Gravity Control
制御

カルドセプト リボルト マップ考察 ロングホーン

1 マップの特徴

ジャンクションとの比較

 ロングホーンは2つの角のどちらかを選択して周回するマップです。まずは、多くのセプターに馴染みの深いジャンクションと比較します。

マップ名 土地数 周回距離 20Rまでの獲得魔力
ロングホーン 24 30 2339
ジャンクション 25 28 2668

※ 20Rまでの獲得魔力はゲートボーナス、土地数、ラウンドゲインなどから独自に算出

 ロングホーンは土地数や周回距離だけを比較すればジャンクションとはそれほど大きな違いはありません。最大の違いは20Rまでの獲得魔力にあります。平均的なマップの獲得魔力が2850Gであることを踏まえれば、全マップの中でもロングホーンは突出して獲得魔力の小さいマップです。

2 分岐があっても経路選択はできない

 ロングホーンは分岐が2ヶ所あるため、経路選択ができて土地が確保しやすいマップのように見えますが、実は必ずEゲートを通過するため、周回方向が限定されやすい不自由なマップです。
 周回方向を選ぶためには、Sゲートから戻る際にE>Nと通過する必要があります。そうすれば、再度Eゲートを通過するか、通過せずにSゲートに向かうかを選ぶ余地が生まれますが、周回経路が不自由であるという点では大きな違いはありません。

S>N>Eの場合

 S>N>Eと通過した場合は、Eゲートから直ちにSゲートに向かうことになり、右回りか左回りかを分岐によって選べません。経路選択するためにはもうひとつのNゲートに向かって歩く必要があり、10歩損になってしまいます。

S>E>Nの場合

 S>E>Nと通過した場合は、そのままSゲートに向かう経路と、再度Eゲートを通過してSゲートに向かう経路の2つを選択できます。経路が選択できれば、空き地を確保したり、高額地を回避したりしやすくなります。

 このように書くと、S>N>Eのパターンの方が有利であるかのように見えますが、これは経路選択をどの時点で行うかという問題でしかありません。短期的に見れば2つの角の部分での空き地の確保や高額地回避などの要素が絡み合うため、S>N>Eのパターンの方が有利になることも多いでしょう。

経路が固定されるため空き地を確保しにくい

 周回経路が固定されると、分岐を使って空き地を確保することが難しくなります。ドローが良くても、ダイス目に嫌われれば狙った土地にクリーチャーを配置できません。ジャンクションであれば中央で経路選択できたため、空き地を確保するのはそこまで難しくはありませんでしたが、ロングホーンでは難しくなります。
 そのため、マジカルリープを使って空き地を確保したり、序盤からクリーチャーを展開できるようブックにクリーチャーを多く採用するなどの工夫が必要です。

3 踏みやすい土地はT字路だが相手の5歩先を上げればOK

 単純にレベルアップして強い土地は2ヶ所のT字路です。必ず通過しなければならない上に、角の部分を往復する時に2回通過します。

 実は、長距離経路の中間に位置するSゲート付近が踏ませやすいように見えますが、経路が固定化されやすいためT字路横の土地であっても回避されやすい訳ではありません。
 例えば、反時計回りにSゲートに向かう場合、Sゲート横の土地とT字路横の土地の踏みやすさは同じくらいです。

 また、単純に相手の5歩先のレベルを上げるのも良いでしょう。回避されてしまったら、ランドトランスして別のところを再増資する拠点の再構築という手法もあります。(決勝戦ではヨシさんがやっていました。)

 ロングホーンは魔力を得にくいものの、通行料は奪いやすく、序盤からクリーチャーを展開してレベルアップを出来れば、相手の行動をかなり制限できます。
 そのため、クリーチャーの展開と拠点の構築をいかに素早く行うかが肝要です。たとえ連鎖が少なくても、先ずはレベルアップを優先して、後から連鎖を伸ばしていく立ち回りも意識した方が良いでしょう

4 ランドトランスで拠点を作る

 ロングホーンは中程度の広さがありながらも、分岐が使いにくいため連鎖が組みにくいマップです。そのためランドトランス戦術は不利のように思えます。
 しかし、ロングホーンでは獲得魔力が小さいという特徴を踏まえると、魔力を生み出す手段としてのランドトランスには一定の役割があると言えます。達成までの道のりを手順化するためのランドトランスではなく、拠点を作るためのランドトランスなのです。

 ロングホーンにおけるランドトランスは、通常のマップのような5~6連鎖を持った状態でランドトランスを仕掛けて一気に達成ラインまで持ってくる使い方ではありません。4~5連鎖持った状態でレベル5をポンと作る、相手の5歩先に拠点の再構築を行う、という使い方になります。
 また、120G土地があることもランドトランス戦術には有利に働きます。レベルアップによる魔力消費の選択肢が多く、天然ラントラをしやすいマップと言えます。

連鎖のレジリエンス(復元力)

 連鎖は「伸ばせば終わり」という性質ではありません。相手の侵略などを受けて削られたり、侵略を防ぐためのコストがかかったりするものです。序盤から長大な連鎖を築いたのは良いものの、侵略を立て続けに受けて削られてしまった、というのは誰しも経験があるのではないでしょうか。
 連鎖のレジリエンス(復元力)という考え方は、序盤から加算的に連鎖を伸ばす力を測るものではなく、中盤以降の土地が埋まった状態から如何に連鎖を伸ばす力がブックにあるかを測るものです。
 具体的には、序盤から連鎖を伸ばす力はクリーチャーの枚数やシフト地変の枚数に依拠するのに対して、中盤以降に連鎖を伸ばす力はマジカルリープやエスケープなどの定点停止の要素と、ST50以上のクリーチャー+ウォーロックディスクなどレベル1戦闘で確定状況を作る要素に分類できます。
 連鎖のレジリエンスがあれば、4~5連鎖の状態からランドトランスで連鎖が減ったとしても、比較的短時間で連鎖を戻すことができます。また、5ヶ所の土地を守り続けるよりも、防御力の低い土地を手放して4ヶ所にコンパクトにまとめてしまった方が、防衛にかかるコストは抑えられます。その上で、5連鎖に復元すれば良いのです。

5 代表的なカードの検討

クイックサンド

 この手のマップで真っ先に検討対象に上がるカードです。そしてバーナックルとスクリーマー、セフトの存在を前にそっと諦めるカードでもあります。ただし、「クイックサンドがあるとは思わなかったので負けました」とは言いたくないので、何らかの対策はするべきです。

マジカルリープ

 直線部分が長く踏みやすいことに加え、連鎖も築きにくいので問答無用で4枚投入して良いカードです。Sゲート周回した後、マジカルリープで折り返すと最大14歩の短縮になります。場合によってはセフトで奪ってでも使いたいカードです。

ドリームテレイン

 通行料による決着が起こりうるのでドリームテレインは機能しますが、問題はドリームテレインが機能する時間帯までゲームを引き伸ばしている点にあります。その試合展開は本当にあなたに有利な状況ですか?
 ランドトランスによる自走を織り込むのであれば、3枚も4枚も投入するべきカードではありません。ラントラで試合を早々に終えられなかった場合に、長期戦になった際の保険として1,2枚投入すべきカードだと考えます。
 例えば、アステロイドやピースをブックに4枚入れますか?機能時間帯に引けていれば問題ないと考えれば、普通は1,2枚のはずです。決してメインの収入手段ではありません。メインの収入手段(長期戦)になってしまっているとしたら、それはあなたのブックにとって、有利な状況なのでしょうか。(裏を返せば、長期戦を見込むブックなら4枚投入してもOKです)

ドレインマジック

 通行料が期待できるためレベルアップに強い動機が働くロングホーンでは、多くの魔力を抱えてウロウロしているケースは稀です。そのため、レベル4以上の高額地が作られてからが本領発揮となります。ドレインマジックは天然ラントラの抑制効果があるため、相手がラントラできる場面でも、高額地を手放さずにレベルの低い土地から手放すような状況を作り出せるでしょう。(高額地を手放した場合は普通にドレインマジックを当てましょう)
 ただし、魔力がジャブジャブ湧いてくるマップではありませんから、メインの収入手段にはなりません。場で1枚を共有できれば走る相手を牽制できますが、自分が有利な状況なら相手のドレインマジックを破壊してしまいましょう。

6 ブックレシピ

TEXAS 22:8:20

 地ブックのグレートタスカー+ウォーロックディスク+スクリーマーで割とどこでも落ちるのを問題視して、MHP70のGノーチラスのいる水を選択しました。
 「連鎖のレジリエンス」の部分は、エスケープ+マカラとマイコロン、アクアデューク+ウォーロックディスクで生み出します。水が被らなければ水土地は確保しやすい状況ですし、水が被った場合はマイコロンが機能し、相手のマカラやミストウイングをアクアデューク+ウォーロックディスクでこじ開けていきます。
 基本的には、序盤から安いクリーチャーを大量に展開して、硬そうな土地をレベルアップします。4~5連鎖とレベル4があったら、ランドトランスでレベル5を作りつつ領地をコンパクトにまとめて守るのを意識すれば、削りきられることは無いと思います。

7 試合結果

 当日の試合結果は2位、1位の2戦1勝でした。