■美鈴編■ 3日目【7月23日】
「ねぇ、まこと君。このまま、ちょっと抜け出さない?」 「え?」
優紀さんはそう言って俺に微笑む。 俺の返事を聞く前に手を取ってベランダから庭の方へ連れて行こうとしている。
「ちょっと、抜け出すって、何処に行くのですか?」 「そうね、夜の砂浜なんていうのはどうかしら?」
どうか? って言われてもなぁ。 いいのかなぁ。 康太郎さんの事もあるし、優紀さんだって勝手に抜け出してはまずいんじゃないか?
「それとも抜け出すの、嫌?」
う〜ん? どうしよう?
せっかくだし、一緒に行ってみよう やっぱ、抜け出すのはまずいだろう