Gravity Control
制御

カルドセプト リボルト戦術論 7-2 カード枚数の意味

1 ドローに必要な枚数とラウンド数の平均値

 あるカードをブックに入れようと考えた場合、そのカードを何枚入れるべきなのでしょうか。
 次に示すのは、カードを1~4枚入れた場合に、1~4枚目をドローするために必要な枚数の平均値とラウンド数の平均値を図に表したものです。
 ただし、あくまでもドローに要する枚数・ラウンド数の平均値であり、そのラウンドまでに引いて来ることを意味するものではありません。4枚入れのカードが初手に4枚ある可能性や、1枚入れのカードが最後に引いてくる可能性は、当然ありえます。

 また、これはブック構築段階での確率計算に過ぎません。実際の試合では、次々とドローされたカードの結果によって、確率は大きく変化します。試合中に目的のカードを引くラウンド数を求めたいのであれば、下の計算式を用いて計算しなおす必要があるでしょう。

 ※ 計算式
 A枚目の特定のカードをドローするのに必要な枚数の平均値 =(ブック枚数+1)÷(特定カードの枚数+1)×A

2 そのカードはいつ、ドローするのか?

 この表から、あるカードをブックに入れる時に、何枚入れればどのタイミングで引いてくるかが想定できます。例えば、「3枚入れのカードを21Rまでにドローする枚数はおおむね2枚」と考えられるので、「25Rまでに試合が終了する見込みであれば試合中にドローする枚数はおおむね2枚」と言えるでしょう。
 あるルールにおいて、自分のブックが何ラウンドでの試合終了を想定しているのかによって、そのカードを採用する枚数の意味に違いが生じます。20R前後の早い目標達成を目指すのであれば2枚入れのカードは1枚ドローできるかどうかですが、30Rまで試合を長引かせるのであれば2枚とも引けるだろうという見込みが立ちます。

3 カードの機能とカード枚数

 前述したカードの機能とカード枚数とは次のような関係性があります。
 カードの機能は、試合中に必要となる回数が決まっています。何回でも使いたい機能であれば3・4枚入れても良いでしょうが、1回で済む機能であれば何枚も入れるのは考え物です。例えば【マナ】であれば何回でも使えますが、【ランドトランス】は試合中に使うのはせいぜい1回程度でしょう。自ずとブックに採用される枚数も異なってきます。
 また、機能率が高く、機能時間帯も長いカードは、たくさんの枚数を入れても使い道に困りません。少しだけ入れても引いたタイミングで役に立ちますから、ブックに入れる枚数は流動的に捉えることができますし、似たような機能を持つ他のカードに一部を差し替えることも容易でしょう。
 逆に、機能率が低く、機能時間帯が短いカードは、たくさんの枚数を入れても特に使いどころがないでしょう。少しだけ入れて手札に抱え、タイミングを見極めて使うことになります。少量だけ入れるので、他のカードに差し替えることも困難です。

 やや例外的ではありますが、機能時間帯が限られるカードを4枚入れることもあり得ます。例えば、【G・ノーチラス】や【ランドアーチン】などの拠点防衛用のクリーチャーは、STが低く侵略には不向きな一方で、高いHPや防衛向きの能力を持っている上に、召喚条件が無く使いやすいという特徴があります。機能時間帯だけで考えれば、序盤から中盤に引きたいカードです。
 しかし、これらのカードは4枚ブックに採用されることも珍しくありません。理由としては「終盤にドローしても使い道がない」というデメリットを、補って余りあるほどのメリットがあるため、序盤から引けるように4枚入れられるのです。また、【アクアデューク】や【シルバンダッチェス】といった優秀な援護クリーチャーの存在が、たとえ終盤にこれらをドローしても手札で腐らせる可能性を低くしています。つまり、援護クリーチャーはクリーチャー・カードの機能率を高め、機能時間帯を伸ばす性質があると言えます。
 これらカードの機能とカード枚数の関係性を、ルールに基づく避けられない運命とするのではなく、プレイヤーの意図したように「必要な時間帯にのみ、必要なカードを、必要な枚数だけ引いてくる」ために、【ギフト】などのドロースペルを用いるのです。

4 カード枚数の意味付け

 やや私見も混じりますが、ブックにカードを採用する時の枚数の意味付けは、次のように考えられます。

1枚入れるカード【例:各属性の王、ウォーロックディスク、リンカネーション】

 1枚入れるカードは試合中に引けるかどうかは分かりません。これを使うことを想定するのは難しいでしょう。
 しかし、試合中に必ずしも使う予定の無いカードでも、ブックに1枚入れることでブックのポテンシャルを引き上げます。1枚入れのカードはブックに多様性と可能性をもたらし、プレイングの幅を広げてくれるのです。

2枚入れるカード【例:ドレインマジック、ランドトランス、アステロイド】

 試合中に1枚は引いておきたいカードは最低でも2枚入れるべきです。
 この「引いておきたい」という言葉は「使うとは限らない」ことを意味します。カードは使用せずとも、提示効果によって試合に少なからぬ影響を与えるのです。

3枚入れるカード【例:地形変化スペル、ランドドレイン、バリアー】

 試合中に最低でも1回は使いたいカードは3枚入れるべきです。
 2枚入れのカードは適切なタイミングでドローされることが約束されておらず、肝心の使いたいタイミングに引いてくるとは限らないからです。

4枚入れるカード【例:主力となるクリーチャー、マジカルリープ、ギフト】

 試合中に何回でも使いたいカード、もしくはそのブックの根幹をなすカードは4枚入れるべきです。
 4枚入れのカードは序盤から終盤まで役割が与えられており、ブックにおける主力です。ただし、特定のカードに対する虚弱性や【メタモルフォシス】などの対象になった際のリスクを考慮して、同種の似たような効果のカードに分散させるという考え方もあるでしょう。