Card:HP60のクリーチャー


 侵略を防ぐ

 前項のST50のクリーチャーでも触れたことですが、クリーチャーには「領地を確保すること(=クリーチャーの生存)」が、求められます。
 では、殆んどのクリーチャーを排除できるST50のクリーチャーの侵略を防ぐためには、どのようなクリーチャーを使えば良いのでしょうか?答えは簡単――HP60のクリーチャーを使えば良いだけのことです。ST60以上を出すためには、何らかの制限を持ったクリーチャーが殆んどなので、HP60のクリーチャーを用意すれば低レベルでの戦闘で優位に立てます。
 ここでは、召喚条件を持たず、ST50、HP40のクリーチャーの攻撃を防げるクリーチャーをピックアップします。なお、先制クリーチャーはHPが40以上のものに限定しています。そうしないと、先制・無効化クリーチャーに弱すぎるためです。

 ガスクラウド    火属性クリーチャー  レアリティ:N
 ST:30 HP:30 コスト:70  配置制限:なし アイテム制限:防具
 無効化[受けるダメージの1/2(巻物攻撃を除く)]


 通常攻撃を半分に無効化するため、実質HP60を持つ配置制限の無いクリーチャーです。リビングミラーとの相性が良く、ST変化系のクリーチャーにも、スクロール攻撃にも対処しやすいのが特徴です。ただし、スペルによる干渉には弱いので、過信は禁物です。

 ケットシー    火属性クリーチャー  レアリティ:S
 ST:20 HP:30 コスト:60  配置制限:水 アイテム制限:なし
 スペルや領地能力の対象に選べない:無効化[ST40以上のクリーチャー]


 「STの高いクリーチャーの攻撃を無効化する」という理に適った能力の持ち主。地形効果を受けていれば、アイテムや支援効果など、何らかの要因が無い限り直接攻撃で落とされることがありません。さらに、スペル・領地能力の対象外なので、かなり安定して領地を守ることができます。
 一方で、【テンペルト】や【スカルプチャー】のような、対象を選ばないスペルに弱く、場の展開で価値が激変します。また、ST変化系のクリーチャーにも弱く、あっさりと倒されてしまうことも多いです。しかし、これらの弱点を差し引いたとしても、十分に使える部類のクリーチャーです。

 アイスウォール    水属性クリーチャー  レアリティ:N
 ST:0 HP:40 コスト:60  配置制限:火 アイテム制限:防具・巻物
 防御型:戦闘中[HP+30]


 戦闘中はHPが70になるため、単純な攻撃で排除することは非常に困難です。ただし弱点も多く、【ルナティックヘア】に弱いことと、ダメージスペルにはあまり耐性が無いことが挙げられます。また、【リビングレイピア】のような先制付与アイテムとの相性が悪く、中盤以降に引いても援護などに使いづらいという点も無視できません。
 配置さえしてしまえばこれらの弱点を補って余りある耐久力を持つので、序盤から中盤までに、いかに配置するかがポイントとなります。

 タラスク    水属性クリーチャー  レアリティ:N
 ST:50 HP:60 コスト:100  配置制限:なし アイテム制限:巻物
 後手


 後手というデメリットはありますが、高いSTとHPを持ち、侵略・防御をこなせる実力者です。コストは高いですが、高いだけの働きをしてくれます。【アイスウォール】の持つ弱点を全て克服しており、どのタイミングで引いても使い道があります。とりわけ【ブラッドプリン】との組み合わせが使いやすいです。
 また、後手を持っているためST50のクリーチャーとしての評価はしませんでしたが、防御側の攻撃に耐えた後、ダメージを与えて侵略する事ができます。こうした侵略用のクリーチャーとして評価すると、【カウンターアムル】を使われても反射ダメージで破壊されないという特徴が浮かび上がってきます。これは他のST50のクリーチャーには無い特徴です。カードを消費することなく【カウンターアムル】を削れるので、狭いマップでは特に有効と言えます。

 アンゴスツーラ    地属性クリーチャー  レアリティ:N
 ST:20 HP:60 コスト:80  配置制限:なし アイテム制限:武器・巻物
 防御型:即死[MHP30以下のクリーチャー・80%]


 配置制限の無いHP60のクリーチャーです。防御型なので侵略には使えませんが、MHP30以下のクリーチャーを対象とした即死能力を持っています。先制付与アイテムや【チャリオット】【イントルード】など、他のカードと組み合わせてアグレッシブに攻めることもできます。
 地属性の主力クリーチャーは防具を使えないものが多いのですが、【アンゴスツーラ】は防具を使えます。【マグマアーマー】や【スペクターローブ】などを使いたいのであれば、【ドラゴンゾンビ】などよりもカードの相性は良いでしょう。

 ストーンウォール    地属性クリーチャー  レアリティ:N
 ST:0 HP:60 コスト:30  配置制限:風 アイテム制限:防具・巻物
 防御型


 【アイスウォール】にはHP10ほど劣りますが、ダメージスペル耐性、援護クリーチャーとの組み合わせ、コストパフォーマンスなどに優れており、バランスの取れたクリーチャーと言えます。【アイスウォール】ほど突出はしていませんが弱点の少ないカード、と言えば分かりやすいでしょうか。
 しかし、注意点として継戦能力に欠けることが挙げられます。STが0なので反撃でクリーチャーを倒すことは期待できず、横付けされたクリーチャーからの移動侵略を苦手としています。早めの達成を目指すブックに投入し、移動侵略などの隙を与えなければ、この弱点は解消できます。

 スピニーアガマ    地属性クリーチャー  レアリティ:N
 ST:20 HP:30 コスト:50  配置制限:なし アイテム制限:防具・巻物
 反射[受けるダメージの1/2(巻物攻撃を除く)]:領地[80G・【セイモスドン】に進化]


 貴重な反射能力を持つクリーチャーです。【ガスクラウド】同様に【リビングミラー】との相性が良好です。侵略・防御どちらにも使え、進化によるダメージスペル耐性を持ち、配置制限がありません。このように高い汎用性を持ちますが、決定力には欠けるので何らかのカードによるサポートが必要になります。

 ドラゴンゾンビ    地属性クリーチャー  レアリティ:N
 ST:40 HP:60 コスト:100  配置制限:風 アイテム制限:防具
 


 【タラスク】と同じく高いステータスを持つクリーチャーです。ST40しかありませんが、後手を持っていません。他の地属性のクリーチャーとは異なり、弱点が少なく安定して使えます。また、地属性は援護クリーチャーが多く、終盤に引いても使い道に困る事はありません。コストと配置制限がややネックです。

 ロックシェル    地属性クリーチャー  レアリティ:N
 ST:40 HP:30 コスト:70  配置制限:なし アイテム制限:巻物
 即時:領地[40G・自分自身に【ピース】の単呪効果]


 自分に【ピース】をかけて領地を確実に確保できるので、地属性ブック以外にも入るだけのポテンシャルを持っています。ただし、トータルでのコストが110Gと土地価値を上回り、序盤に配置すると資金不足に陥るでしょう。周回ボーナスをたくさん得るなどして領地数のアドバンテージを確実に引き出せる環境であれば、この弱点をフォローできます。総じて狭いマップの方が価値が高いです。

 テング    風属性クリーチャー  レアリティ:S
 ST:40 HP:40 コスト:110  配置制限:なし アイテム制限:なし
 先制:巻物強打:エリア内の離れた、敵セプターが持つ[風]地形へ移動できる


 STとHPが40以上の先制クリーチャーその1。先制+巻物強打により、主に敵拠点へのピンポイント侵略に使いますが、連鎖確保要員としても優秀です。ただし、地価よりも高いコストが求められるにも関わらず、【ロックシェル】よりも安定して領地を守れません。メインに据えると魔力の確保に苦労します。

 トルネード    風属性クリーチャー  レアリティ:N
 ST:20 HP:50 コスト:50  配置制限:地 アイテム制限:防具・巻物
 先制:防御型:戦闘中[ST+30、HP-10]


 STとHPが40以上の先制クリーチャーその2。防御型ながら先制で土地を守る変わったクリーチャーです。【テング】とは異なり侵略には使えませんが、標準的なコストでばら撒いて使うのに適しています。【アンゴスツーラ】同様、【チャリオット】や【イントルード】で攻められるので、ブック次第では主力になるでしょう。【ボーパルソード】を持たせれば先制ST120!

 ミラージュ    風属性クリーチャー  レアリティ:S
 ST:30 HP:30 コスト:50  配置制限:なし アイテム制限:なし
 呪身【シミュラクラム】


 呪身【シミュラクラム】により、通常攻撃への無効化を持っています。呪い効果なので上書きされると台無しですし、移動侵略にも弱いです。しかし、配置制限が無く、コストも控えめに設定されているので、非常に使い勝手が良いです。
 また、【クラッシャーストーム】を連発されるなどしてアイテムが切れてしまった場合、援護クリーチャーのいない風属性は不利になってしまいますが、【ミラージュ】はアイテムを必要としないので、拠点を任せてしまうこともできます。HP30なのでダメージスペルには弱いですが、【スカルプチャー】には強い、という面白い特徴があります。

 ワイバーン    風属性クリーチャー  レアリティ:S
 ST:40 HP:40 コスト:90  配置制限:地 アイテム制限:防具
 先制:エリア内の離れた[風]地形(空地)へ移動できる


 STとHPが40以上の先制クリーチャーその3。侵略も防御もできるという点では【テング】と似た使い方ができますが、こちらは空地に飛んで連鎖を伸ばすのがメインになります。支援効果が得られるように移動すれば事実上ST50になり、さらに領地を守りやすくなるでしょう。

 ST50のクリーチャーからの侵略を防ぐには、これらのクリーチャーを使えば良いのですが、ブックや戦術によっては全く入らない、ということもあり得ます。例えば、極端に広いマップでは戦闘が発生しにくく、クリーチャーのコストを優先して戦闘力を落としても問題なく連鎖を伸ばせることがあります。クリーチャーにどこまでの戦闘力(ST,HP)を要求するか、環境やブックの方向性に応じて見極めなければなりません。必ずしも、戦闘で強いクリーチャーが試合において有効であるとは限らないのですから。
 また、属性に応じて連鎖の伸ばし方や土地の維持の方法を比較検討するのも大切です。相性の良いアイテムを揃えておいた方が、カードを無駄にする局面は減らせます。例えば、【アイスウォール】をメインにするのであれば、【リビングレイピア】を入れてもあまり意味がありません。【カウンターアムル】を数枚入れておけば、領地の防御は十分でしょう。逆に【タラスク】をメインにするなら、【リビングレイピア】の需要はグッと高まります。これは他の属性でも同じ事が言えるので、侵略手段も含めて自分なりのアプローチが必要です。