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カルドセプト リボルト戦術論 6-3 オブリタレート

 【オブリタレート】は全てのセプターから、その所有する属性石×70Gの魔力を失わせるカードです。正に属性石に対するアンチカードですが、実は様々な使い方ができるカードでもあります。ここでは、【オブリタレート】の使い方について解説します。

 オブリタレート    複数瞬間スペル  コスト:80  レアリティ:R
 全てのセプターは、属性石の数×70Gを失う;宝石屋が無い場合、全てのセプターは現魔力の10%を失う

1 【オブリタレート】を使う(行使効果)

 【オブリタレート】を使うことで、属性石を持った相手の魔力にダメージを与えることができます。属性石の数によってはゲームの展開を左右する一手になります。
 【オブリタレート】を使うのは、大きく分けて「大きく相手の手持ち魔力を削ぐ事ができる」「相手の選択肢を制限できる」の2ケースでしょう。
 前者は単純です。10個属性石を持っている相手に打てば、700Gもの魔力を失わせることができます。
 後者は打つことによって相手の手持ち魔力が極少なくなるシーンです。手持ち魔力不足でスペルを使えなくしたり、アイテムを使えなくしたりすることで相手の行動に制限をかけられます。
 ただし、魔力をマイナスにしてしまうと、領地売却が発生し、土地を売り再増資することで、かえって総魔力が伸びてしまうことも考えられます。

2 手札に抱える(提示効果)

 【オブリタレート】は、このように強力な効果を発揮することから、行使せずとも手札に抱える(提示する)だけで、属性石の購入を抑制することができます。ただし、自分も【オブリタレート】の影響を受けてしまうので、どういう時に打ち、どういう時に保持し、どういう時に捨てるのかを考えておかなければなりません。
 例えば、クリーチャーの配置が4人の中で一番上手く行った場合には、下位のセプターが属性石の運用で巻き返すのを防ぐために、【オブリタレート】を提示する方法があります。【オブリタレート】を持ち続けて自分も含めた全員の属性石購入を抑制し、クリーチャー配置のアドバンテージで逃げ切りを狙えます。
 逆に【オブリタレート】を提示しながら自分で属性石を購入する場合、極端な数を買うと【オブリタレート】を打つに打てなくなってしまいます。相手に「どうせ打てない」と判断されて石を買われてしまっては【オブリタレート】の強みを活かせません。他のセプターが宝石屋を通過する際には「買ったら打つぞ」と提示しておき、自分だけは属性石を大量購入して【オブリタレート】を捨てるといった方法もあります。

3 【オブリタレート】を提示されたら

 相手に【オブリタレート】を提示された場合には、いくつかの選択肢があります。

打たれても大きな被害を受けない程度に買う

 属性石を買わなければ【オブリタレート】は怖くありません。
 しかし、【オブリタレート】が提示されたからと言って思考停止してしまい、属性石のメリットを全て切り捨てるのは非合理的にも感じます。
 1,2個くらいであれば、打たれないかも知れません。ひょっとしたら10個でも打たれないかも知れません。
 一方で、「これくらいなら打たれないかも」と思って属性石を買ったとしても、自分以外のセプターがすでに属性石を多く買っている場合などは、巻き込まれる可能性が高くなります。

 このように、何個買えば打たれるのかは対戦相手や状況によって変わります。
 【オブリタレート】を打つかどうかは相手が選択する権利を握っていますので、「こうすれば良い」というセオリーはありません。せいぜい自分に出来るのは、打たれても大きな被害を受けない程度に買うことくらいでしょう。

手札干渉で【オブリタレート】を破壊する

 【シャッター】、【セフト】、【メタモルフォシス】などの手札干渉スペルで【オブリタレート】を破壊する方法です。それぞれ特徴がありますが、目的としては「自分が属性石を買う」ことに尽きます。
 【シャッター】は、属性石を購入するであろう序盤において、あまり魔力を消費することなく使えます。一方、【セフト】や【メタモルフォシス】は属性石2個分くらいの魔力を消費するので、せっかく【オブリタレート】を消したのに、属性石を購入できる数が減ってしまいます。その点、【シャッター】は極めて低コストで仕事をしてくれます。
 【セフト】は、自分が【オブリタレート】を抱えて、試合の主導権を握れることが強みです。相手が属性石を買うなら【オブリタレート】を使い、買わなければこちらが一方的に属性石を買って相手を突き放すことができます。弱点としては、先に挙げた魔力がかかることに加えて、自分の手札に【オブリタレート】を残すのは、それなりに手札の管理が難しくなること、相手が【セフト】を持っていたら逆に利用されてしまうことが挙げられます。
 【メタモルフォシス】は、全員の手札とブックから【オブリタレート】を除きます。この場合、属性石の購入を止めるものは何もありませんので、自由に買えるようになります。しかし、これは相手も同じメリットを享受することを意味します。自分が【オブリタレート】を使うつもりがある、相手に【オブリタレート】を使って欲しい、というような場合は、【メタモルフォシス】で消すのは考えものです。

領地のレベルアップを行う

 先に述べたように、「【オブリタレート】を打たれたら領地売却を行う」という状況を作れれば、たとえ【オブリタレート】を打たれたとしても、特に問題は発生しません。
 ただし、このような状況を作り出すためには、それなりに時間が必要であり、中盤以降になっているケースがほとんどでしょう。そういう意味では、【オブリタレート】の機能する時間帯は「連鎖を組み、領地がレベルアップするまで」と言えるのかも知れません。

致命傷となる属性石の数

 ところで、属性石をたくさん買えば買うほど【オブリタレート】の被害は大きくなるイメージがありますが、実際にはたくさん購入した時の方が属性石の価値上昇幅が大きく、被害が小さくなることもあります。
 例えば、属性石を1個も持っていない人が、属性石を買った直後に【オブリタレート】を打たれた場合のことを考えてみます。1~10個買った10通りのケースを全て見てみると、7個買った時の収支が最も悪く(マイナス245G)、10個買った時の収支(マイナス200G)よりも被害が大きくなります。
 すでに提示されているならともかく、今後【オブリタレート】を引かれて打たれるリスクを考えた時、半端に買わずに10個買う方が、属性石のメリットを最大限に引き出すことが出来る分だけ、強い一手と言えるかもしれません。

4 【オブリタレート】を利用したランドトランス戦術

 【オブリタレート】で魔力を失うのは、自分も含まれる性質を利用して、自分が属性石を持っている時に敢えて【オブリタレート】を打つことにより、魔力をマイナスにしてスペルカード【ランドトランス】のように使うことができます。
 例えば属性石を3個、魔力が200Gの時に【オブリタレート】を打てば、スペル代80Gと70G×3個分の魔力が減ることでマイナス90Gとなり、土地を売却することができます。
 この場合は自分も【オブリタレート】の被害を210G受けることになりますが、スペルカード【ランドトランス】(土地価値×0.7倍)よりも高い価格(土地価値×0.8倍)で売れるので、多少の損はカバー出来るでしょう。