Gravity Control
制御

カルドセプト リボルト戦術論 1-4 初期ブックの特徴

 カルドセプトのゲーム開始時に渡される初期ブックは、カードパワーは低いものの、比較的扱いやすい構成になっています。ここでは、初期ブックの特徴を明らかにすることで、ブック編集のポイントに触れます。

ブック火地
ブック水風

1 クリーチャーの召喚条件がない

 採用されているクリーチャーには、領地コスト、生贄コストなどの召喚条件がありません(例外は【キメラ】のみ)。ゲーム序盤から全てのクリーチャーが配置可能なのです。召喚条件をオミットすることで、ゲームの基本構造を学びやすくなっています。
 また、殆どがレアリティ“N”のカードで構成されています。カードが分かり易い能力で揃えられているため、扱いやすいでしょう。

2 カードパワーが低い

 さて、今度は弱点の話になります。【ガスクラウド】や【G・ノーチラス】は普通にブックに投入されるカードです。しかし、およそ半分ぐらいのカードはあまり使われません。これはカード単体のパワーが弱いためです。
 初期ブックのカードは低コストではありますが、強さ(特にクリーチャーやアイテム)は最低レベルです。これは戦闘でのトータルコストの面では優位に立てるものの、決定的な侵略、防御の手段を欠くことを意味します。初期ブックで戦闘を行う際は、低レベル領地戦闘以外では攻めるのも守るのも難しいと考えた方が良いでしょう。

3 スペル解説

 「1-3:カードの分類」では、スペルを“プレイヤーのスキルが問われるカード”と表現しました。これは使うタイミング、対象がプレイヤーの技術に依存するためです。そこで、初期ブックに採用されているスペルの代表的な使い方を紹介します。

 ホーリーワード1    単体呪いスペル  コスト:30  レアリティ:N
 対象セプターに“ダイス1”の呪いをつける(次のダイスを1にする)


 ホーリーワード3    単体呪いスペル  コスト:10  レアリティ:N
 対象セプターに“ダイス3”の呪いをつける(次のダイスを1にする)


 ホーリーワード6    単体呪いスペル  コスト:50  レアリティ:N
 対象セプターに“ダイス6”の呪いをつける(次のダイスを1にする)

 ホーリーワード(全部で1、3、6、8と4種類)は様々な使い方ができます。次の3つの使い方は基本的なものなので、是非、身に付けてください。

 フライ    単体瞬間スペル  コスト:50  レアリティ:N
 使用者の次のダイスを3つにする

 自分が速く進むことによって、ゲートボーナス、周回ボーナスを得られますが、【フライ】のコストもそれなりにあるため、収支全体で言えばトントンくらいです。つまり、周回ボーナス目的で入れても役には立ちません。

 マナ    単体瞬間スペル  コスト:0  レアリティ:N
 使用者は周回数×50Gを得る

 【マナ】は確実に自分を目標へと近づけてくれます。周回ボーナスを得た後に使った方が効果が強くなるため、手札に保持するのもひとつの手ですが、捨てるよりは使った方が良いでしょう。

 ホープ    単体瞬間スペル  コスト:40  レアリティ:N
 使用者はカードを2枚引く

 手札を補充するためのカードです。基本的には、ディスカードが発生したとしても、引いたそばから使って構わないスペルです。

 シャッター    単体瞬間スペル  コスト:30  レアリティ:N
 対象敵セプターの手札からアイテムかスペルカードを1枚選び、破壊する

 敵プレイヤーのアイテムカードかスペルカードを1枚選んで破壊します。  このカードは最善手を打つのが非常に難しく、「なんとなく」使ってしまいがちで、それでもそれなりの効果がありますが、盤面を決定付けるだけのポテンシャルを秘めています。
 ここで問題です。自分が1位の時に次のプレイヤーA、B、Cの中から、【シャッター】の対象を選んでください。

 実は、解答はひとつではありません。Aにレベルアップできる領地があった場合はAに使うのが順当です。また、Cが確実に侵略してくるのが分かっていて、Cの侵略を防ぐ手段が無いならばCでも良いでしょう。
 微妙なのはBです。高額領地は必ず踏むとは限らない上に、【ホーリーワード】で回避することも可能です。また、防具を破壊しても侵略できる手段が自分に用意されているかどうかも問題になります。加えて、CがBの高額領地を侵略して、自分に追いついてしまうかも知れません。これでは【シャッター】を打たない方が良かったという事になってしまいます。
 最大の問題は、このような盤面の状況を見極めて適確に判断する能力です。【シャッター】を使うときは、使った後の展開も考えておきましょう。たった1枚のカードで試合の流れを決定づけられたら、こんなに素晴らしいことはありません。

 マジックボルト    単体瞬間スペル  コスト:50  レアリティ:N
 対象敵クリーチャーのHP-20

 敵クリーチャーを排除するのに有効ですが、このスペル1枚で消せるクリーチャーは非常に限られます。初期ブックの場合は移動侵略による巻物との組み合わせが有効でしょう。【リビングアムル】や【デコイ】に使うのが一般的ですが、相手のクリーチャー構成に左右されるため、ストーリーモードで使いにくいと感じたら抜いてしまうのも手です。
 ただし、初期ブックによる4人対戦の場合は少々勝手が違います。3人の【マジックボルト】を一斉に撃てば、【G・ノーチラス】以外のクリーチャーを確実に落とせるので強力な抑止力になります。その際は、レベルアップする領地を複数にして被害を最小限に食い止めてください。