四軒家の狼現る!

リードエンジンをスワップしよう。しかし・・・
 ボアアップやチャンバーもいいけど、更なるアドバンテージを求めて原付2種エンジンをDioにスワップしようと考えたら!・・・さしあたってあたりさわりのないエンジンは、リード90のエンジンかもしれません。
 でもでも、リードのエンジンはJOGみたいに簡単には載らないんです。エンジンマウントの位置が違うんですよね。で、シルビアさんのように斜めに立ったようなエンジンマウントを造って載せるという方法があるのですが、この方法だとオイルポンプやセルモーターがエンジンマウントに干渉してしまい、混合給油&キックスタートになってしまうという事があります。

 が、しかし!それを覆すオイルポンプ・セルモーター完備のスワップ車を製作した方が地元名古屋にいたのです。今回はそれを取材、エンジンマウントの方法をバッチリタネ明かししちゃいまーす!!!


"四軒家の狼"現る!

 このGT的Dioのオーナー「四件家の狼」氏に我々取材班はアポイントを取ることに成功。市内某所、とある町工場にてインタビューに成功したのである!!!

 氏のマシンは、もともと氏が通勤用に使っていたAF27です。が、その走りに満足できず、仲間の全面的協力を得てHF05Eのスワップをしました。

 通勤仕様という要求性能を満足させるため、フレームにエンジンハンガーを取り付けるための金具を製作。良好なエンジンハンガー取付によって振動を抑え、エンジン本体にはほとんど加工を加えることなく載せることに成功しています。

 また、ハンドルにもリードのものを移植。これにより100キロまで表示可能なスピードメーター、2灯式ヘッドライトを装備しています!
 因みにフロントには油圧で性能に定評のあるHD−SUSを装備。ステム&ホイールはDioのデイスクブレーキ車用となっています。
 柔らかいサスペンションを使用するため、人間が乗るとかなり沈み込むのを見越しリヤショックに8cmの延長アダプターをかませています。ただしリヤフェンダーを加工して逃げをつくれば、もっと低くすることも可能です。

 あえて装着された前カゴは、「四軒家の狼」氏のこだわりを表しています!!!


これがエンジンマウントだ!

 エンジンマウント自体はリード用をそのまま利用しています。

 上マウントのハンガーをフレームに取り付けるため、6tの平板を左右フレームに渡す格好とし、そこから吊り下げる格好になっています。
 左右に渡された平板は端で90度曲げ、フレームごと穴を開けてボルトで固定しています。

 この金物の図面は後で記載いたしますが、フレーム側への穴あけは現物あわせとなっています。
 ・・・いっそこれはフレームに直接溶接してもいいのかな?

 あと、この金物の取り付けに際しては、エンジンをまっすぐ取り付けるために精度が要求されます。といっても計算などはないので、実際にエンジンを取り付け、センターを確認しながら慎重に位置決めが必要になります
 エンジンハンガー下側には、振動を吸収させるためのストッパラバーが取り付けられます。

 ここでは、メットインBOXの下側のフレームの箱状の部分にゲタの役目をする金物を製作して取り付け、そこにストッパラバーとエンジンハンガーをボルト止めしています。

 図面では6tとなっていますが、板厚が大きいため精度が出ない可能性が高いとのことです。その場合でも、この部分には精度は要求されないので長穴加工やワッシャなどで対処可能です。

 また、ゲタの役目を長いボルトをスペーサーで代用させることも可能と思われます。その場合はストッパラバーをじゅうぶん抑えるだけの面積が必要ですね。
 上記のマウント方法により、写真のようにしっかりとオイルポンプとセルモーターが生かされています。

 また、フレーム側も他の例ではセンタースタンドマウントを切り取ってしまわないとならなかったのですが、この例ではちゃんと残っているんですよ!
 左右に平板を渡してある部分は本来、メットインBOXが乗っかる格好になる部分のため、このようにカットして逃がしてやる必要があります。

 が、メットインBOX自体にはあまりでっぱらないため、フルフェイスでも問題なく収納可能ですよ。
 ちょっと見えにくいですが、横のボルトが僅かにカウルに接触してしまうため、このようになっています。

 リードのエンブレムとロゴステッカーがついているのはご愛嬌(笑)
 リヤショックには8cmの延長アダプターが取り付けられ高くなっています。ショックそのものはヘルパースプリング付のリード用ノーマルを使っています。

 また、エアクリーナーはノーマルのものも取付可能とのことですが、現在はパワーフィルターが装着されています。
 そして、こういうプロポーションになっています!

 リヤを低くするとタイヤとリヤフェンダーが接触するという問題もありますが、フェンダーを曲げる等の対策を施せば解決可能です。

金物の配置図及び図面!




 トーシロな図面ですみませーん(汗
 これは「四軒家の狼」氏の仲間が製作時に使ったメモをもとに、その後現物あわせで修正した部分を反映した上で書き起こしたものです。