ればそれがレコードとして残るわけで。なんだろ、年間ポイントでも計算するつもりかなあ??

 てなわけで、2002年もいくぞー!


2001年のSBクラス年間ランキング、ベスト30!(2001/12/28現在)
順位 タイム 名前 ベースエンジン 排気量 車体 クラス 場所 日時
1 3.524 ベリアルサービス ライブDio-ZX 68 ハミング SB C秋ヶ瀬 2001/11/23
2 3.821 ベリアルサービス トピック 68 ライブDio-ZX SB 名阪SL D 2001/6/24
3 3.83 白島 明広 アクシス90 82 RS125 SB 霞ヶ浦 2001/12/9
4 3.861 WILDLION ZIP-SP 69 ライブDio-ZX SB 名阪SL D 2001/9/15
5 3.911 マロッシセールスジャパン ZIP-SP 68 ZIP-SP SB 名阪SL D 2001/6/24
6 3.94 ウインドジャマーズ JOG 59 WJアルミ SB C秋ヶ瀬 2001/11/23
7 3.985 よし Dio 72 Dio SB 霞ヶ浦 2001/12/9
8 4.000 浅野 永嗣 リード90 89 パル SB 名阪SL D 2001/9/15
9 4.000 田多井 淳也 アクシス90 82 JOG-ZR SB 名阪SL D 2001/9/15
10 4.014 露木 達朗 JOG90 82 JOG-ZR SB C秋ヶ瀬 2001/11/23
11 4.03 プラスG スーパーDio 71 スーパーDio SB C秋ヶ瀬 2001/11/23
12 4.045 プラスG アクシス90   JOG-ZR SB C秋ヶ瀬 2001/11/23
13 4.137 あさの リード90 89 PAL SB 霞ヶ浦 2001/12/9
14 4.153 YSP河内 JOG-ZU 65 JOG-ZR50 SB 名阪SL D 2001/9/15
15 4.162 MOON! ACTIVE 60 ACTIVE SB イワイC 2001/5/13
16 4.201 佐々木 孝志 スーパーDio-ZX 71.8 スーパーDio-SR SB C秋ヶ瀬 2001/11/23
17 4.211 中村  隆 JOG-Z 68 JOG-Z SB C 秋ヶ瀬 2001/11/23
18 4.241 岡崎  力 JOG-ZR 68 JOG-ZR SB 名阪SL D 2001/9/15
19 4.259 のり アクシス90 82 アクシス90 SB 霞ヶ浦 2001/12/9
20 4.288 TEAMpoliniJOG-Z JOG-Z 68 JOG-Z SB イワイC 2001/10/28
21 4.300 吉永 一征 G' 68 G' SB C秋ヶ瀬 2001/11/23
22 4.354 尾藤 千好 JOG80 79 パッソル SB C秋ヶ瀬 2001/11/23
23 4.363 プラスG JOG 70 JOG SB 霞ヶ浦 2001/12/9
24 4.364 WILDLION BW's50 68 BW's50 SB 霞ヶ浦 2001/12/9
25 4.367 小舩  聡 JOG90 84 JOG90 SB C秋ヶ瀬 2001/11/23
26 4.367 稲葉 明哲 アクシス90 82 アプリオ SB 名阪SL D 2001/9/15
27 4.408 佐々木 敦史 アクシス90 82 アプリオU SB C秋ヶ瀬 2001/11/23
28 4.412 レッドモールレーシング アクシス90 82 JOG-ZR SB C秋ヶ瀬 2001/11/23
29 4.44 ANDOREA JERNA マロッシDNA70 70 DNA70 SB イタリア・ムジェロサーキット 2001/10/6
30 4.447 山下 太郎 チャンプ 79 パッソル SB デイトナTC 2001/11/18