■直美編■
5日目【7月25日】


 
 
Marine Blue Serenade
5日目

【 朝 /  /  /  】


◆7月25日<朝>◆
『直美さんの涙』


 


 今日は少し遅くまで寝ていた。
 夏休みになるとだんだん、朝が遅くなっていくんだよなぁ。
 おかげで姉貴から朝食を作ってもらえなかった…ああ〜、腹減った。

 俺はまた天乃白浜へぶらりとやってきた。
 う〜ん。今日もいい天気だぁ。
 もう昼近いから人が多くなってきてるぞ。直美さんはバイトに来ているだろうか?

 「ちょっと、ちゃんと片づけていってください」

 あれ、直美さんの声だぞ。どうしたんだ?

 「いいじゃないかよ、めんどくせぇ」

 直美さんと若い男二人、女二人のグループがもめてるぞ。

 「バーベキューを楽しむのは自由だけど、後始末をちゃんとしていって下さい。あなたたちだけのビーチじゃないんです!」
 「片づけるのも、あんたたちの仕事でしょ? 私たちお金払っているんだから」

 女性が「何言ってるのよ」という顔をして答える。
 しかし、直美さんは食い下がらない。

 「それとこれとは話が別です。自分たちが楽しんだものは自分たちで責任をもつのがマナーでしょ?」
 「うるせぇな! しつこいんだよ。たかがバイトのガキのくせに生意気だぞ」

 ちょっと柄の悪るそうな男の方が直美さんを睨み付ける。
 なんかやばそうな雰囲気。
 黙って見てていいのか?