電気で
うごく
すくーたー

なんで電気なの?
電気モーターを自動車やバイクに使うことは、排気ガスのクリーン化などの理由で注目されてきました。それと、モーターの出力は低回転のトルクが高くて、複雑なトランスミッションを使わなくてもタイヤを駆動できるという利点があるので、ある意味理想的な動力源とされています。
でも、ガソリン内燃機関に比べて、コントローラーや電池の性能が良くないので、これまではどうしても主流になることができませんでした。
(電池を使わないで常に外から電気を供給する方式の「電車」なら、全く持って一般的ですけど)

スクーター+電気
スクーターは自動車に比べて、航続距離が短くてもいいので、電気駆動にするのにはより適していると言えるかもしれません。街中で買い物や通勤など数キロくらいの移動に使うことを目的とした乗り物なのです。
街中でガソリンスタンドはやっていなくても、自宅や職場にはコンセントくらいはありますよね。必要に応じて手軽にちょくちょく充電さえできれば、ガソリンスタンドに行かなくていいぶん、ある意味手軽と言えるかも。

ただし、今売られている電気自動車はガソリン車に比べて価格が割高になってしまうのですが、スクーターはもともとの価格が価格なだけに。割高とは言ってもまだ普通に手が出せる範囲。だから、より現実的で身近なものなのです。
(電気自動車では数百万円くらいしてしまうのに比べて、スクーターはその10分の1くらい)

と、いうか
もっとダイレクトに言うと、電気ってガソリンで動くものじゃないんです。いままでのガソリンで動くものとは違う新しいもの。僕が「男の子」だからでしょうか、そういうのにとっても興味があったりして。
いままでガソリンのスクーターを弄って遊んでいたことの延長で、ちょっと違った電気スクーターってのも面白そうだなと・・・

「電気スクーターなら買える(つくれる)かも。」
そんな期待をしてみたり。

そんな訳でマイブームの、電気スクータについてです。



(1)東京R&D

上は、「ヤマテ ES600」というモデル。

90年代に市販されているモデルです。
鉛バッテリーをコンセントから8時間かけて充電して、数十キロ走れます。

このヤマテES600を開発したのは、東京R&Dという会社です。
以前のモーターショウでもこの会社はオリジナル電動スクータを展示していた実績もあったりして、積極的なんですよね。

この東京R&Dからは、つい最近にもズーマーをベースにした電気スクータが発売されました。

それが下の「ELE−ZOO」というモデルです。ES600の発展型みたいなものでしょうか・・・?

  

東京R&Dのサイトによると、ELE−ZOOにはPUESという会社のシステムを採用しているとのことでした。それが上の写真のモーター、「PUES21」という製品です。
電気スクータへの使用を念頭においてつくられたモデルで、ホイールインではないものの、CVTミッションを不要とし、更にDCブラシレスモーターとそのコントローラを一体化してあり、これによって軽量化とコストダウンを達成できたそうです。。

PUES21諸元表








種類 永久磁石式同期電動機
最大出力[kW] / 回転数[rpm] / 許容時間[min] 0.58/5,200/60
定格出力[kW] / 回転数[rpm] 0.58/5,200
最大トルク[N・m] / 回転数[rpm] 8.40/3,400
最大回転数[rpm] 9,000
質量[kg] 7.6(制御装置含む)
寸法( x L [mm]) 150 x 268
冷却方式 自然冷却




種類 インバーター
パワー素子 FET
最大容量[kW] 3.5
バッテリ電圧[V] 72


主電池 種類・型式 ニッケル水素
容量・電圧[Ah](HR)・[V] 6.5(5)・1.2
積載個数 120
総電圧 72
補助電池 型式・電圧[V] -



設置型式 車載型
充電制御方式 定電流充電
交流入力電源 相数・電圧・電流 ・[V]・[A] 単相100[V]・10[A](最大)
標準充電時間[h] 2.5


(2)プラスバ


上はスクーターではありませんが、バイク愛好家の方が製作されたGAGベースのコンバートEVです。

以前、SS1/32に出場ていたのを直に見て、なかなか面白そうだなと思っていました。
ホイールインモーターによる後輪駆動です。とてもコンパクトにまとまっていますね。
しかも製作された方は完全なプライベーター。ここまでできちゃうもんなんですね・・・
制作者の方のサイト「橘研究室」によると、パワーユニットにはプラスバという会社の製品を使っているそうです。
制作者の方は、部品調達にも苦労されたそうです。

下のはエコシステムの「EG800」という製品です。
アジア製のスクーターをベースに、プラスバ製のユニットを使って電動に改造したというかんじですね。しかし上の東京R&Dに比べて、ぐっと簡単な構造にできているようです。ホイールインモーターの恩恵かな。

EG800 主要性能
最大出力 48V/1.5kW
バッテリー 鉛シールド
充電時間 4〜5時間
最高速度 60km
1充電走行距離 60〜80km(30km/h定速)
重量 125kg(バッテリー含む)
車体色 黒、白、赤、青、緑、その他可

写真以外の機種やオリジナルの注文にも対応可能です。


(3)ヤマハ・パッソル

これは、ヤマハから地域限定発売されている、パッソルです。メーカー製のためか、ほぼ完全なブランニュー製品としてつくられています。

ヤマハはPASなどの実績もあり、この分野は進んでいるみたいです。電池としてリチウムイオンを採用しているのは、やっぱりPASでの実績があるからでしょうか。
(東京R&D:ニッケル水素、エコシステム:鉛)

後輪はホイールインモーターのように見えますが、ちょっと違うかも。遊星ギヤによるリダクションをしているようです。

このパッソルは、他と違ってアルミ製の専用フレームも採用して、なおかつ価格も比較的安いです。完成度・コストパフォーマンスなど、ポイント高いですね。さすがはメーカー製。


全長×全幅×全高  
1,530mm×600mm×995mm
軸間距離  
1,040mm
最低地上高  
115mm
シート高  
745mm
車両重量  
44kg(バッテリー未装着時38kg)
乗車定員  
1人
1充電走行距離
 
32km(30Km/h定地走行テスト値)
最小回転半径  
1.6m
原動機型式
 
Y801E
原動機種類  
交流同期電動機
定格出力
 
0.58kW
最高出力  
0.95 kW/1830rpm
変速機形式  
遊星減速機
ブレーキ形式(前/後)  
ドラム(リーディングトレーリング)
タイヤ(前/後)
 
60/100-12 36J (チューブタイプ)
懸架方式(前/後)  
テレスコピック/ユニットスイング
フレーム形式
 
バックボーン(アルミパイプ)
バッテリー種類  
リチウムイオンバッテリー
バッテリー電圧/容量
 
25V/14Ah
充電時間  
80%まで約1.5〜2時間/100%まで約2.5時間
バッテリー充電電源
 
AC100V
 
●メーカー希望小売価格  ¥200,000(税別)
(専用充電器別売¥15,000円(税別))
※価格には保険料、税金(含消費税)、届け出に伴う諸費用は含まれていません。
カラー/イエローソリッド1


(4)三光レッカー




こちらは、三光レッカーさんが製作されたフュージョンをベースにしたコンバートEVです。

他の電気スクーターと違い、電気自動車に使われるほどハイパワーなユニットを使っています。
複雑な変速機やクラッチを使う必要がないから、自動車に使われるような・・・といってもモーターが写真みたいにのっかっているだけ。原動機自体はとってもコンパクトなんです。

流石にバッテリーなんかはすごくスペースをとるみたいですね。でも、航続距離もEV自動車並み。配置の自由度が高いので、うまいことのっかってます。

パワーやスピードは、他のげんつきクラスに比べて段違いに高いですが、流石に公認をとって乗るには、中型免許が必要みたいですが。
(他のはほとんど原付免許でOK)

諸元表
形式 MF02
車名 ホンダ
定員 2名
車体重量 280kg
原動機の形式 K91−4003
原動機最大出力 定格6kw  最大35馬力(25kw)
原動機最大トルク 8kg-m/0rpm(84V400A時)
コントローラ CURTIS PMC 1220C-7701 最大120V400A
蓄電池 デルコMF27(12V105Ah/20時間率)
75Ah/5時間率
蓄電池個数、総ボルト、重量 12V×7個直列=84V、20kg×7個=140kg
一充電走行距離 120km以上(50km/h定速)、90km(市街地走行)
最高速度 95km/h(ギア比1:4時) 125km/h(ギア比1:3時)
150km/h(ギア比1:2時)
トランスミッション 無し(Fixed) 520Chainと42歯スプロケットによる1段変速


(5)その他
これは、モトコンポの愛好家の間で紹介されていた、電動コンバートのモトコンポです。

モーターはスイスのmaxonというメーカーのもので、0.25kwと小さいです。

最高速度は時速22キロ、走行距離20キロくらいなんだそうです。

でも変速機構のないモトコのエンジンって・・・ある意味こういうのには適しているかも?
(クラッチは殺して直結にしたほうがいいよね)



と、まあ、こんなところで。なんだかんだで部品集めにお金はかかりそうですけど。結構僕でもつくれちゃいそうな気が・・・しないでもないです。

パッソルは例外として、このテのスクーターはまだまだ完全なマスプロダクションとは言えず。それだけに、自作オリジナルでも同じようなものが好きなようにできるんではないかという気がしてしまうのも楽しいですね。

う〜ん、お金がもっとあったら・・・やってみたいなあw