ACJ特集
DD50〜最も血の濃い縦Dioの末裔〜
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from ぼいじゃ

DD50とは・・・
・かつてホンダが、台湾でのミニバイク現地生産・販売をしていた時のパートナー企業に、三陽気車というメーカーがありました。もう10年以上昔のことです。そしてそこでは縦Dioが現地生産されていたのです。
 その後、ホンダの海外戦略は次のステップへと進みましたが、三陽気車はDioの生産設備を使って独自のモデルを製造販売することになったのです。

・その三陽気車のスクーターが一昨年あたりから日本に逆上陸!日本法人SYMジャパンを通じての正規輸入です。中でも原付スクーターの戦略モデル”DD50”は、かつてのホンダの世界戦略モデル”AF18Dio”の色を非常に濃く残しています。

そう、AF18Dioは台湾で独自の進化を遂げて生き残っていたのです!
そしてホンダの2ストスクーターが絶滅した今でも、新車で入手可能なのです!!!


・一応は廉価な原付スクーターとしての位置づけであり、一般的に性能面ではクローズアップされることはないかもしれません。
しかし、縦Dioマニアにとっては待ち望んでいた至宝なのです!
まあ、どこがどう至宝なのかは長くなるので割愛しますが、台湾からの輸入されている縦Dio用パーツの多くは実はこのモデルを対象にして製作されてきたものなのです。
 それはつまり、このモデルには数多くの改造部品が出回っていること、また、過去の経緯から縦Dioとの共通性が高くそれらのためのパーツも使用可能なものが多いという事です。

早い話が改造ベースにもってこい!てことです。


とりあえず今回はぼいじゃさんが購入されたということで、ご厚意により写真をお寄せ頂きましたので、某所BBSの書き込みのコピペとともにファーストインプレッション的に外観写真と簡単なレポートをしたいと思います。

ノーマルに戻して通学に使用していた、うちのスーパーDIO君が
エンジンがかかりづらく朝の電車に間に合わなかったり、
フロントフォークもグリスだだ漏れだったり、色んなところが
そろそろ限界かなということで、ニゥ・マスィーン(ニューマシン)を購入することになりました。

フロントはディスクブレーキで、サイドスタンド付いてて、メットイン大きくて
ソコソコ早い2ストで、チューニングパーツが潤沢で
なおかつ新車で安ければ最高ということで、アドレスV100 TYPE Sが最有力候補だったのですが
それを選んで買ったのであれば、ここでわざわざご報告したりしませんです。

で、何を買ったのかというと、現行唯一で正常進化版の縦DIO!
台湾SYMのDD50です。
パワーは多少弱いですが、Todayと同価格帯にもかかわらず超充実装備。
チューニングパーツは、エンジン周りから駆動系に至るまで
弾数豊富な縦DIOの物がそのまま使えてGood!チャンバー一つとってもこの通り。(↓)
(ベリアルのサイトより。ステルス装着写真)

納車は週明けで、実際に乗っていないのでインプレはまだ出来ませんが
仕入れた情報によると、とりあえずモノは確かな物のようです。
今から楽しみです。

それにしても台湾の50ccのスクーターってなんで何処も滅茶苦茶似た外見なんだろう…?

排ガス規制はスペックシートを見る限り規制値以下なのでかかっているようです。
騒音規制も95dbではなくて84dbですね。
こっちは2種にすれば規制が緩むので大して気にはしませんが。

インプレ・チューンはJAM-Sというショップさんがやってくれてます。
http://www.jam-s.jp/dd50kai..htm

ただ、台湾スクのメーターは+方向への誤差が大きいのであんまりアテにはなりませんが
ボアアップと吸排気系、駆動系のポン付けチューンで3桁逝くかもと淡い期待をしていたり。

エンジン・駆動系に限らずもしかして足まわりも一緒?
そうであるなら、長年の夢であった金サス+WAVEディスクってことも出来ますねぃ。


というわけで納車です。

本体価格 \99,800
納車整備手数料 \10,500
計 \110,300也

登録代行手数料 \5,250
自賠責書換手数料 \3,150
は、自分でやったので只です。

通常なら手続きの関係で土日を入れずに2〜3日かかるのですが
廃車、登録、自賠責の書き換えを自分で済ませたので、こんなに早くできました。
原付の登録整備って有って無いようなものですし。



グリップですが、オーバル形状で操作性も良く握りやすい。
シートは2人乗り前提のため大きく、ウレタンも良いものが使われていて
ムッチリとしていて、デイトナのCOZYとまではいかなくとも座り心地は良いです。


重心はスーパーディオと比べてかなり高めですかね。
ヒラリヒラリと上半身の荷重移動に付いてきます。

購入2日目、走行30kmにして最高速アタック(爆)
メーター読みで50km/h超えるとエンジンが悲鳴をあげるようになり、そのまま70km/h超まで出ます。
まぁ、台湾メーターなので1割ぐらい差っ引くと実際の速度でしょうかねぇ。
蚊柱に何度も飛び込んでしまいました。虫のショットガン喰らいましたよ。
Fブレーキはパッドとディスクにアタリが付いてきたのかかなり効くようになりました。

リアサスはガチガチです。これも2人乗り前提のためなのでしょうか?体重の重い自分にとってはメリットです。
これに関係して重量配分がノーマル時はフロントヘビーです。
初の給油で加減が分からず派手にこぼしてしまいました。
タンクの中が見えないというのも考え物ですね。

ブレーキですが、当初はパッドに当たりが付いていないためなのか、材質の問題なのか、前輪のディスクブレーキはあまり効きませんでした。後輪のドラムブレーキのほうが効きが良い感じ。
しかし購入2日目、Fブレーキはパッドとディスクにアタリが付いてきたのかかなり効くようになりました。

フロント周りは台湾DIOと同じでアクスルシャフトが12mmと太いそうです。
KN企画のデモマシンに付いているパーツの多くがポン付けで、220mmBIGローターや台湾製アルミホイールも付くらしいです。
あとはメーターギアはリード90と同じだとか。

ギアの丁数は…多分、廃車まで開けないかも。(爆)
何故なら、ドレンボルトが追加されていてケースをバラさなくても完全にギアオイルを抜くことが出来るので。

エンジンはおとなしいです。駆動系が低回転で変速しているようでこれも関係しているのかな?
セラミックコートシリンダーのおかげかとても静か。変な振動とかはありません。
排ガス規制モデルのため、エアクリにはブローバイ還元のホースが付いてます。

駆動系に関してですが、エンジンと同じく、かなりマイルドな味付けになってます。
クラッチミートが遅めで、30km/hぐらいまでは4ストスクーター並みに静かです。
50km/hぐらいまでスルスルと伸びていきます。
それ以上は馴らし中のため試していません。

追伸・駆動系カバーは前半分はAF18Eとまったく同じ形状をしていてちょっと笑いました。
(セルモーターの位置とか、あの特徴的なキックギアの出っ張り部分とか)

タイアはDURO社(?)製の物が付いていて、
爪を立てた感じかなりコンパウンドは柔らかめでした。持ちが心配です。
もしかしたら、TT91やBT-39よりも柔らかいかもしれない。(汗)

行程100kmほどのショートツーリングに出かけました。
六甲山に行ってきたのですが、ソコソコ登りますね。
チェンシン製のDUROタイアは流してただけなのに、デロデロに溶けました。
ヒゲはとうになくなって、溝の角が削れてしまってます。堅くて滑るよりは全然マシですが。
下りは80km/hで一杯一杯です。それ以上はエンジンが壊れそうな回転に達してしまいます。

帰りは信号の無い60km制限の道路で、再び最高速アタックしましたがやはり70km/hまでですね。
アクセル開度3/4ぐらいで巡航出来ますので、本来のポテンシャルはもう少し上のようです。

帰る途中でKN企画さんに見せびらかしに行ったのですが、(爆)
店頭販売休止中で、KOSOプーリーも欠品なんて知りませんでした。
突然押しかけて悪いことしちゃったかなぁ。



駆動系バラしました。ケースを締めてるナットが滅茶苦茶堅くて一本ナメてしまいました。
浅いので奥まできっちり差し込んでラチェットを回せば大丈夫なんですが。

ウェイトローラーは外側の樹脂は白に近いクリーム色、ウェイトは黄色に着色されていました。
流石に走行200kmでは偏摩耗どころか摩耗すらありませんでした。
プーリーボスは36.5mmです。ベルトの幅を測るのを忘れました。(汗)
でも補修用のストックで持っている非ZX用のベルトよりは明らかに太いです。
セカンダリ側のプーリーの外径は119mmです。トルクカムのピン数は3。
クラッチにはGAEと書いてました。

あと、必然的に下回りを見ることになるのですが、
フロントフォークにはフォークブーツが付いていました。シールの破損防げますねぇ。

KOSOのハイスピードプーリーを入手したので付けてみたのですがWRのセッティングなしでは
話になりません。15km/hまでエンジン回転が異様に低くまともに走りません。
20km/hを超えたあたりから50km/hまで、体が後ろに持って行かれるような加速をして
60km/hでエンジンが呻って頭打ち。一旦アクセルを戻して再び開けると呻ったまま70km/hに到達。
駆動系全体が滅茶苦茶熱くなって、いつぞやのスライドピース&ウェイトローラードロドロ事件に
なるのはイヤだったので、数km走って速攻で純正に戻しました。
見比べてみると外径はノーマルと同じでした。
ローラーガイドの形状は、ガンガンプーリーを押し出してやるぜって感じで気合い入ってます。(笑)


ベルト幅測りました。
毎度おなじみバンドー製で型番は23100-M7Q-0000。
ホンダっぽさ全開です。

工具についてですが、キジマの文鎮型プーリーホルダーはボルトを流用すれば使用可。
クラッチハウジングナットもホンダ用の工具で外せます。
工具も流用が効くって大きいですよ。一式そろえるとソコソコの値段しますから。


・そんな訳で、ぼいじゃさんからのインプレッションでした!
わざわざお写真お送りいただき、誠にありがとうございました。

・本文中から抜けてしまいましたが、これはDD50のメーターです。どうやらスーパーDioと同じ形状とのことです。90キロスケールなんですよねw
ただ実際に使ったことのある方のお話では、燃料系エレメントの仕様が日本仕様と違うこと、精度的にちょっと弱い、といった事があるそうです。KOSO製のデジタルメーターと同じ方法で流用ができるかも。




・こっちはメットインボックスです。写真で見る限り、スーパーDioと同じくらいでしょうか。
最近のモデルに比べたら狭いですが、フルフェイスがちゃんと入るならそこそこ実用的です。

・部品流用についてのノウハウはまだこれからというところかもしれませんが、是非また続報をレポートさせていただけたらと思います。

 でわでわ!